マイクロシアターはじめました

みなさん映画は好きですか?
私は映画館が好きで、映画のことはぼちぼち好きです。

では、上映会は?
上映会は映画館とはまた違った面白さがあるな、と思っています。
会場は大きくても小さくても、なんだか似てる。

映画館がまちにあるって安心するし、
まちの中で上映会が開かれているのも安心感がある。
ポッカリと非日常への穴が空いているみたいで。
何かがすっと染み渡ってきそうで。

そんなわけで、草地家でもpopcornというシステムを使って近々映画を上映したいと思っています。
シアター名は、「淡路島の古民家シネマ」で登録してます。
ゲストハウスに続いて、シネマ部門もゆるっと走り始めそうです。
きっと不定期上映。

上映会のお知らせは、また書きます。
一緒に映画を観ましょう。

梅しごと

今年の梅しごと

漂ってくる夏の気配。
ここ数年、毎年この時期は梅しごとをしています。

梅酒、梅シロップ、梅干し。
梅干しは、いつも干さずに塩漬けしただけになっちゃうけど、今年こそ干したい。

涼しげな色合いと、甘い香りに包まれて、今年も梅しごとがひと段落です。

使っている梅は、みつばちの巣箱を置かせてもらっていた山の中に生えている梅の木から取れる梅たち。
何年も放置されていたので、枝ぶりは自由気ままだけれど、毎年きれいな花と美味しい梅をつけてくれます。
昨年は友人たちにも声をかけて収穫したのだけれど、今年は実が少なくて自家用だけ。
梅もたくさん成った翌年は、木の体力を回復しているのか実は少なめなのですね。

さて、それに加えて、今年は地域のおじちゃんから立派な梅もいただきました。
もらった方は大きいので、食べ応えがありそうでワクワク。
熟れて黄色くなったものを中心に、梅干し用に塩漬けに。
緑色のフレッシュなものは梅酒に。

あとは、1日数回振って待つだけ。
ちょっとづつ梅のエキスが染み出していくのが、毎日見ていて楽しみです。

飲み頃は?

シロップはだいたい2週間くらいで飲めるそう。
梅酒は3ヶ月くらいから飲めるみたいだけど、私は半年〜1年くらいゆっくり漬けたものがまろやかで好き。

シロップもゆっくり漬けている方がまろやかな気がするけれど、ちょっとづつ味が変化していくのを楽しむのも良いですね。

漬けて2日目の様子。エキスじゅわじゅわ。

 

梅シロップの作り方

【材料】(分量は割と適当にやってます)
青梅 1キロ
砂糖 1キロ

【作り方】
①梅を洗い、水につけてアクを抜く。2時間〜1晩ほど。
②ざるで水を切り、ふきんなどで梅を一つづつ拭く。
③爪楊枝で梅のヘタを取る。
④清潔なビンに、梅と砂糖を交互に入れる。
⑤冷暗所に保存して、梅がエキスで隠れるまでは1日何度か振る。

 

夏に向かうこの時期、1年の楽しみに仕込んでみてはいかがでしょう?
いつもスタンダードな作り方だけど、クローブやシナモンスティックを入れても美味しいらしいと聞き、ちょっと気になっているこの頃。
オススメの作り方やアレンジなど、何かあれば教えてください。

 

梅酒が5本、シロップ3本、梅干し2本。 半分は頼まれたものなんだけど、よく仕込みました。今年も満喫。

紫陽花の季節です

6月ですね。
庭の紫陽花たちが咲き始めました。
以前住んでいた奥さんが大切に植えて育てた色とりどりのお花たち。
奥さんほど上手にお世話はできないけれど、今年も綺麗な姿を見せてくれています。

草地家にお越しの際は楽しんで行ってくださいね。
今まで身近に紫陽花がいたことがなかったので、私、昨年まで知らなかったんですが、今頃から秋頃までなかなか長く楽しめるんですよ。
種類もいろいろで、今年もこれからワーッと咲いていくのが楽しみです。

2019.7.6.【イベント】ねむる場所、ひとの夢 #09世界の肌理にふれてみる

「感じる」「現わす」を試行錯誤する
よるのふねのあそび場
 
今回は、
「ねむり」「夢」
についてしみじみ考えます
眠りの世界にむかうとき、
あなたはどこにいきますか
毎回同じところ、
それとも毎回違う場所?
  
夜見た夢のとっておきを
もってきてください
最後は眠りにまつわるイメージから
ひとりひとりが物語をつくります



////////
よるのふね
「世界の肌理にふれてみる」

「感じる」を人と一緒にあそびながら
世界と自分の遠近をさわってみる、
実験とあそびの場
/////////////

■日時・場所
7月6日(土)14時~16時過ぎぐらい
草地家
兵庫県 南あわじ市倭文土井790

*草地家について
https://www.kusachike.com/

■定員
10名(先着)

■お申込
以下のいずれかよりお申し込みください
・FBイベントページの参加ボタン
・FBメッセンジャー(よるのふね、ギサブキリコ)
・メール kirik.yorunofune@gmail.com

FBのイベントページはこちら↓
https://www.facebook.com/events/2400577773340493/



■費用:500円
   

■もちもの
これまでにみた夢の断片(覚えていたら)


■主催・お問合先:よるのふね(ギサブキリコ)
kirik.yorunofune@gmail.com


—————————
これまで
  
# 01 ことば、間、絵(2018.9.22)
島村俊明さんの絵
ラウンジカド(岡山市)
  
# 02 ことばとおどり(2018.10.7)
山口佳子さん
ラウンジカド(岡山市)
  
# 03 公園の音(さがす、つくる、合奏)(2018.11.11)
岡山運動公園
  
#04 詩や言葉をもちよる会(2018.12.15)
旭川川辺
   
#05 ことばでつくられた食べ物(2019.1.5)
ラウンジカド(岡山市)
   
#06 詩や言葉をもちよる会(2019.4.27)
岡山運動公園

#07 旅の声(2019.6.2)
ネイロ堂。(岡山市)

#08 旅の声(2019.6.15)
ネイロ堂。(岡山市)

 

フェアトレードのオーガニックコットンタオルあります

旅行に行くとき、タオルって扱いに困ることもありますよね。

そこで、草地家ではレンタルタオルとして貸出しをしています。
体や顔を拭くのに丁度良いフェイスタオルサイズ。
世界三大綿の産地であるエジプトで、生産者にとっても消費者にとってもフェアな方法と価格で作られたオーガニックコットンのタオルです。
ぜひ使ってみてください。(もちろん持ってきたタオルを使うのも◎)

この頃フェアトレードとかオーガニックとか竹製の歯ブラシとか、
そういう話を投稿しているのだけど、草地家はストイックにこだわっているわけではなくて。
すごく緩やかなんだけど、始められる・続けられる範囲でシフトしていけたらいいなと。
その方が気持ちいいなと。日々の当たり前の暮らしに、健やかなサイクルに立脚したものがあると心地よいな。でも、これまで親しんできた色々なものたちだって好き。心地よい、っていうのが先にあって、選ばれていく・使われていくのが健やかなんじゃないかな。
そんな気持ちで扱っています。(それに、フェアな価格ってすごく高いってわけでもないんですよ)

 

 

環境にも人にも優しい歯ブラシ、入荷しました

泊まりに出かけた時、たまに忘れることってあるんですよね。歯ブラシ。
宿に着くまでに思い出すと「ちょっとどこかのお店で買っていこう」となるわけですが、すっかり忘れてお風呂に入ってリラックス・・・、そして夜遅くなってから気づいた時のショックたるや筆舌に尽くしがたし。。

そこで、ちょっと素敵な歯ブラシのご紹介。
草地家では、スウェーデン生まれの竹製歯ブラシを取り扱っています。
持ち手はプラスチックではなく、竹材で作られているので環境への負荷が小さくて安心。
歯医者さんの指導・監督のもと作られているので、使い心地も◎
そして、この歯ブラシは1本売れるごとに歯ブラシの製造コストと同額か、あるいは歯ブラシ1本が、Humble BrushとパートナーであるNGO団体に寄付されます。

毎年世界では、プラスチック製の歯ブラシが20億本以上使い捨てられているのだそう。
限られた資源や埋め立てられるプラスチック製品たちのことを思うと、考えものだなぁって思う。
それぞれ合った歯ブラシがあるし、いきなり変えるのは難しいから、変えられるタイミングで試みれたらいいよね。
そんな気持ちで扱っているので、「ちょうど変えようと思ってたのよね」「今日は持ってくるの忘れちゃった」なんて時には、良ければ試してみてください。
今のところは大人用のサイズのみ取り扱っています。

 

 

 

 

\\ステーション6月号に掲載されました//

コープこうべさんの発行する『ステーション』今月号の特集は「淡路島、7つの誘惑!」、お宿の紹介の中で草地家も取り上げていただいてます。うれしい。
淡路島のすてきなお店がいろいろ載っています。
見かけたら、ぜひ手にとってみてください。

わりと緊張しがちな私たち。
だけど、取材に来てくださったライターの方も、カメラマンさんも、気さくで安心してお話できました。いろいろお喋りしたり、見ていただいたものが記事という形で出来上がってくるのはうれしいなぁ
そして、裏方で作業されている編集者さんもに良い対応をしていただいて。感謝です。

有機栽培のフェアトレードコーヒー、取り扱い始めました

草地家では、環境負荷の少ないものやフェアトレードの商品などを
少しずつ取り扱っていきたいと考えています。
無理のない範囲で、無理のない形で持続的にやっていけたらいいな。
 
そのひとつとして、有機栽培のフェアトレードコーヒーの取り扱いを始めました。
有機栽培のコーヒー豆(東ティモール産)とカフェインレスのコーヒー豆(メキシコ産)の二種類。
有料サービスとして、宿泊される方や足を運んでいただいた方には、
セルフドリップ(自分で豆を挽いて、自分でドリップ)でコーヒーを楽しんでいただけます。
宿泊した翌朝に自分で入れたコーヒーを持って外に出て、山の空気を感じるもよし、
本を片手にコーヒーの飲みながらのんびりとしたとした時間を過ごすのもよし。
また、コーヒー豆の販売もしておりますよ。
 
 
 
 
 

2019.05.11【イベント】春のあわじしまたまねぎ収穫体験

淡路島といえば、たまねぎ。
どの時期に取れる品種も柔らかくて甘くて美味しいけど、この時期は地元の人もイチオシ。
いまこそ収穫に来ませんか?

プロデュースしているのは、
このまちへの移住や定住をサポートする「南あわじ市定住促進協議会」。
わたしもお声がけいただき、一緒にイベントなど企画しています。
島のおいしい暮らしと優しい人柄に触れてほしい、
そして暮らしたくなってほしい、ということで
今回はいつもお世話になっている地域のおとうさんの畑で、新たまねぎの収穫体験を実施します。
(おとーさん、いつも美味しいご飯とお酒を振舞ってくれたり。お世話になりまくり。。)

暮らしを変えるって、移住するってことだけじゃないと思う。
もちろん移住してきてくれたら嬉しいけれど、そんなに重くなくていい。笑
農作業体験をしてみたい、
おいしいもの食べたい、
地域の人と触れ合ってみたい、
そんな気軽さでご参加くださいね。

 

✳︎春のあわじしまたまねぎ収穫体験✳︎
2019年5月11日(土)14:00~16:30
参加費:500円  定員:10人

当日の主な流れ
①南あわじ市役所か高速バス停留所「陸の港・西淡」にて集合
②バスに乗って畑まで移動、自己紹介
③畑にて生産者さんから採り方のレクチャー、みんなで収穫
④たまねぎを試食してみる
⑤バスに乗って集合場所にもどる、解散
終了

草地家に宿泊される方は、採りたてのたまねぎで宴会をしましょー!
18時頃からみんなで料理して楽しみましょう。

⬛︎イベントへの参加申し込み
詳しくはこちらのWebサイトからご確認ください!(https://www.suminiko.jp/enkakun_plus/efiles/detail/91.html

確認した上で、こちらのフォーム(https://ssl.form-mailer.jp/fms/5e45d30c617156)からどうぞ。
(宿泊の予約・お問い合わせは草地家Webサイトからお願いします)

2019.04.27【イベント】乙女心は何色?竹皮染色実験

\10連休という長いGW初日、うちでイベントやります/

たけのこ掘って、染めてあそびましょー!

