かきものCOLUMN

日本みつばちの社会〜プロローグ〜

  • 2017.06.14
  • by Yoko

みつばちの社会は群れ社会。蟻のようにみんな働き者。
そんなことを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
確かにその通り、
女王蜂がいて、門番がいて、幼虫の世話係、蜜を集めてくる働き蜂、そして生殖時以外はブラブラしている雄蜂…
みつばちの社会には役割がたくさん。
せっせと働くみつばちたちを、そんな視点から観察してみるのも楽しいものです。

誰が何の役割を担うのか、
具体的にどんな仕事をしているのかなど、
じーっと彼女らの世界を覗き込んでみると興味深いところがたくさん。
私たちの日々の営みにも重なる部分や、
個々の生き物である一方で、一群れ丸ごとで一つの生き物のようなユニークな特徴の数々、
まじめ一辺倒というわけでもない素の姿(?)など、
知れば知るほど「へぇー」なんて感心ばかりしている私たちです。

「社会性昆虫」である日本みつばちの暮らし

今回はプロローグということで、みつばち社会の話を少しだけ。
「社会性昆虫」とは、蜂やアリのように、群れで暮らしを営み、
階層に基づく役割分業制を行っている昆虫たちのことを指します。
(中でも、生殖に関わる役割分業が行われているものを「真社会性生物」と定義するそうな。)

群れの規模としては、
一つの群れが数千〜数万匹。

この写真は分蜂時なので、個体数は少なめ

そのうち、女王蜂が1匹、働き蜂が数千〜数万、生殖の時期には雄蜂が2,000~3,000匹。
そして、そこで繁殖を一手に担うのが女王蜂。
2〜4年の寿命の間、せっせと卵を産み続け、最盛期には1日2,000個の卵を産む。
(なんていうスピード!)
働き蜂もメスなので、卵を埋めないことはないものの、
基本的には産むことなく生涯を終えるわけです。
なので、女王が色々な理由で不在になってしまうと、いろいろ大変。
(この辺詳しくはまた今後書いていきますね)

さて、そんな働き蜂の担う仕事はたくさんあります。
花蜜の採取、貯蔵、門番役や女王のお世話係、子育て担当、掃除、巣作りなどなど。
これらを羽化後の日齢によって一通りこなしていくのが働き蜂の世界。

一方、雄蜂は生殖が仕事。
後尾場所は上空であるため、女王蜂を見つけ、追いつかねばなりません。
そのために周囲を見渡せる複眼と、羽ばたくための胸部が大きく発達しているのだそう。
黒くてずんぐりむっくりした雄蜂。
幼虫の頃から既に一回り大きく、なんと卵を産みつけられる巣房のサイズから違うということで、
採取した巣を見ていると、「ここで雄蜂が生まれたのだな」というのが分かるのでは…なんて期待してみるものの、さすがにそこまで大きく違わないようですね。
約1mm程度の差、だけどその巣房のサイズがオス・メスの生まれる際の違いだったりします。(この辺もまた今後詳しく紹介していきます。)

巣と蝋蓋

シリーズ物、スタートです

ということで、次回からは「みつばち社会シリーズ」が始まります。
どうぞお楽しみに。
書いていく私たち自身も、彼女らの世界への解像度が上がっていくのが楽しみです。

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