みつばち社会〜働き蜂⑦貯蔵係と蜂パン〜

働き蜂たちも日齢が進んでいくにつれて、巣の中でできること、やる仕事が増えていきます。巣の中での彼女たちの仕事は様々なのです。

たくさんのミツバチがいるなかで、どの時期に、どのように役割(仕事)の分担が決まっているのかということはよくわかっておりません。

ということで、今回は内勤のお仕事の1つ貯蔵係についてご紹介。

復習:働き蜂④キャリアパス(日齢分業)というコラムできましたが、働き蜂は日齢分業という世界。内勤でお仕事をするのは、10日~20日頃までで、内役期とも言うそうです。

貯蔵係のお仕事

外で蜜を集めてきた働き蜂から蜜や花粉を受け取り、

巣房の中に詰めていくのが貯蔵係のお仕事。

蜜を詰める

貯蔵係の働き蜂たちが、外勤の働き蜂から蜜の受け取るその方法については、以前のコラムで書きましたが、口移しのバケツリレー方式です。(詳しくは以下の通り)

蜂たちは、まず花の蜜を吸い集め、蜜を貯める胃(蜜胃)に一旦溜めておきます。
十分に蜜胃がいっぱいになったところで巣に戻り、今度は口移しで中の蜂に蜜を受け渡します。
そして今度は受け取った蜂が別の蜂へと口移しでバケツリレーのように渡していき、
貯蔵係の蜂まで辿り着いたところで巣に注ぎ込まれ、蓄えられます。
みつばちコラム 蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜より抜粋)

巣の中にいる内勤の働き蜂同士でこのバケツリレーを何度も繰り返しながら、酵素が混ざり、水分を飛ばしていくのです。

みつばちの口吻

口から出ているのは、舌ではなくて、お口(くち)そのものなのです。この長い口(口吻)で蜜の受け渡しをします。

そして、何度か繰り返したあと、貯蔵係は巣房の中にお口から吐き出した蜂蜜っぽいものが詰めていきます。(この時点では完全な蜂蜜ではなく、この後、みつばちが羽ばたきで風を送るなど、空気に触れることで水分が飛ばされて、蜂蜜ができていきます。)

花粉を詰め込む

貯蔵係は、蜜だけではなく、外勤の働き蜂から花粉も受け取ります。
(花粉は大切なタンパク質。前回の授乳・給餌のお話であったローヤルゼリーは、若い働き蜂が花粉を食べて作り出します。)

受け取った花粉は、貯蔵係によって噛み砕かれて、巣房の中に押し込まれていきます。ちなみに、その押し込む方法は、頭で押し込むだそうです。その時、この花粉に蜂蜜が塗られて固められていくそうです。

蜜ぱん

蓋がない部分に花粉がみっちり。きっと貯蔵係が頑張って頭で押し込んだんですね。

こうやって巣房の中に作られた花粉のことを蜂パン(はちパン)やビーブレッド(bee-bread)、貯蔵花粉と呼ばれています。

ちなみに、この頭で押し込むを何度か繰り返すので、この花粉は地層みたいになっています。

蜜ぱん

たくさんの花粉で少しわかりにくいですが、花粉の層ができています。

今回の学びは蜂パン

今週は、内勤の働き蜂の中でも「貯蔵係」のお仕事について取り上げてみました。蜜を詰め込むだけではなくて、花粉も詰め込んでいるのです。しかも頭を使って。

そして、その名前が「蜂パン」というなんともかわいい名前ということを知りました。

今回はこれでおしまいです。
次回も働き蜂のお仕事の紹介が続きます。

参考文献:
山田養蜂場:http://honey.3838.com/lifestyle/meal.html
はい、やっこです!!:http://cerana.blog.fc2.com/blog-entry-101.html