竹の皮から、まさかこんなショッキングピンクが抽出できるなんて…

たけのこを掘りたい人は午前中から、
抽出から参加希望の人は午後からお越しくださいね。
午前から参加する人は、掘りたてのたけのこを炭火で焼いて食べるのも良いですね。

なお!
イベントに参加した方で宿泊希望の方は、
特別割引:乙女割1,000円OFFで宿泊していただけます。

詳細はこちら:https://www.facebook.com/events/284345442476500/

\いよいよオープン/

Instagramでは時々投稿していたのですが、こちらでは久しぶり・・・。
実は昨春から職人さんや友人たちの手を借りて、古民家を宿にしようと改修を進めておりました。
そしてついに、昨春からはじまった改修が終わり、みなさんに来てもらえる準備が整いました!ながかったー!
お知らせが遅くなってしまいましたが、今日(2月27日)から3月2日まで宿のお披露目をいたします。
気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。

みなさんへのお披露目に先立って、2月22日(猫の日)にはこれまで手伝ってもらった方などにお声がけをして、ささやかなオープニングパーティーを開催しました。
人が入ると家って明るくなるんですよね。同じ家なのに、不思議。
この家と暮らし始めて一年と少し。
友人たちやいつもお世話になっている地域のお父さんたちなどが、何かあるといつも訪れてくれて、その度にこの場所の空気が優しく明るいものになっていきました。
これまで人がこの場所で暮らしてきた古民家。
これからはこの場所が人の集う場所として、また良い時間が生まれていくように、一緒に暮らしていけたらと思っています。

ウェブ関係が整うのは3月からなので、
お客さんが来たり…という感じで本格的にオープンするのは3月中頃以降かな。

宿屋を始めたっていうよりは、みつばち屋さんにゲストハウス機能が追加されたという感じなので、みつばちのいる山の中にゆっくり滞在して、まるっと味わって行ってもらえたらなーと思ってます。
みつばち達のように、ちょこちょこと繕いつつ機能も増やしつつやっていくので来るたび変化があるんじゃないかと。

ということで、宿泊機能も増えた草地家をどうぞ宜しくお願いします!
宿の紹介は少しづつ投稿していきますね。

 

【出店します】島の食卓2018冬

12月16日、「島の食卓」に久しぶりに出店します!
淡路島で、食卓を囲むオーガニックマーケットとして季節ごとに開催されている島の食卓。
私たちも、夏に採れた蜂蜜や蜜蝋を持って行きますよ。

固定種や自家採種した種の交換ブースもあったり。
今回は餅つきもあるとか。
うー、楽しみ。

ちょっと寒くなってきましたが、しっかり暖かくしてぜひお越しください。
お待ちしております。

\\今年初の採蜜//


1月末に山の中に引っ越して、
この春いくつか巣箱を置き、少しですがみつばち達が入ってくれました。
かわいいなー、なんて見ていたのですが、
ずいぶん元気なこちらの群れ。もう、巣箱の中はいっぱい。
巣箱を継ぎ足さないと分蜂して出て行ってしまうので継ぎ足して、その分少しだけ採蜜をすることに。

元気な群れはみつばちも穏やかな性格の場合が多いのですが、
この子たちも本当に優しい。
久しぶりで手間取っていても、まったく怒ることなく採蜜させてくれました。
採蜜した箱に残っているみつばちたちも、コンコンと箱をつつくと、ちょこちょこと出て巣箱に帰っていく姿が可愛らしい。。(その中には内勤の働き蜂に紛れて女王蜂もいて、「うっかり連れて帰らなくてよかった〜」とドキドキ。女王を失うと群れが消滅する恐れもあるのです。)

1年目の巣は、できたばかりで白くて柔らか。
フレッシュな蜂蜜を、そのままパクっと食べても美味しいのです。
今日採れた分は、このあと濾してから瓶に詰めてイベントなどで皆さんにお届けしますね。

分蜂シーズンもそろそろおしまい

日本みつばちの分蜂シーズンもそろそろ終わりに近づいてきました。日本みつばち養蜂家にとっては、一年に一度のとても大切な時期。
 
分蜂とは、
春の暖かくなってきた時期、巣の中では新しい女王蜂を迎える準備が始まります。新しい女王が生まれる直前に、これまで巣を統率してきた女王蜂は、これから生まれてくる新女王蜂に今の巣を譲り、約半数の働き蜂と共に巣から飛び立ち、新しい営巣場所に引っ越していくことです。
 
飛び立った群は、新しい引越し先(巣となるところ)を探しているので、養蜂家さんたちは様々な場所に、みつばちたちに気に入ってもらえるように、様々な工夫して巣箱を設置して、分蜂群が入ってくれるのを待つのです。(分蜂群を待つだけではなくて、捕まえるという方法もありますが、それはまたの機会に。)
 
山の中に拠点を移した私たちも4月上旬から裏山など、うちのまわりに巣箱を準備して、分蜂群が入ってくれるのを待っていました。
静かな山の中なので、晴れた暖かい日の昼間には、たくさんのみつばちが大移動しているだろう音が山の中に響きわたっていました。(昨年、分蜂した群れが巣箱に入っていくときの音を初めて聞き、周辺に響き渡る音とみつばちの数は、なかなかの衝撃でした。)
そんな山の中の音を聞きながら、うちの巣箱に入ってくれたかなってワクワクしながら、気になって何度も見に行ったり。

今年の結果としては、今のところ、うちのまわりでは1群だけですがわたしたちの巣箱に居ついてくれました。毎日元気に花蜜や花粉を集めに巣の前を行き来しているのをみると、なんとも愛おしい。
今年は初めての場所でいろいろと試してみて、来年に向けて改善点もわかってきたので、来年こそは、頑張ってもう少し増やせたらいいなと思います。

と言いつつ、今年もまだあきらめておらず、あと何群か入ってくれたらいいなーって期待しています。

日本みつばちの蜜蝋を使って試作中


野菜を包んだり、お皿を包んだり。 一昨年くらいから、WEBやSNSでよく見かけるようになり、日本で有名になってきたエコラップ(ミツロウラップ)。

草地家の日本みつばちのミツロウと優しい素材を使っていくつか試作しました。1年半くらい前 、私たちも友人から海外のエコラップをもらって以来、ずっと自分たちで作ってみたいなーと。

試作の布に浸透しやすくするため、蜜蝋を小さく削ったり、調合を変えてみたり。いろいろと試作をしてみて、なかなかの手ごたえ。
(ちなみに、淡路島産のひまわり油も少し試してみましたが、食用油の匂いが残ってしまい、あまり向いていないのかも。)

そして、先日は淡路島の藍染作家さんにも相談に。しっかりとした形になりそうな予感。

古民家と暮らす〜床張りWS〜

3月26日、みんなでワイワイ床を剥がして、断熱材を入れて床を張ってみました。
みんなでやれば、こわくない。
床、ちょっと張れるような気がしてきましたよ。
古民家は手を加えれるのが楽しいよね、という話もあり。
古民家に憧れてるんです、という人も来てくれたり。
古民家に住んでる、住み始めたとこ、という人もいたり。
「暮らしを自分で作っていけるのって楽しいー」というみんなが集まって一緒に作業できたのも楽しかった。
田舎でもりもり増えてる、増えてく古民家の空き家。気をつけるとこは気をつけつつ、楽しい使い方が増えるとよいね。
 

道具が並んでるだけで、ちょっとワクワク

写真を見つつ、岡山で実際に古民家を改修して今住んでいる話を聞いたり

いざ実践。まずは痛んだ床板をはがしていきます。

みんなで断熱材を切って、詰めて、塞いでいきます。

断熱材の上からコンパネを張って

その上から床板を張ったら、かんせーい

お昼ごはんは、それぞれ持ってきてお外で食べました。ギターの音と、歌声が響いてのどかな春の一日。

このお花は?

暖かい日も増えてきたこの頃、
淡路島の南の方では道端や畑の中など、
あちこちに黄色いお花が咲いています。

春になるとよく見かけるかわいいお花

一見すると菜の花。
あっちにも、こっちにも菜の花だらけ…!
なのですが、よーく見ると、何かちがう。

わかりますか?

もりもり咲いてます

周りの葉っぱでわかるかな。
この写真に写っているのは、白菜のお花。
白菜ってこんな風にお花が咲くものなんですねー。
暖かくなってくるとどんどんお花が咲いちゃうらしく、
淡路島ではもう葉物野菜はおしまいの季節なんだそう。

白菜畑です。

白菜の他にも、キャベツやブロッコリーなんかも
菜の花そっくりの黄色い可愛いお花を咲かせるのです。

2月下旬から咲き始めて、川の浅いところなんかでも
菜の花に似た花を咲かす何かの種が流れ着いて
かわいい花が群生しているのが見えたりします。
暖かい日にはミツバチが蜜を集めにせっせと飛んできていて
黄色くてかわいい花ともふもふのミツバチという
なんともかわいい組み合わせが見れたりします。

今日は雨模様でちょっと寒い淡路島ですが、
この雨が上がればまたぐっと春らしさを増してきますね。
植物たちはこの頃の雨で青々としていて、ずいぶん嬉しそう。
ミツバチたちが賑やかな季節まで、もう本当にあと少しですね。

淡路の島からハニーナイト@岡山(ヒバリ照ラス)

3月10日(土)、岡山でトークイベントをしてきました〜。
イベント名は「淡路の島からハニーナイト」!


△△淡路の島からハニーナイト△△
日時:3月10日(土)19:30〜21:00
・トーク、はちみつ食べ比べ(1時間)
・みんなでフリートーク(30分)
参加費:1,500円(1drinkとはちみつの食べ比べ付き)

呼んでくれたのは、岡山市表町商店街の一角にある「ヒバリ照ラス」さん。
「日々、誰かと誰かが出会う場所に。」をテーマに、ショップ・ホステル・レンタルスペースの3つの顔を持つ複合施設です。
この場所は2017年4月から始まっていて、私たち草地家が岡山から引っ越した後で出来たため、いつも面白そうな企画をしているのネット上で見かけるたびに参加したさを募らせていたのですが(時々ネット配信しているのを見て参加した気持ちになったりも。)、スタッフのキリさんと知り合いだったことからお声がけいただいて草地家のミツバチとの暮らしをお話しできる運びとなったのでした。

どんな方が来てくれるかな、とドキドキしつつ
蓋を開けてみればミツバチ好き、はちみつ好き、養蜂好き、草地家に興味もりもり、という感じの方たちが話を聞きに来てくださって、あっという間の2時間でした。

養蜂家と言うよりはミツバチ好き、ミツバチ萌え、情報萌えな草地家でして、
今回のテーマは「日本ミツバチの可愛さを草地家が語り尽くす!」ということに。
彼女らの生息している自然や地域の話から、西洋ミツバチと日本ミツバチのちがい、養蜂のこと、はちみつのことなどモリモリでお届けしました。
話を聞いた後は、季節ごとのはちみつをみんなで食べ比べながら、
実際の巣箱を見てもらいつつ、参加者から意見や疑問も飛び出しミツバチ話に花が咲き、エチオピアの養蜂事情なんかも教えてもらったり。

私たちが可愛いな、面白いな、と思っているものを
どんな風に受け止めてもらえるだろう、楽しんでもらいたいな、と
ドキドキしながら向かったのですが喜んでもらえたみたいでほんとによかった。
初めましての人も半数以上いて、新たな出会いが楽しく嬉しかったし、

お久しぶりの方には私たちが面白がっているミツバチの話や近況を知ってもらえる機会になって嬉しい機会でした。

日本みつばちの可愛さをたくさん喋った後は・・・

ハチミツを実際に食べてみる。

 

そしてそして、3月いっぱいまでの期間限定で草地家のハチミツを取り扱ってくださっています。
お近くを通る際は、ぜひぜひお立ち寄りくださいませ!

春の蜜はしっかりした花の香りが特徴的。チーズとも相性◎

引越しをした日

「いつ引越しするんや?」
「お祝い持ってみんなで行くから今決めぇ。」
 
そんな風に浦壁のお父さんたちに言われて、「良い日にしろよ」とも言われて大安の28日、今日、ついに引越しました。(と言っても、ドタバタでまだ運べてないものもあるんだけども。)
「12時に出発していくぞー」とか言ってたはずが、11時すぎには「もう、今から料理持っていくぞー」なんて連絡。はやい。
間に合わんやーん!とか言いながら、昨日買った石油ヒーターをつけて、取り皿並べて、ウェルカムボード描いて、、
 
おじいちゃんたちは5人で乗り合わせて、手に手にお土産を持ってワイワイ来てくれたのでした。
あの感じ、動画で残しておくんだった…。
朝採りたてのレタス6つ、甘夏、柑橘、ビールケース、美味しい地酒、イチオシの焼酎、オードブル、巻き寿司、シシ肉。
暖かくして、料理が並んで、人がワイワイ寄って、としていると、これまでひと気のなかった場所が何だか急に暮らしの香りが漂ってきてあかるい雰囲気になったの、不思議だなぁ。
そして気づけば始まる内覧会。
こりゃあ改修にお金がかかるぞ、なんて心配してくれつつ、でも色々出来るなー、なんて楽しそうにキョロキョロ。
 
みんなのおかげで、良い暮らし始めが出来ました。
あったかいお祝いのおかげで、家の中に暮らしのあたたかさが吹き込まれたみたい。
まだまだ新居に慣れないけれど、ここで暮らしていく1日目がとてもすてきな始まりになったことが、みんなのおかげであるということ、嬉しいなぁ。
そして一緒に1日目を過ごしてくれて、手伝ってくれたおふたりに大変感謝いたします。
 
さて、ここで営まれてゆく暮らしがどんなものになっていくのか。
みんなで楽しめるものになるといいな。
というわけで、草地家引越しました。
何かと遊べそうな場所なので、みなさま是非来てくださいませ。
おまちしております◎
 

いつもお世話になっているおじいちゃん達がお祝いに駆けつけてくれる。しあわせな、暮らしのはじまり。

現場作業と差し入れと

今日は友人たちやお世話になっている方が、掃除の手伝いに来てくれて賑やかな現場作業。
可愛くて美味しいにんじんケーキももらって、楽しいひととき。
みなさま、ありがとーー。
今日は5人いたので、もりもり進みました。みなさまのおかげ!

みつばち社会〜働き蜂⑧職人の技が光る!みつばちの部屋作りの巻・後編

さて、みつばちの部屋作り後編です。(前編はこちら

みつばちの巣房は6角形のハニカム構造。
そのことを知っている人は多いと思いますが、
どのようにできているかはなかなか知らないのでは?
と言っても、実際に作っているところを観察するのは難しいので
(だってみんなモリモリに重なり合って代わる代わる巣を作っていくものだから現場は常に人だかりというか蜂だかり覆われているのですよ)、
研究者たちの報告などから、その部屋作りの様子を想像してみましょう。
今回は坂上(1983)の紹介する、マーティンとリンダウアーの報告を見ていきます。

マーティンとリンダウアーの報告

①規則性を作る首の毛
巣室は重力刺激を手掛かりに作られていくのではないか、と仮定して
500から1,000匹の働き蜂の頭と胸、胸と腹を接着剤で固定したり、
頭と胸と腹の接続部分の感覚毛を塗りつぶして固定した。
そして、どのように巣を作るかを観察した。
その結果、頸部の感覚毛が重要であることがわかった。
頸部の感覚毛が固定されている時、巣室のかたちは不規則な形をとる。
しかし、接着剤がはがれて感覚毛が機能を取り戻していくと、規則的な巣室が作られるようになることが観察された。

②滑らかな巣の壁
マーティンとリンダウアーは、
触覚が使えなくなったらどうなるのかという疑問から、
ミツバチの左右の触覚先端を除去した。(かわいそうだけど、研究者っぽいな)
すると何が起こったか。
正常な巣壁は滑らかでシワもなく、厚さも0.07~0.09mmと安定しているが、
触覚が除去されると、そうした精巧さは見られなくなった。
つまり、触覚先端は、巣壁の仕上げに欠かせない道具だということがわかった。

③壁の厚みはどう測る?
さて、そしてマーティンとリンダウアーの新たな疑問が生まれてきます。
精巧な巣壁を作る働き蜂、
だけど壁の一方側で働いているというのに
壁の厚みを均一にできるというのは何故なのだろうか。

二人は、触覚と大あごの形態学、そして巣壁に刺激を与えた際のたわみ方の研究から、
次のような仮説を立てます。
加工のために蜂が大顎で壁面に窪みをつけると、
窪みは、材料の持つ可塑性(この場合は、蜂が巣壁を齧り取って、巣壁は蜜蝋でできているので、齧られたことによる凹凸が緩やかに滑らかになっていくこと)によって、元の位置に戻る運動を起こす。
そして、巣の温度が均一な時(35度)、均一な材質で生じる、こうした復元運動は、
復元されるまでの時間経過が一定だとすると、窪みの位置や深さ、壁の厚みで復元具合が決まるという。
その際、働き蜂の触覚先端は、巣壁の加工部位を常に探っており、窪み、位置、深さ、復元具合などの諸所のパロメーターを記録している。そこから、壁の厚みを算出しており、以後の加工方針の決定に必要な情報を提供している。

ふむふむ。そして、ここから先のところがわからない・・・

「この仮説で注目すべき点は、すでに出来上がった六角中の枠組み内で仕事が行われるときにのみ、精密計算での正確な答えが得られることだ。巣室にわずかなゆがみを与えるだけで、ロウの復元運動は影響される。造られつつある巣盤下方の生長部では、六角形はまだお粗末だし、巣壁は厚く不揃いである。同じことが女王室の外壁表面の模様にも示されている。つまり六角形と均一な薄い巣壁は、相互に影響し合って形成されていくのである。」(坂上 1983:25)

何度も読んだのですが
3つ目の最後らへんは、今ひとつどういうことなのかよく分からず。
しかし、何やら面白そうなことを書いているなぁと思ったのでした。
誰かわかったら教えてください。

そしてマーティンとリンダウアーが報告してる話ではないけれど、
みつばちたちの巣作りで、これまた不思議なのは、
複数箇所から作り始めることが可能だということ。
精密な6角形の巣房、だけど、上から鐘乳石のように伸びていく巣房は、
一見するとバラバラに作られていくにもかかわらず、
見事に連結して、一枚の巣になっていくのです。

どうやって測っているのかしら。
彼女らの謎です。

蜂たちの鎖

この巣作り作業の際によく見られるのが、
みつばちたちが鎖のようにつながって、カーテン状になっている様子。
しかも、長時間、動かずにいる。
この理由はいろいろ言われているのですが、
正確な理由はわからないというのが多く見られる見解です。

ふむ。

ある説では、
巣を本格的に作り始める前の見取り図・下地として、
自分たちでつながって見ているのだという人もいます。(タウツ、2010)

またある説では、一晩そのままじっとしておくと、
翌日、腹部に薄いうろこ状の蜂ろうが分泌されていて、
みつばちはその状態のまま、みつばちの鎖を伝って上までよじ登り、
蜂ろうを大あごで噛んで柔らかくして、
天井に一片を器用に貼り付けていく。
そうやって左官のごとく、代わる代わるにせっせと施工というか

作業を行っていくのだとか。(坂上、1983)

あるいは、縄ばしごのように、
床に落ちてしまったうろこ状の蜂ろうを拾い集め、
巣房作りをしているところまで運び上げる役割なのか。(タウツ、2010)

こんな具合にみんな色々と予想してみていますが、
「僕としては◯◯という理由なんじゃないかと思うんだよね。知らんけど。」という感じ。

分蜂球の中に手を入れた時も、
手を抜くときにブラーンとひっついていたりしたのだけど、
なんか連結しがちな生き物なのかな。知らんけど。

ついてきた蜂たち

指先にくっついてきたみつばちたち

 

今日はここまで

さて、今回は働き蜂の内勤期のお仕事、部屋作りについて見てきました。
人間にはわからない、みつばちたちの設計術が光る巣房作りの技。
何のためだかわからないけれど、鎖のように手足を取り合ってぶら下がったり、
ファスナーがピタリと閉じるように、バラバラのところから建設していた巣房が綺麗に連結したり、
みつばちは不思議だなぁ!

内勤のお仕事、まだまだ次回も続きますよ!

参考文献
坂上昭一、1983、『ミツバチの世界』、岩波新書

みつばち社会〜働き蜂⑧職人の技が光る!みつばちの部屋作りの巻・前編

成長に伴い、様々な仕事に取り組む働き蜂。
羽化してからの内勤期(10日〜20日)には、
巣房作りにも取り組んでいます。
蜂蜜や花粉を貯蔵したり、子育てをしたり、
時には頭を突っ込んで一休みする(本当にそんな風に休むそうな)、
そんな、みつばちにとっての部屋=巣房作りは
どんな風に行われているのでしょうか。
見ていきましょう。

巣の素材は自分で作る

みつばちのお腹

このワックスミラーからロウを分泌します

みつばちの巣は、
みつばちが分泌するワックス=蜂ろうで作られます。

(体のどこから蜂ろうを出しているのか、どう処理していて、
どれだけの労力がかかるすごいことなのかについては、
以前書いたこちらの記事を御覧ください)

ちなみに、ミツバチ研究者のタウツは、
「ミツバチは、巣板の材料を自分で造り出すという点で、動物界のエリートに属する」(丸野訳、2010)なんて、
初孫を可愛がるおじいちゃんみたいなことを言っています。
(彼の著書はミツバチ愛に満ちていて、表現もなんだかドラマチックなものが多いので
読んでいるとクスりと笑えておすすめ)

他には「ロウと蜜の間には敏感な需要–供給の関係がある。貯蔵庫が手ぜまになれば、ハチは体内に蜜を貯めておかざるを得ない。多くの個体でこの状態がつづくと、その一部はロウに転換され、貯蔵庫新設の材料が造られる。人類が出現するはるか以前に、彼らは昆虫仲間での”産業革命”に成功した。」(坂上、1983)なんて風にも言われていたり。

えらいよ、ミツバチ。

みつばちのルックス

一斉に一気に作る

さて、そんな「動物界のエリート」たちはどうやって巣房を作っていくのでしょう。

最も活発に巣房が作られるのは、分蜂直後。
新しい住処を見つけたミツバチたちは、早速巣房を作り始めます。
蜂ろうを作り出すにはとてもエネルギーが必要なのですが、
その際のエネルギー(=蜂蜜)は古巣から飛び立つ際に、
蜜胃いっぱいに蓄えて旅立っているのです。

分蜂 触る

新しい巣に移ろうとして一旦木にとまった分蜂群に指を差し込んでみる。みんな人間に構っちゃいられないくらいお腹いっぱい精一杯。

とはいえ、蓄えとして持ってこれているのはせいぜい5000個の巣房を建築できる程度のもの。
中ぐらいの規模の巣の巣房が約1000,000個であることを思うと全然足りていない。
小規模どころの話ではない。
ということで、巣の建築が速やかに行われるとともに、花蜜の収集も即開始されるのです。
(ほんと、いつも働き者だけど、分蜂直後はひときわ大忙しだなぁ。。。)

①下地を塗る

そんな巣房作りは上部に下地を塗るところから始められます。
まず、蜜蝋の塊を塗りつけます。
どうやって塗りつけるかというと、
自分の腹部の腺から分泌した、コンタクトレンズのようなロウを、
後ろ足の櫛のようになっているところで器用に取り、
口まで運び、強い顎で柔らかく扱いやすい温度と硬さになるまで噛んで練ります。
口内で練られたロウは、白色のリボン状に変わり、
このリボンを顎で噛みきり、ペタリと塗りつけるのです。

と、盲目のみつばち研究者ユーベルはそんな風に報告しているそう。
(優秀な助手との二人三脚で生涯研究を続けたのだとか。)

②ピン先のような初期の巣房、そして下絵作り

さぁ、下地を作ったら今度はそこに塗り重ねて
下へ下へと伸ばしていきます。
巣房の壁自体はとても薄い(0.07mm)のですが、
最初に基礎として作られるこの部分は、その10〜20倍ほども分厚いのです。
そして、一旦分厚く作った壁を、みつばちたちは両側から孔を掘っていき、
次第に薄くします。
そして削り取った材料は、下方の巣の土台作りに再度使われるのです。
こうして窪みがついた、巣房の下絵が出来上がります。

と、そんな観察をしてレポートしたのはダーウィンだそう。

③いよいよ6角形の巣房ができる

窪みのついた下絵が出来たら、今度はその絵に沿って、
一つの部屋ごとに仕切るべく壁をこしらえていきます。
働き手は絶えず入れ替わり、交代しながらロウを使って下絵に沿って壁面を作り上げ、
巣房を作り上げていくのです。

日本みつばちの巣

6角形はどうやってできるの?

さて、ここで、6角形の巣房は、初めは円柱としてできたものが部屋数の増加に伴い、
相互の圧力や熱によって、次第に6角形になるんだ、という説があります。
確かに、丸が合わさると6角形になっていくし、
ある種のハチの巣ではそうした経過が見られるといいます。

しかし、みつばちは違うのだ、という説もあるわけです。
私としては、6角形は初めから保たれているという説を支持したいなぁという気がします。
ということで、次回はここのところを坂上(1983)の紹介する、マーティンとリンダウアーの研究から見ていきます。

ということ、今回はここまで!
(6角形がどうやってできるのか、面白そうなんだけど読解が難しい!ぐぬぬ。)

 

参考文献
坂上昭一、1983、『ミツバチの世界』、岩波新書
Juergen Tautz、丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち社会〜働き蜂⑥次の仕事は授乳・給餌〜

先週のコラムから、日本みつばちのお仕事を
孵化してから順を追って見ていっております。
前回のコラムで見たように、
生まれて最初に取り掛かる仕事は、巣の掃除と赤子の保温作業。
保温方法にびっくりでした。
隣の巣房や蓋の上から蜂肌で温めてるなんて、なんかちょっと可愛い。

掃除、保温、お次は授乳・給餌

さて、そんな彼女らが次に取り掛かる仕事が、授乳です。
えっ、さっき蛹から出てきたばかりなのでは?という気もしますが、彼女らが次に取り掛かるのは、孵化したばかりの幼虫に惜しみなくローヤルゼリー(姉妹ミルク)と呼ばれる栄養分を供給する作業なのです。

授乳を担うハチは、羽化後おおよそ5日〜15日の若い働き蜂。この時期は、ローヤルゼリーを生産するために大量の花粉を消費します。

ローヤルゼリー(姉妹ミルク)って何?

健康食品・栄養補助食品などのコーナーで見かけることのある「ローヤルゼリー」。
栄養価の高いイメージを持つものの、一体それが何なのかあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
ローヤルゼリーとは、若い働き蜂が作り出し、卵から生まれてからみつばちの幼虫が3日間程度、女王蜂が一生涯食べる高栄養価な特別食。

「ミツバチの幼虫は卵から孵化して楽園に到着する」(丸野訳,Tautz,2010)と言われたりするように、羽化するとすぐに与えられ、プールのように浸かることになるのが、ジュース状の高栄養価な食料「ローヤルゼリー」なのです。

ローヤルゼリーに浸かる幼虫たち

そしてそんなローヤルゼリーを作るのは、幼虫たちの母である女王蜂ではなく、姉妹たち。そのため「姉妹ミルク」とも呼ばれます。
素材は花粉と蜂蜜。みつばちが、これらを体内で分解・合成したクリーム状のものが「ローヤルゼリー」です。

ローヤルゼリーは、みつばちにとってミルクにようなもの。主成分は脂肪酸で、色合いもほんのり白っぽく、指先につけて舐めてみるとコッテリとした風味の液体です。

食べ物で変わる身体

幼虫期に与えられるものがローヤルゼリーのみで、花蜜や花粉へと変化しない場合には、幼虫は女王蜂へと成長を遂げていきます。
そう、実は女王蜂か働き蜂かを決めているのは、実は生まれてからの食料なのです。
もちろん、群れが計画的に女王を作り出す場合には、「王台」と呼ばれる女王蜂専用のベッドルームが作られ、そこで出産・育児が行われます(与えられるものはローヤルゼリーのみ)。
しかし、不幸なことがあって女王蜂が死んでしまった場合には、働き蜂の幼虫にローヤルゼリーを与え続けて、女王を製造することも行われるのです。
働き蜂か女王蜂か、その分岐は生まれながらではなく食にあったのです。

授乳から離乳食へ

そんなミツバチが幼虫期に消費する姉妹ミルクは25mg。
生まれてから3日間はすべての幼虫にこのミルクが与えられますが、働き蜂の幼虫は3日がすぎると、与えられるものに含まれる成分が変化していきます。姉妹ミルク100%だったのが、徐々に花粉と蜜が混ざるようになり、最後の齢になると完全にミルクから、花粉や花蜜、蜂蜜へと切り替えられるようです。
なんだかまるで、ミルクから離乳食、幼児食への変化みたいですね。
実際、この姉妹ミルクは哺乳動物の母乳と同じく、免疫力を高める効果を持っています。
幼虫の時期、細菌感染の経路として腸管からの病原体の侵入が挙げられるのですが、姉妹ミルクを摂取することによって、腸管内に入った細菌に対して免疫防御力が発揮されるのです(丸野内訳,Tautz,2010)。

ワーカーゼリー?

3日目まで働き蜂も与えられる姉妹ミルク(ローヤルゼリー)、
実は女王候補と働き蜂の幼虫とでは質に違いがあるのです。

以前、みつばち社会~女王蜂①女王の誕生~でも少し触れましたが、
働き蜂の幼虫用のものは「ワーカーゼリー」とも呼ばれており、ローヤルゼリーではあるものの、女王用に比べると成分の薄いものが与えられているそう。

そして、女王に成るか、働き蜂になるかの分岐点は、ローヤルゼリーを与えられる期間だけではなく、
この姉妹ミルクの組成の違いも影響していると言われております。
組成の中でも、重要なのは「甘味」で、ローヤルゼリーのうち、重量の35%が六炭糖成分だと女王蜂になり、10%では働き蜂になるのだとか(丸野内訳,Tautz,2010)。

雄蜂への扱いはさらに雑?

 

ずんぐりむっくりとした見た目が可愛らしい雄蜂。
他の姉妹たちと比べて体が大きい分、食事量も多いそう。かわいいですね。
働き蜂と同じく3日目までは同じくワーカーゼリーを与えられ、以降は花粉や蜜が混ざったものを与えられるようになるのですが、どうやらワーカーゼリーを与えられている孵化後3日程度の時点ですでに花粉や蜜の混入率が働き蜂に比べて多いようです。
ワーカーゼリーというか、ドローンゼリーとも呼ばれているそう。
働き蜂の方が良いものを食べてるってことかしら。

摂取期間とグレード

ところで一体どこから出してるの?

「授乳」といっても、乳房があるわけではありません。
頭部に「姉妹ミルク」を分泌する腺(下咽頭腺と大顎下腺の)があり、それを、大顎の内側にある腺(大顎腺基部の内側の閉口部)から溢れさせ、顎の先端部に集めて幼虫のいる巣房へと詰め込みます。
これらの腺は、姉妹ミルクを作らなくなったハチでは機能が退縮しているのですが、諸所の理由から再度生産する必要が出てくると、再活性化されるのだとか。
基本的には若いみつばちだけが作るけれど、必要になれば再度作れるようになるなんて、動物社会でもある現象で、なんだか親近感がわきますね。

ただし、外勤を経験した日本みつばちでは、作り出す成分に変化が起きているようです。西洋ミツバチは、外勤経験後もローヤルゼリーの中に含まれる主成分に変化が見られないのに対し、日本みつばちでは、日齢(分業)によって大顎腺成分に変化が起きているみたいですよ。

外勤を経ると変わる主成分

ローヤルゼリー特有の成分であると考えられている不飽和脂肪酸hydroxy-42-decenoic acid(10-HDAと略される)は、Royal Jelly Acid(ローヤルゼリー酸)とも呼ばれています。
外勤蜂化する前は、日本みつばちも西洋ミツバチも10-HDAと10-hydroxydecanoic Acid(10-HDAA)を主成分として生合成するのですが、外勤を担当するようになると、日本みつばちのローヤルゼリー主成分は10-HDAAとなり、10-HDA(ローヤルゼリー酸)は主成分というほどは作られなくなるのです(西洋ミツバチは、外勤蜂化しても主成分は変わりません)。(篠田雅人,中陳静男,1984松山 茂 , 鈴木 隆久 , 笹川 浩美,1998を参照)

 

今日はここまで

今回は、働き蜂の給餌という仕事を見ていきました。
若い蜂たちは蜜や花粉を食べてローヤルゼリーを作り出し、さらに若い妹たちを育てているのですね。
与えられる成分にも女王蜂か働き蜂か雄蜂なのかで違いがあったり、外勤を経験した高齢の蜂だと出せるローヤルゼリーの成分に違いがあったり。
給餌係と言っても、いろいろなことが起きていますね。
さて、給餌係の次はどんなお仕事が待っているのでしょう。
次回もどうぞお楽しみに。

 

参考文献・URL

山田養蜂場
http://honey.3838.com/lifestyle/tanjyou.html

松山 茂 , 鈴木 隆久 , 笹川 浩美,G125 ニホンミツバチApis cerana japonica Rad.の情報化学物質 : ローヤルゼリー中の遊離脂肪酸と働き蜂および女王蜂の大顎腺成分(生理活性物質),1998

http://ci.nii.ac.jp/els/contents110001089377.pdf?id=ART0001245890

篠田雅人,中陳静男,「ローヤルゼリー酸の生物化学」,1984
http://id.nii.ac.jp/1240/00000053/

はい、やっこです!!
http://cerana.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

ローヤルゼリー効果効能.com
http://ローヤルゼリー効果効能.com/index.html

丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

 

みつばち社会〜働き蜂④キャリアパス(日齢分業)〜

さーて、今回は「働き蜂のお仕事」がテーマです。
みなさんご存知の通り、働き蜂はハードワーカー。
その名の通り、生まれてから死ぬまで働いている超・働き者です。
ここまで読んでいる方は承知の通りですが、もちろん全てメスの蜂たち。
コロニーの95%以上を占め、細かく見ていけば約20種類の仕事を分担しているといわれる彼女らの生涯。
生まれてから死ぬまで、どんなキャリアパス(日齢分業)を歩んでいるのか見ていきましょう!

0日目〜4日目 内勤:若バチ期

21日で卵から幼虫、さなぎへと変化し、そして羽化する働き蜂。
羽化して成虫になると早速お仕事が始まります。
若バチ期と呼ばれる時期の、幼い彼女らが初めて取り組む仕事は、
巣房の掃除やロイヤル・コートと呼ばれる女王蜂の発するフェロモンを受け取る集まりに参加するのもこの時期。

群れのミツバチで覆えるくらいが巣の適正サイズ。しっかりお掃除ができることで、病気から群れを守るのです。

4日目〜10日目 内勤:育子期

そして若バチ期から育子期にかけてのお仕事は、
巣室の蓋がけや幼虫への給餌、巣内への送風、
そして徐々に飛行の練習が始まります。

風を送って貯めた蜜を乾かす。この羽ばたきも、飛行のための練習になるのだとか。

10日目〜20日目 内勤:内役期

練習飛行の傍ら、巣の修理や外勤バチからの蜜の受け取り、
スズメバチなどの外敵を警戒して目を光らせる門番役、
そしてちょっとづつ外へと働きに出かけていくようになっていきます。

20日目〜36日目 外勤:外役期

羽化から20日を過ぎると、外での仕事に移り変わっていくようです。
花粉集めや蜜集めに出かけているのはこの時期の蜂が多いようですね。

草地家のみつばち

足には花粉団子をつけて帰ってきたりも

マイクロチップを埋め込んで観察した研究によると、1日に10往復以上するような熱心な個体もいれば、2〜3往復程度の怠惰な個体もいたりと、働き蜂とはいえ性格もいろいろあるそうですよ。
(私たち人間も、彼らと関わる際に、この群れは警戒心が強いとか、穏やかだとか、そういう違いはわかるけど、怠惰だとか熱心だとかはまだ分からないなぁ。いつか分かるようになるかしら。)
働き蜂の生涯がせいぜい4週間程度であることを思うと、人間でいえば50〜80歳くらいといったところでしょうか。
いや、あまり動かない冬季には6ヶ月ほど生きることを思うと、働き盛りで、体力充分、という感じなのか?

日齢分業なミツバチの生き方

働き蜂は名前の通り、一生涯の中で様々な仕事を次々こなしていきます。
子育て、掃除に始まり、巣作り、女王蜂の世話係り、死骸捨て、門番、そして餌集めへと
どんどん仕事が変わっていく、そんな働き蜂の一生。

ミツバチたちは、どうして生まれた日数とともに仕事が変わっていくスタイル(日齢分業)なんだろうか。
生まれて、ちょっとづつ社会のこと、世界のことがわかってきて、そして外の世界へと危険を顧みず働きに出かけていく。体の使い方も、警戒の仕方も、ちょっとづつ分かってきたからこそ遠くまで働きに出かけれらるんだ。
そんな風にも考えられるし、
若いうちは、若さゆえにローヤルゼリーや蜜ろうの分泌が盛んな時期だからどんどん分泌して、年老いて枯れてきたら肉体労働に回りなさいよ、力尽きて死んだらそこまでよ、という判断なのか。
両方ある気もするけど、後者の要素が強いような気も。。
社会性昆虫であるミツバチたちの世界、面白いなぁ。

草地家のみつばち

ということは、採蜜に出かけるこの子たちはおばちゃん、お婆ちゃん世代なのか。

さて、今回は働き蜂の日齢分業について見てみました。
次はさらに詳しく、働き蜂の仕事の現場を見ていく予定です。
みつばちの世界について、ちょっとづつ分かっていくのが私たちにとっても楽しいコラム、
次週も楽しみです。

参考文献
フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ
菅原道夫、2005、『ミツバチ学』、東海大学出版会
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち社会〜働き蜂②体の構造〜

日本みつばち

前回は働き蜂のルックスでした。
今回は、モフモフかわいい働き蜂の体の内側、構造について見ていきましょう!

花蜜の持ち運びに最適な体

体の中はこんな感じ

横から見るとこんな感じ。
基本的に、花の蜜を吸って、持って帰ってきて、内勤の蜂に渡すための体の構造になっています。

◆蜂蜜を貯蔵します

流れとしては
①働き蜂は、花を見つけると、
口吻から長い舌を伸ばして花の蜜を採ります。

②そして、口の筋肉を大きく広げることで減圧状態になり、
たくさんの花蜜が口の中に流れ込むそう。(真空吸引)

③花蜜はさらに奥へと流れ込み、今度は下顎頭腺へ。
下顎頭腺では、花蜜を蜂蜜へと変える酵素が作り出されています。

④そこから、食道、蜜胃へと進み、
巣へと戻った時には、蜜を集めに出かけていた働き蜂(採餌バチ)から、内勤の働き蜂へと口移しで渡されて、貯蔵されていきます。
食道では、入り口から出口まで走る筋肉が収縮することで、花蜜を口から胃まで(吐き戻しの際には胃から口まで)送り込みます。
蜜胃では、花蜜の一時保管が行われており、外で花の蜜を集めて貯めておく他、外勤バチから内勤バチが受け取る際にも蜜胃へと貯めて運んでいきます。

◆足についている「花粉かご」

草地家のみつばち

黄色い花粉団子を足につけた姿が可愛い

足に黄色い花粉を丸々とつけたミツバチを見かけたことがある人も多いのでは?
花粉はミツバチにとって貴重な栄養源。
たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを含み、幼虫の成長に欠かせない食べ物です。

働き蜂って、胃には花の蜜を貯め、足には花粉団子をくっつけて朝から夕方まで飛び回るわけですね。

蜂蜜を作るための体

ご覧の通り、ミツバチの体は、蜂蜜を作り巣に貯蔵するための体になっています。
一体どうしてそんな進化をしているのでしょう。

生きていくのに厳しい冬などの季節は、成虫は死に、卵だけが冬を越え、良い季節になれば生まれ、短い生涯を生き、また冬には死ぬ。そんなサイクルで暮らす生き物もあります。

一方、ミツバチは食糧源である花が一時しか咲かない儚いものであるという課題に対して、花蜜を貯蔵できるように蜂蜜へと作り変える能力を手に入れ、越冬することを選びました。

結果として、ミツバチはさながら「蜂蜜製造機」のような体になっているわけです。

ということで

今回は、蜂蜜製造機のようなミツバチの一面を見ていきました。
モフモフ可愛い体の内側にはあんな構造が詰まっていたんですね。
今回は蜜ろうについて触れることができなかったので、その辺りはまた次回!

 

参考文献
フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ

みつばち社会〜女王蜂⑥ルックス〜

女王蜂シリーズ、ついに6回目までやってきました。
ここまで「女王蜂」「女王蜂」と書いてきましたが、
「女王蜂」を見たことはありますか?
働き蜂は、春になるとせっせと花蜜を集めに飛び回るし、
苺ハウスでも働いているので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。 

たくさんの栄養を与えられた女王蜂、
きっと働き蜂よりも大きいんだろうな、という想像はできると思います。
まさにその通りなのですが、今回は少し詳しく書いていきます。

働き蜂と比べて大きく、 長身で黒めな女王のルックスに注目です!
と書きたいところですが手持ちの女王蜂の写真を探してみたところ西洋ミツバチの女王と、死んでしまった日本みつばちの女王のみ。
写真はまたいつか掲載したいと思います。。。涙

ルックス

写真を撮れていないので、今回はシルエットで

何万といる群れの中でも一際目を惹く女王蜂。

体の大きさが他の働き蜂と違うのはもちろんですが、
女王蜂の外見で何より特徴的なのは、その腹部。
長くて太い立派な腹部には、1日2000個も卵を産むための産卵器官が備わっており、
交尾を終えて産卵可能な体になった女王蜂の腹部は、未交尾の女王の腹部と随分太さが異なるそう。
また、腹部が細長いのも、卵を産みつける際、巣房に差し込みやすいため。

そして、ミツバチといえば、
針に返しが付いており、相手を刺すとき、針もろとも自身の内臓までもが自分の体から抜けてしまい、死んでしまう儚い生き物。
しかし、女王蜂には針に返しが付いていません。
刺そうと思えば何度でも刺すことができるわけですが、女王が針を使うのは生まれたとき、他の女王候補を殺すときのみ。

すべては群れに1匹のみで、卵を産み続ける使命を持った女王ならではの仕様ですね。
ちなみに、日本みつばちと西洋ミツバチでは、腹部の色が違うので初めてみると感動しますよ。
日本みつばちの女王は腹部が黒く、全体的に黒っぽい印象。
対して西洋ミツバチの女王は黄色やオレンジいろっぽい腹部で、全体的に黄色っぽい華やかな印象。
最近、若手の養蜂家仲間のところへ行った時に西洋ミツバチを見せてもらったのですが、女王蜂が見事なオレンジ色の腹部で、これまで写真などで見ていたもののやはり目の前でみると、随分違うなぁ、と感動でした。

 

みつばちの寸法

さて、今度は数値で見てみましょう。
『ニホンミツバチの飼育法と生態』(吉田,2000)の表を参考に、日本みつばちの女王蜂と働き蜂、雄蜂を比較して見ていきます。

  女王蜂 働き蜂 雄蜂
体長 13~17mm 10~13mm 12~13mm
体重 150~210mg 65~90mg 120mg
卵巣小管数 135 12
生育期間(卵〜成虫) 15日間 19日間 21日間

(『ニホンミツバチの飼育法と生態』(吉田,2000)p.102表1ニホンミツバチとトウヨウミツバチの形態・整理の相違点より一部抜粋)

まず体長、すらりと腹部が長い女王蜂は13~17mm、
働き蜂や雄蜂と比べると1.25~1.5倍程度あります。
女王と出会う機会は多くありませんが、群れの中で動く姿は一際目を引く立派なものです。
体重は、雄蜂と比べると約1.25~1.75倍、働き蜂に至っては約2.3~3.23倍、女王蜂の貫禄が伺えますね。体重増加の速度もすごいものですね。たった5日間で1000倍になっていて、人間に換算すると生後5日の新生児の体重が3.5トンということになるわけです。

早い成長

そんな大きく立派な女王蜂ですが生育期間は雄蜂や働き蜂の4分の3程度。
女王蜂の初仕事の回でも少し触れましたが、女王蜂は15日で羽化するのです。
女王蜂の発生が他に比べて早い理由としては、若い女王蜂間での時間競争のためではないかと言われたりもする。つまり、女王蜂は生まれた時の初仕事として他の女王候補を抹殺するか、働き蜂のいくらかを引き連れて巣別れ(分蜂)するか、という選択を突き付けられる。
そうした中では少しでも早く生まれる方が生き残る上で有利。

でも、そんな生存のために女王が早く生まれるように進化したなんてことあるんでしょうか。
素人の私としては、ずっとローヤルゼリーという特別なエサをもらい続けているから成長も早いんでは?なんて思っちゃいます。どうなんやろ。

ということで

約2ヶ月続いた女王蜂シリーズも、今回で終了!(たぶん)
来週からは新シリーズが始まりますよ。
どうぞお楽しみに。私たちも新たな側面から彼女らの生態に迫るのが楽しみです。

今日はなんの日?83の日!

8月3日といえば、そう、はちみつの日。
みつばちの日(3月8日)があれば、はちみつの日もあるのです。
全日本はちみつ協同組合と、日本養蜂はちみつ協会が1985年に作ったのが始まりだそう。
よく似た名前の団体が仲良く制定するなんて何だか意外。
それはさておき、今日は蜂蜜と日本人との関わりを少しご紹介しましょう。
日本でみつばちのことが史上に出てくるのは『日本書紀』の627年のくだり。養蜂も試みていたようですが、なかなか難しかったようです。その後、奈良時代には三韓からの献上品として記述があったり。
さらに平安時代の日本、蜂蜜は宮中への献上品に使われるような貴重品だったそう。
さらにさらに江戸時代には家康の孫娘「千姫」が嫁入りの際に絹や金百貫などとともに蜂蜜を持参していたとも。

そんな私たちの暮らしと古くから関わってきた蜂蜜、時にはそんな歴史に思いを馳せてパクリと食べるのも良いかもしれませんね。

みつばち社会~女王蜂④卵を産む〜

さて、今回は女王蜂の重要な仕事「産卵」について見ていきましょう。

前回のコラムで、女王は自身の分泌するフェロモンによって、
群れの他の雌蜂である働き蜂の生殖や産卵を抑制し、
働き蜂としての労働を促すことについて少し触れました。
みつばち社会では基本的に女王だけが卵を産み、群れを大きくする仕事に従事します。

一体どれくらい産んでるの?

女王蜂は、巣房1つにつき1つの卵をせっせと産んでいきます。
その数、1日1000個から2000個。
大きさは約5.5mm、体重に等しい重量の卵を1分間に1〜2個産み続けているという。
人間でいえば1日20人の子供を一夏中産み続けるようなものだそうな。ううむ。

みつばちの卵

見事なハニカム構造と卵

巣房のサイズが産み分けを決める

毎日たくさん産みつけられ、育児係に世話され育っていくみつばちたち。
その大半は働き蜂=メス。
そして生殖のみを担うオスの蜂は群れに10%程度。
この産み分けはどのようにして行われているのかというと、
体(貯精嚢)に蓄えた精子を使うか、使わないかの調整によって行われるのです。
みつばちは、精子を使わない無精卵ではオスが生まれ、有精卵ではメスが生まれる。
そして精子を使う・使わないというのは巣房のサイズによってコントロールされている。
小さめサイズの巣房(約4.7mm)には、女王蜂が腰を曲げるようにして産みつけ、
大きめサイズの巣房(約5.4mm)には、腰を曲げることなく産みつける。
この、小さな巣房=腰を曲げた方には有精卵(メス)、大きな巣房には無精卵(オス)が生まれることになる。

オスの方が体が大きいため、羽化前の上蓋も膨らんでいる。上蓋が平たい方がメスの巣房。

お付きの者たちによる産卵補助

巣房のサイズによって、産みつける卵の精子の有無が変わり、性別が変わる日本みつばち。
その群れの成員を決定する重要なポイントは巣房のサイズ、
そしてそれを作る作業に従事しているのは働き蜂というわけで、
じわじわと「女王といっても結局のところ、働き蜂にコントロールされておるのでは…」という感じがしているのは私だけではないのでは。
さて、生殖のための飛行の際、お付きの者たちに付き添われていた女王蜂ですが、
巣房に産みつける際にも世話係の働き蜂たちが活躍します。
女王は産卵時、巣房に下半身の先端を差し入れます。
その際、お付きの働き蜂たちは、女王が巣房へと正確に差し入れることができるように、サポートするのです。

「オーライ、オーライ!ストーップ!」という感じか?(Jurgen、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』p144を参考に作成)

サポートというと聞こえは良いけれど、
働き蜂に管理されていると言えなくもないような気も。

Jurgen(2010)には、

もし小さな直径の巣房にあたれば雌の個体に育つ受精卵を生み,もし大きな直径の巣房を見つけると雄蜂に育つ未受精卵を産む.数少ない精子の卵への接近を許すか,これを妨げるか調整できる女王バチの正規の仕組みは非常に精度が高いに違いない.しかし,子孫の性を決定しているのは女王バチではなく,それに対する決定は集団が行っている.女王バチは単なる実行器官である.

なんて言われたりしています。

卵巣の数が少ない日本みつばちの女王

日本みつばちの女王蜂の卵巣小菅数(左右に存在する卵巣の合計)は約135本、
一方セイヨウミツバチの女王蜂は約275本。
なんと倍近くの開きがあるわけですね。
この卵巣の数は、産卵数の多さを示しており、
日本みつばちよりもセイヨウミツバチの女王バチの方が産卵数が多いことを示しているのだそう。
また、群れのサイズの違いも、これに起因していると考えられているそうですよ。

ということで

今回は女王蜂の産卵について見ていきました。
生涯せっせと卵を産み続ける女王蜂に、フォローするお付きの働き蜂。
生殖の際にも感じましたが、女王蜂とお供の蜂たちの関係はなんだかとっても人間臭い。
もちろん人とはいろいろ違うんだけど、
一族の繁栄のためにトップ(女王)も補佐役(お付きの働き蜂)も一生懸命なところを見ているとなんだかドラマを感じてしまう筆者なのでした。

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち社会~女王蜂②最初の仕事~

群れに1匹だけの女王蜂。
生まれる前から、ゆりかごとなる巣房も、与えられる栄養も特別。
特別な彼女には、特別な使命が課せられているのです。
女王の過酷な運命とハードワーカーな生涯を見ていきましょう。

生まれてはじめてのお仕事―死闘―

特別なゆりかご「王台」に産み付けられ、
特別な食事「ローヤルゼリー」を与えられること15日。
いよいよ自分で巣房を破って誕生です。

女王誕生(『みつばちの世界』より引用)

さて、生まれたばかりといっても、ゆっくりしてはいられません。
自分で巣房から出てきたときから、みつばちは、もう一人前。
女王として群れを引っ張っていかねばなりません。
新女王が誕生するときには、母である旧女王は群れの半分の働き蜂と共に去ってしまっているのです。(旧女王の旅立ちは、新女王誕生の前日に行われるのだそう)

残った働き蜂たちは、新女王の誕生を、今か今かと待ち望んでいたのですから、
女王誕生は大変な喜びでしょう。
「女王が誕生したぞ。万歳!」といったところでしょうか。

「誕生したばかりだけれど、女王として頑張ろう」
そう意気込んでまず取り組む仕事は、自分以外の女王候補の抹殺です。(うーむ)
女王は群れに1匹のみ。
しかし、というか、だからこそというべきか、女王候補は複数作られるのです。
旧女王が群れを去ったあと、何かあって新女王が誕生しないとお家の一大事。
とはいえ、女王が何匹も存在するわけにもいきません。
だから、先に生まれた女王は後から出てきうる妹たちが巣房から出てくる前に噛みついて巣房に穴を開け、働き蜂が中から女王候補を引きづり出して噛み殺してしまうわけです。(セイヨウミツバチでは上記のようなことが観察されており、日本みつばちでも穴の開いた王台がたびたび見られるため、同様のことが起きていると考えられます)

とはいえ、もしも、同時に女王が誕生してしまった場合は、そう簡単にはいきません。
互いに死闘を繰り広げ、どちらかが死ぬまで戦いは続きます。
その際に足や羽が傷ついてしまうことも…。

姉妹による死闘(『みつばちの世界』より引用)

しかし群れにとっても大事な女王の体。傷つくのは生産的ではない。
貴重な女王という存在。
そこで抹殺することも死闘も回避する、という策も多々取られるようです。
それは、女王蜂同士の振動による会話によるものだそう。
先に巣房から出た女王は「プゥーと笛を」吹き、そのシグナルによって、次に羽化する女王を助けていた働き蜂は動きを止める。そして次の女王候補は「キィキィ」という答えを返す。そうしたやり取りによって、次の女王は羽化を遅らせ、先に羽化していた女王は群れの3分の2を連れて分蜂する。
そんなやり取りもあるのだとか。

そして交尾のため空へ

無事に巣の中を平定したあとは、いよいよ本業。
女王蜂の重要任務は産卵です。
羽化から約1週間後、14時頃、お付きの働き蜂(20匹程度)に護衛されながら、女王は交尾のため空に飛び立ちます。

女王とお付きの者(『みつばちの世界』より引用)

「婚姻飛行」(あるいは「交尾飛行」とも)と呼ばれる通り、みつばちの交尾は空高く上空で行われます。
女王はここで複数の雄と交尾し、複数の遺伝子をもった精子を持ち帰り、生涯をかけて産卵していきます。
(交尾相手の数は、セイヨウミツバチでは20匹弱、日本みつばちでは10匹くらいと言われたりするものの、正確には不明)

ここでちょっと驚くのですが、みつばちは精子を「貯精嚢」という器官にに貯蔵しておいて、毎回ちょっとづつ使っていくことが可能なんだそう。なんて便利。(しかも男女の産み分けも自由自在)

1匹の雄蜂が渡すことのできる精子の量は最大1100個、
女王蜂の貯精嚢に貯めることができるのは最大600万個。
この貯精嚢に次々と異なる雄蜂の精子が入り、混ざることで遺伝子の多様性も確保されていくことになります。

人間も精子バンクを作って貯蔵したりなど試みてはいますが、みつばちは常温で3年もの期間保存が可能だなんてなかなかすごいなぁと関心してしまいます。

さて、そして、「婚姻飛行」なんてロマンチックな呼び方をされるこの交尾ですが、行われていることはなかなかハード。
オスたちは文字通り、決死の覚悟で交尾に臨みます。
女王蜂は空高く舞いあがり、オスを誘因するフェロモンを放出。オスは引き寄せられるように寄っていき、先を争って女王を捕まえ、交尾をします。
しかし、女王を捕まえたら最後、オスは死ぬまで女王から離れることができません。

オスは生殖器を女王の生殖器に挿入すると、挿入器の内嚢の半分を裏返し、
そして力尽き、マヒ状態になって女王に挿入したままぶら下がる。
女王は自身で腹部筋を収縮させることにより圧を加え、内嚢のもう半分を裏返し、精子を自身の膣に送り込みます。
その圧の強さのあまり、上空でオスがパチンと音を立てて弾けてしまうこともあるのだとか。

パワフル…!

ロマンチックどころではなさそうです。
周りの雄蜂は、目の前でそうした事態が起こっていても、お構いなし。
女王の膣に残った他の雄蜂の生殖器を口で引きずり出し、交尾、というのを次々と繰り返し、女王が「よし、これで帰って産卵に専念するか」となれば終了です。

こうした一連のことは、普通はわずか2〜3分で行われるという(長いと1時間ということもあるようだけれど)。
来た時と同じようにお付きの働き蜂に守られながら戻ってきた女王蜂は、巣の働き蜂に迎えられ、腹部先端に残ったままになっている最後に交尾をした雄の生殖器(「交尾標識」と呼ばれる)を働き蜂に外してもらい、帰巣します。

交尾の標(『みつばちの世界』より引用)

迎え入れられる女王蜂(『みつばちの世界』より引用)

こうして精子を蓄えた女王蜂は、2〜3日後から、群れを増やし、維持していくために卵を産み続けていくわけです。

生涯に約100万個もの卵を産むという女王の平均寿命は平均2〜4年。
約3年程度なので、1年間に30万個と考えると、1日あたり30万÷365日=830個、
しかし、最盛期には1日2000個以上の卵を産むことができるという。
1つ1つの巣房にせっせと生み続ける女王蜂。
想像するだけでなんとも大変そうな。。

ということで

さて、今回は女王蜂のハードな初仕事についての回でした。
卵として生まれてから15日(セイヨウミツバチは16日かかるので、日本みつばちは1日早く羽化する)+羽化して1週間の間に、群れを治めたり交尾を終えたり色々あるわけですね。
なお、お付きのみつばちたちは何をしているのかというと、
交尾に不適格な雄を追い回して近づけないようにする、とか
周囲の環境を熟知しているため外界を知らない女王蜂をリードして道案内することで
不用意に外界を飛ぶ時間を短縮し外敵(鳥によって食べられるなど)から守る、とか
色々な説があるようです。

うーむ、しかし今回は写真が引用ばかりになってしまいました。
イラストとか何かで頑張りたかったものの力及ばず。
次からはその辺もなんとかできればと思いますー。

 

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

日本みつばちの社会〜プロローグ〜

みつばちの社会は群れ社会。蟻のようにみんな働き者。
そんなことを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
確かにその通り、
女王蜂がいて、門番がいて、幼虫の世話係、蜜を集めてくる働き蜂、そして生殖時以外はブラブラしている雄蜂…
みつばちの社会には役割がたくさん。
せっせと働くみつばちたちを、そんな視点から観察してみるのも楽しいものです。

誰が何の役割を担うのか、
具体的にどんな仕事をしているのかなど、
じーっと彼女らの世界を覗き込んでみると興味深いところがたくさん。
私たちの日々の営みにも重なる部分や、
個々の生き物である一方で、一群れ丸ごとで一つの生き物のようなユニークな特徴の数々、
まじめ一辺倒というわけでもない素の姿(?)など、
知れば知るほど「へぇー」なんて感心ばかりしている私たちです。

「社会性昆虫」である日本みつばちの暮らし

今回はプロローグということで、みつばち社会の話を少しだけ。
「社会性昆虫」とは、蜂やアリのように、群れで暮らしを営み、
階層に基づく役割分業制を行っている昆虫たちのことを指します。
(中でも、生殖に関わる役割分業が行われているものを「真社会性生物」と定義するそうな。)

群れの規模としては、
一つの群れが数千〜数万匹。

この写真は分蜂時なので、個体数は少なめ

そのうち、女王蜂が1匹、働き蜂が数千〜数万、生殖の時期には雄蜂が2,000~3,000匹。
そして、そこで繁殖を一手に担うのが女王蜂。
2〜4年の寿命の間、せっせと卵を産み続け、最盛期には1日2,000個の卵を産む。
(なんていうスピード!)
働き蜂もメスなので、卵を埋めないことはないものの、
基本的には産むことなく生涯を終えるわけです。
なので、女王が色々な理由で不在になってしまうと、いろいろ大変。
(この辺詳しくはまた今後書いていきますね)

さて、そんな働き蜂の担う仕事はたくさんあります。
花蜜の採取、貯蔵、門番役や女王のお世話係、子育て担当、掃除、巣作りなどなど。
これらを羽化後の日齢によって一通りこなしていくのが働き蜂の世界。

一方、雄蜂は生殖が仕事。
後尾場所は上空であるため、女王蜂を見つけ、追いつかねばなりません。
そのために周囲を見渡せる複眼と、羽ばたくための胸部が大きく発達しているのだそう。
黒くてずんぐりむっくりした雄蜂。
幼虫の頃から既に一回り大きく、なんと卵を産みつけられる巣房のサイズから違うということで、
採取した巣を見ていると、「ここで雄蜂が生まれたのだな」というのが分かるのでは…なんて期待してみるものの、さすがにそこまで大きく違わないようですね。
約1mm程度の差、だけどその巣房のサイズがオス・メスの生まれる際の違いだったりします。(この辺もまた今後詳しく紹介していきます。)

巣と蝋蓋

シリーズ物、スタートです

ということで、次回からは「みつばち社会シリーズ」が始まります。
どうぞお楽しみに。
書いていく私たち自身も、彼女らの世界への解像度が上がっていくのが楽しみです。

甘いもの好きのみつばち〜みつばちの味覚〜

甘い花の蜜を蓄えて、あま〜い蜂蜜を作るみつばちたち。
蜂蜜は、花粉と並んで栄養豊富で、日々のエネルギー源や冬の蓄えとしてみつばちたちにとって大切な食料。
「ちょっと分けてね。」なんて、彼女らの巣から少しもらって美味しくいただいている中で、何気なく、みつばちは甘党なのかな…なんて思いを馳せるものの、みつばちに味覚なんてあるのでしょうか?

基本的に甘いものならなんでも好き

日中、巣から半径1〜2㎞を飛び回っては蜜源を探し、蜜を集めてくる働き蜂たち。
季節ごとに咲く様々な花からせっせと集めて貯蔵していく働きものです。
そんな彼女らは、実は花に限らず甘いものなら何でも好きで、花蜜同様に蜜胃に貯めて巣まで持ち帰り、しっかりと貯蔵していくのです。

例えば、冬場に作られる干し柿。

軒先でこんな風に吊るされてますよね(画像:wikipediaより引用)

渋い渋柿の皮をむいて、さっと茹で、紐にくくって吊るしておくと冬のカラリと乾いた風で乾燥・熟成して、しっとり甘〜いおやつになります。
そんな干し柿、干している隙に鳥につつかれたりして傷がつくと、そこから中の甘いエキスがじわりと染みてきます。
そこに通りかかったみつばちが「あ!甘いものがあるぞ!」とせっせと集めて巣に持ち帰る、なんてこともあるのだとか。
うーむ、これは干し柿を作って観察してみたいところ。
寒くなってきた頃に、ひょっこりみつばちが訪れてくれたら嬉しいだろうなぁ。

そんな甘いもの好きのみつばち、甘いものを出してくれるなら相手が虫だって構いません。
甘露蜜、という言葉を聞いたことがある人も少なくないのではないかと思います。
その甘露蜜、蜜源となっているのは花ではなく樹木。
ドイツでは最高級品として大変好まれているという、モミの木など樹木由来の特別な蜂蜜が甘露蜜。

モミの木。クリスマスツリーに使われる木、というと分かりやすいのかな。針葉樹林のある標高の高い場所で甘露蜜は作られる。

樹木の精油を含むため、独特の香りがあり、ミネラル豊富で濃い色味が特徴的。
でも、みつばちが直に樹木から樹液を啜ったりはできません。
松やブナ、樫の木などの甘い樹液を出す木に、アブラムシやカイガラムシ、アリマキ、カメムシの仲間などの虫が、樹皮に口針を刺し、その甘い樹液を吸います。

モミの木の樹皮(wikipediaより引用)

樹液は糖度が高く、虫たちが必要な栄養分を吸収しても、大量の糖が余ります。
残った糖は、体外に分泌され、カイガラムシであれば分泌物が結晶化して貝殻状の被覆物になります。
また、アブラムシやアリマキは甘い分泌物を体から出して生きていくことで、甘い分泌物を欲しがるアリが寄り付くことで、彼らの天敵から身を守ることにもつながっているのです。
そして、そんな彼らが分泌する甘いものをみつばちも狙います。
花の蜜に限らず、甘いものが大好きなみつばちにとって、分泌物も貴重な蜜源の一つです。

本能的行動系に結び付けられている甘味

蜂蜜は、果糖とブドウ糖からできていて、その香りに加え、甘味がなんとも言えぬ幸せな気持ちにさせてくれる。甘いと感じるものは、みつばちや人を含める多くの生き物にとって、生きる上でプラスに働く。よく言われることだけど、ブドウ糖は腸での消化吸収が非常によく、体を回復させたいときに、優しく素早く効く。
そう、ブドウ糖を摂取した際、甘味を認識し好ましく感じられるようにできているのは、生き物として理にかなっていると言えるわけです。
「人を含め多くの動物では甘味の感覚が脳の神経系の中で、生きていくためにプラスに働くシステム、つまり本能的行動系に結び付けられている。」(尼川,2013)ということですね。

そんな蜂蜜の成分はこちら
糖類(ブドウ糖、果糖)、水分、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、有機酸(グルコン酸)、ビタミンB

生存に必要な物は、ちゃんと生物が好ましく感じる(積極的に摂取したくなる)ようになっているのだなぁ

花蜜を選ぶポイントは甘さ

花は香りや見た目の華やかさ、蜜の甘さなど、花ごとに様々な違いがある。
見た目は地味でも香りが強い花や、見た目も香りも華やかだが蜜は薄い、というものなど色々な場合がある。
人間なら「甘さ控えめで香りにクセのあるのが好き」とか
「香りものは苦手だけど、甘さしっかりで見た目が華やかなのがテンション上がる〜」とか
色々と好みが分かれそうなところだけど、
みつばちたちは「しっかり甘い」というのが第一、何より甘さ重視、ということらしい。
研究者たちの実験では、良い餌を見つけた偵察隊のみつばちが「こんな素晴らしい蜜源を見つけたよー!」と仲間たちに8の字ダンスで報告する際、糖度が高く量も多い蜜源を見つけているものほど、ダンスの勢いもターン数も多い、激しいダンスになることが明らかにされているのだという。

派手なルックスのアザミと・・・

大人しい印象のシロツメクサ。どっちが好きなの?って聞かれたら、蜜が甘い方というわけだね。

ちなみに・・・
野外実験で、蜜源としての造花に色々な糖度のショ糖を置き、観察したところ、糖度が上がるにつれてターン数も増加したという報告があるという。
また、その際に同条件で距離を変えて観察すると、遠い蜜源の方がダンス時のターン数が減少していたという。これは、蜜源までの「運搬コスト」を考慮して報告されているのではないかと分析されているそう。

 

みつばち=甘党

というわけで、今回は甘いものに目がないみつばちの姿が見えてきました。
しかし、いくら甘い物万歳と入っても運搬する際の労力についても大事だと考えて、8の字ダンスでの報告時に運搬コストにも考慮したアピールが行われているというのはちょっとビックリでした。賢いよ、みつばち。小指の先ほどしかないのに、そんなことまで考慮できるのかと驚くばかりです。

 

なお、文中において参考文献に孫引きが多分に含まれていたりしますが、コラムということでお許しください。

参考文献及びWebサイト
・尼川タイサク、2013、『マキノの庭のミツバチの国』西日本出版社
・坂本文夫、2016、『ハチ博士のミツバチコラム』京都ニホンミツバチ研究所
・イタリア発ハチミツ作り 養蜂の世界と日本の田舎暮らし https://ameblo.jp/buonmiele/entry-11978539020.html
・あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木 http://ochakai-akasaka.com/170310-honeydew-honey/

春の蜜源

季節ごとに味も香りも異なる日本みつばちの蜂蜜。

巣から半径1〜2㎞を飛び回り、
その季節に咲いている野山の花から蜜を集めてくるからこその味わいと見た目が、心にも美味しい。
特に春の蜜は、集められてきたばかりのフレッシュで尖った花の香りと、透き通るような柔らかさの蜜の色合いが特徴的。
そんな蜂蜜の話をしていると、よく「何のお花の蜜ですか?」と聞かれる。

島の野山の季節のお花です、と答えているけれど
そう、季節ごとにいろいろなお花が咲いているんです。
ということで、今回は春から初夏の野山の花々を紹介します。

巣箱の周辺にある花々

①シロツメクサ

シロツメクサ
マメ科/シャジクソウ属

②野アザミ

群生するアザミたち。キク科/アザミ属

③イタドリ

イタドリ。これも実は白く可憐な花がたくさんついて、蜜源となるそうな。撮影時はまだ花はついておらず。

ポキリと折って、皮をむいて食べてみる。久しぶりの酸味が口に広がる。昔はよく食べたりしたわ、とユキオ父も楽しそう。

(ただしイタドリは初夏に生えるものの、花が咲くのは秋。
 というわけで、秋の蜜源植物。:2017年5月31日追記。
 宮岡さん、教えてくれてありがとうございます。)

④野いちご

野いちごの群れ。白い花が咲いていた気がするけれど、撮り忘れ。

甘酸っぱい、鼻を抜ける爽やかな甘み。

⑤アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ、という名前の花。もともとはアメリカ原産で、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれ、現在は野生化。道端や空き地など、あちこちで見られるそうな。

⑥白い花いろいろ(名前を探してみるも、多すぎて特定できず)

⑦なんだろう


ちいさな青い花をたくさんつけている

 

⑧ノビル

この強そうなのは…ノビル!玉ねぎの花に似ている。この辺りではあちこちに群生している。もっと早い時期に抜いて、ネギやらっきょのように使うと美味しい。

⑨桜

桜

⑩梅

梅とみつばち

11.ビワ

野生化していたりもするビワ

いろいろな花から蜜を集める日本みつばち

アカシアやレンゲ、サクラなど、単一の花の蜜を集めてくる傾向が強いのが西洋ミツバチ。
一方、日本みつばちは、いろいろな花から蜜を集めてくる性質がある。
ミツバチは蜜源を見つけると、巣に戻り、いかに素晴らしい蜜源であったかを「8の字ダンス(尻振りダンス)」によって仲間に伝える。西洋ミツバチはそれに従う者が多いものの、日本みつばちは従う者がどうも少ないのか、それぞれ花を探して飛び立つ傾向にあるらしい。そのため、日本みつばちの蜜は、巣の半径1〜2㎞の地域に咲く花々の蜜が合わさったものであり、香りも味わいも地域によって、群れによって異なってくるのが楽しい。

(菅原、2005)

蜂にも味の好みがあるらしい

訪れる花の種類が西洋ミツバチと日本みつばちで異なるという。
兵庫農大(現在の神戸大学農学部)の宮本教授の研究によると、日本みつばちは西洋ミツバチと比べて、野生の草木や、山地に見られる植物を好む傾向にあると報告されている(宮本、1958)。

(菅原、2005)

 

ということで、ここまで。

山は本当に楽しい。季節ごとにいろいろな植物が顔を出しているし、山菜や食べられる野草も(そんなに知らないけれど)あちこちに生えている。
山によって、ここで紹介した植物が生えていないところもあるし、
ここで紹介していない植物があるところもある。
季節ごとに、咲く花は本当にいろいろ。
そんないろいろ雑多に生えている様子を見ていると、生態系が豊かに守られているのかな、なんてちょっと安心したり。
みつばちの立場から見ても、年間を通じて様々な花が咲くことは重要。どんなにたくさん咲いても、一年の一部の時期だけに咲くのでは生きていけない。特に秋にしっかり貯蜜できるかが、冬を越えられるかどうかの分かれ道。
そうやって見てみると、このまちの環境はみつばちにもいいんだろうなぁ、なんて想像する。
淡路島は「花とミルクとオレンジの島」なんていうキャッチコピーも持っていたんだそう。温暖で、花も柑橘もこのまちでは育ちやすい。
酪農もしていて、その堆肥を使って循環する農業がされてきた島なんだって。
時代の流れとともに、島も変わってきたのかもしれないけれど、やっぱり温暖で、花が豊富なのは変わりないのかもしれない。
そうだといいな。
さて、春の蜜源はここまで。
今後は、夏や秋もその時々で野山に生えている花々を紹介していければと思っています。

参考文献
・菅原道夫、2005、『ミツバチ学』、東海大学出版会
・宮本セツ、1958、本産花蜂の生態学的研究 (X) : 日本および西洋蜜蜂間における花との関係の相違、兵庫農科大学研究報告農業生物学編 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81006103.pdf

はちみつとボツリヌス菌(後編)

自然界最強を誇るボツリヌス菌、今回はその後編をお届けします。

地上最強の菌、ボツリヌス

乳児以外は大丈夫?乳児はなぜ罹る?

はちみつを1歳未満の乳児が食べないように、いろいろな所に注意書きがあります。
しかし、乳児以外は食べても大丈夫なのでしょうか?

食べてもいいの?

実は、ボツリヌス菌による中毒症状は、症状の現れ方や経過によって、

食餌性ボツリヌス症(食中毒)」、
創傷ボツリヌス症」、
乳児ボツリヌス症」、
成人腸管定着型ボツリヌス症」の5つに分けられるそう。

名前から想像できるように、はちみつなどを介してボツリヌス菌を乳児が摂取した際に発症するのが「乳児ボツリヌス症」です。
また、乳児でなくとも、ボツリヌス菌の産出した毒素に汚染された食べ物を摂取することで発症したり、傷口から菌が侵入し、皮下組織で増殖・毒素を産出することで中毒症状は起こります。

では、はちみつを食べると必ず中毒症状が起きるのか?
答えは「その場合もあるが、健常な小児及び成人であれば中毒症状は起こらない」というのが正しいでしょう。
その理由を端的に言えば、腸内細菌の働きにあります。
通常、腸内細菌のバランス(腸内フローラ)が健常に保たれていれば、芽胞が混入したものを食べても、芽胞の発芽や増殖を防ぐことができ、毒素の産出も防ぐことができます(ただし、すでに芽胞の状態ではなく、菌として毒素を産出している段階のものを食べた場合には防げません)。

腸内フローラ(『もやしもん1巻』より)

しかし、乳児ボツリヌス症と腸管定着型ボツリヌス症のように、腸内細菌のバランス形成が未発達な乳児や、小児や成人であっても外科手術や抗菌薬の投与などで腸内細菌の破壊や菌交代などが起こっている場合には、ボツリヌス菌の芽胞が発芽し毒素の産出が起こる場合があるのだそう。

どんな症状が出るの?

ボツリヌス菌の算出する毒素は、神経機能に作用し、弛緩性麻痺を起こす働きを持つ。
それによって、嚥下困難や呼吸麻痺などを引き起こし、最悪の場合死亡することもあるのだとか。。。

国立感染症研究所 感染症情報センターによると、

食餌性ボツリヌス症:いわゆるボツリヌス食中毒であり、ボツリヌス毒素に汚染された食品を摂取することによって発病する。多くの患者は初期症状で視力の低下、瞳孔散大、複視、眼瞼下垂、対光反射低下などの視覚異常を訴えるとともに、口内の渇き、嗄声、腹部の膨満感、吐き気、嘔吐、歩行異常、嚥下困難、便秘、全身の筋弛緩などの症状を呈する。重症の場合は呼吸筋の麻痺による呼吸不全で致命的となる。原因食品の摂取から発病までの時間は摂取された毒素の量と型によるが、数時間~2日程度である。強力な毒素が原因であるため致死率は他の食中毒に比べてかなり高い(10~20%)。

乳児ボツリヌス症:生後1歳未満の乳児が芽胞を経口摂取することによって、腸管内でボツリヌス菌の発芽・増殖がおこり、産生された毒素によって発症する感染型の疾患である。1歳未満の乳児が発症するのは、腸内細菌叢が成人とは異なりボツリヌス菌の定着と増殖がおこりやすいためと考えられている。症状は便秘傾向にはじまり、全身の筋力低下をきたす。泣き声や乳を吸う力が弱まり、頸部筋肉の弛緩によって頭部を支えられなくなる。顔面は無表情になり、散瞳、眼瞼下垂、対光反射の緩慢などボツリヌス食中毒と同様な症状が現れる。呼吸障害が生じ重症化すると死に至ることもあるが、乳児ボツリヌス症の致死率は食中毒に比べると低く2%程度である。

創傷ボツリヌス症:患者の創傷部位でボツリヌス菌の芽胞が発芽し、産生された毒素により中毒症状がおきる。米国では麻薬常用者の注射痕からボツリヌス菌の感染がおきた例などがしばしば報告されている(MMWR 52: 885-886, 2003)。

成人腸管定着ボツリヌス症:1歳以上の子供と成人でも乳児ボツリヌス症と同様に、腸管内でボツリヌス菌が定着、増殖して発病することが報告されている。発症は外科手術や抗菌薬の投与によって患者の腸内細菌叢の破壊や菌交代現象がおこっている場合に限られる。

(出典:国立感染症研究所 感染症情報センター、「ボツリヌス症 2008年1月現在」

それぞれ、こんな症状が出るものみたいですね。

 

日本ではちみつを媒介とした感染事例

日本では、1986年に国内初の「乳児ボツリヌス症」が確認されたりしているようです。
乳児ボツリヌス症は、1990年までははちみつを原因とするものが大半だったものの、乳児がはちみつを摂取することの危険性が徐々に周知されていき、以降は、ほぼ、はちみつ以外の感染ルートによるものになっているようです。
乳児ボツリヌス症の発生件数自体は、1984年〜2008年の間に24件。
そのうち、2005年以降は毎年2件づつの発生にとどまっているのだとか。
(アメリカの場合は年間約100件発症し、そのうち7割が乳児ボツリヌス症であることを思うと、日本では発生は稀だと言えますね)

はちみつ以外の感染ルートだと、1984年に熊本県で製造された辛子蓮根でボツリヌス菌が増殖していて大事件になったりしています(食餌性ボツリヌス症)。

辛子蓮根を製造する際、殺菌しきれなかった菌が、密封された環境の中で増殖した事例

また、創傷ボツリヌ症と成人腸管ボツリヌス症は日本での発症事例は確認されていないようです。

医療現場でも使われるボツリヌス菌

そんな恐ろしいボツリヌス菌ですが、その特徴を把握し、利活用しようというのが医学・科学の世界。

例えば、美容外科で見かけることもある、ボツリヌス毒素の注射(ボトックス注射)。
ボツリヌス菌そのものを注射するのではなく、ボツリヌス菌がつくるタンパク質(ボツリヌストキシン)を薬として使えるように加工したものを注射します。
本格的に医学で応用され始めたのは1980年代ということで、もう40年近くになるわけですね。
ボツリヌス毒素の持つ、筋肉の神経に作用し麻痺させ弛緩させる特性を利用し、過剰な緊張によって固くなってしまった筋肉を柔らかく動かしやすくする効果や、皺取り効果などが期待出来るのだそう。

(漫画「もやしもん」では樹教授がボトックス注射でつるつる卵肌になってましたね。。)

ということで

さて、知れば知るほど恐ろしいボツリヌス菌。
だけど日常の中で感染する恐れはとっても稀なもののようです。

どこにでもいて、好むと好まざるとに関わらず人類と密接な付き合いをしてきた菌たち。
時には彼らの働きに注意し、時には恵みを享受して、彼らとうまく付き合っていきたいな。
今回はそんなボツリヌス菌の話、後編でした。

参考文献及びURL
・石川雅之、『もやしもん』
・ECOLAB http://ja-jp.ecolab.com
・外務省、「UNSCOM/UNMOVIC報告による主なイラクの大量破壊兵器疑惑」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gunso/pdfs/iraq.pdf

・輝城会 沼田クリニック http://kijoukai-gr.jp/nc/knowledge/botox.html
・国立感染症研究所 感染症情報センター、「ボツリヌス症 2008年1月現在」 http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/336/tpc336-j.html
「ボツリヌス菌毒素の構造と作用」http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/336/dj3361.html
・国立感染症研究所 レファレンス委員会 地方衛生研究所全国協議会、「ボツリヌス症」、2012 http://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/botulism121207.pdf

・内村眞佐子、三瓶憲一、小岩井健司、矢崎広久(1987)「乳児ボツリヌス症の原因食品に関する調査」、千葉県衛研報告第11号 http://www.pref.chiba.lg.jp/eiken/eiseikenkyuu/kennkyuuhoukoku/documents/11-p39.pdf
・役に立つ薬の情報~専門薬学 http://kusuri-jouhou.com/microbe/saikin.html
・山口県感染症情報センター http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5/syoudoku_4-8.html

はちみつとボツリヌス菌(前編)

巷を騒がせているボツリヌス菌。
はちみつの商品ラベルには、
1歳未満の乳児に食べさせないように注意が表記されています。

ボツリヌス菌とはどういった菌なのか。
乳児以外ははちみつを食べても大丈夫なのか。
細菌についてさっぱり詳しくない筆者と共に、今週・来週と2週にわたってボツリヌス菌について見ていきましょー。

ボツリヌス菌とは

学名はClostridium botulinum、桿菌(かんきん)なので細長い容姿をしている。
(他には丸い形の「球菌」とか、らせん型の「らせん菌」がいるよ)
普段は「芽胞」(がほう)の状態で土の中に棲んでいる。

『もやしもん3巻』より

酸素を嫌う「嫌気性」の細菌なので、酸素のある場所では増殖できないが、
「芽胞」の状態になることで増殖に最適な環境が訪れるまで耐え忍ぶ。

「芽胞」(がほう)とは?

枯草菌で、緑色の部分が枯草菌の芽胞(wikipediaより)

芽胞とは、細菌が生存が困難な状況下において作る非常に耐久性の高い細胞構造のこと。
一部の菌のみが作ることができ、栄養や温度が不適であったり、
その菌にとって毒になるような物質と接触すると高い耐久性を持つ芽胞を形成し、
適した環境になるまで耐える。
芽胞の状態では、耐え忍ぶことで精一杯で、増殖することや活動することができないものの、通常の細菌が死滅するほどん状況に陥っても生き延びるほど様々なものに対して耐久性が高い。

(芽胞の状態で生育に不適な環境下でも耐え忍ぶ姿は、樽状で過酷な環境を耐えるクマムシに似てる気もする。)

自然界最強を誇るボツリヌス菌

生息が困難な環境に置かれても、高い耐久性を発揮し生き延びるボツリヌス菌、しかし彼らの強さはそれだけではない。
彼らの産出する毒は極めて強力な神経毒で、自然界に存在する物質の中で最も毒性が高い毒素の1つだということで、過去には生物兵器としての利用を目的に製造されたこともあったのだとか。。。
(1995年、イラクで生物兵器として保有していたボツリヌス毒素が廃棄されたり。オウム真理教が研究、散布したり。)

これまた『もやしもん3巻』参照

どんなはちみつにも入っているの?

さて、そんな自然界最強を誇る毒素を作るボツリヌス菌は、どんなはちみつにも入っているのだろうか?
必ずしも含まれているとは言えないようである。しかし、はちみつには芽胞が含まれている可能性があるということが明確であり、また芽胞は多少の過熱などでは死滅しないことが明らかになっている。
そのため、1987年には、「1歳未満の乳児には蜂蜜を与えてはならいない」と厚生省から通知がなされたのである。

さて、今回はここまで!

最初は今週1回でまるっとまとめようと思ったものの、知らないこと・興味深いことが多すぎる。
ということで、はちみつとボツリヌス菌については次週お届けいたします!
参考文献及びURLも次週の末尾に記載しまーす。

Umekiki Marcheに出店します

Umekiki Marche

これまた直前のご案内になりますが、
4月15日(土)はUmekiki Marcheに出店します。

Umekiki Marcheは、「つくり手と、なじみになる」ということをテーマとして開催されているもの。
「食をたいせつに想うつくり手と語らい、おいしさの理由を知り、
顔なじみになって名前で呼び合えるような、つくり手と食べる人の心が通うマルシェ」を目指して、昨年から行われています。
(Umekiki MarcheのWebサイト参照)

出店日:4月15日(土)
開催場所:グランフロント大阪うめきた広場
時間:12時~19時
詳細はこちら

 4/16はイースター(復活祭)ということで、卵モチーフの企画や飾りがいろいろあるみたいです。
春ですねー。たのしみ!
私たちは先月に続いて今回も、私たちの蜂蜜と、南あわじ市内の農産品で作った乾物などを販売すると共に南あわじ市のPRも兼ねて出店予定です。

また大阪でお会いできるのを楽しみに向かいます!

黄色いフンをする

みつばちのフンは黄色い、なんてあまり人は知らないのではないかと思う。
朝、車に乗って出かけようとすると
フロントガラスにレモンイエローの絵の具でピッと跳ねたような跡がついている。
そんなに大きいわけではなく、ほんの3ミリ程度のごく控えめなみつばちの跡。

爽やかなイエロー(2mmほど)

なんて思っていたら、大きいものもあったり。

濃くて、大きい。鳥のフンみたい。

右のほうにペチャ

蛙のフンもそうだけど、体に比して大きく、驚く。
内臓がみんな出ちゃうんじゃないかしら。
いや、でも昨年春に見かけたのはこんなに大きくなかったような…。
鳥のフンみたいに大きいけど、あんな小さな体からどうやってこんなに大量のフンが出てくるんだろう…。謎だ。

彼女らの動きが活発な春や夏にはフロントガラスにぽつぽつ、
サイドミラーにぽつ、ドアにもドーン、という具合に付着していることが確認できる。

フンがあるということは、彼女らはここに来たわけで、
一度に何カ所も付いていると「やられたな」と思うけれど、
こんなところにあの小さなからだが飛来していたのかと
なんだかちょっと嬉しくなってしまう。

フンはどうして黄色いの?

さて、なぜみつばちのフンはレモンイエローなのか。
記述しているものは多くないけれど、どうやら花粉らしい。
そんな気はもちろんしていた。
みつばちの食べるものは花粉と蜂蜜だから、
その花粉の成分がそのまま排泄されているのではないかと想像してみていた。
そうこう調べてみると面白いレポートが出てきた。
タイトルは「ミツバチの排泄物による苦情事例」、
1978年に沖縄県公害対策課の大見謝氏によって「黄色降下物」の正体及び「黄色降下物」による被害状況について6ページほどではあるが報告されている。
今回はこの人のレポートを中心に参照していこう。

みつばちのフンの話なのだけど、臨場感があって、読んでいると引き込まれてしまう。
例えばこんな感じ…

「ミツバチの飛翔速度は10m/秒であるといわれる。実際、被害の大きい地域で上空を凝視すると家屋よりも高い空間をミツバチらしき昆虫がかなりのスピードで飛びまわっているのが見える。このため、被害者も黄色降下物はミツバチによるものであるとは気づきにくい思われる。」(大見謝、1978)

そのレポートやその他記述されているものによると、みつばちのフンの成分は、やはり花粉が主になっているようだ。
油分も含み、車に付着すると塗装面を破壊し、着色・膨張するとのこと。
そんな力があったとは。明日にでも洗車せねば。
匂いは無臭だと思っていたけれど、乾くまでは匂いはするらしい。気になる。

みつばちは綺麗好き

彼らは巣の中では基本的にフンをしない。
きれい好きな彼らは、巣の掃除も自分たちでせっせとするし、
フンをするときは巣の外に飛んで行って排泄、そして帰って来る。
巣箱から近く、彼らの通り道は彼らのフン害に合いやすい。

そんな彼ら、冬の間も巣内では排泄をしない。
もちろん、寒い巣箱外に出ることはしない。
したがって、冬の間は腸内にフンを溜めたままになっている。

そのため、冬場でも暖かい日や春になると、飛翔しながら腸内に大量に溜めていたフンを排泄するため、他の時期よりもひときわ大きな「黄色降下物」が多数目撃されることになるらしい。

なるほど、黄色くて小さくて可愛らしい彼らのフンについてサラリと書こうと思っていたのに、今日車についたフンを撮影しようと思ったらやけに大きかったのはそのためか。

レモンイエロー、と思って撮影を始めてみると橙色のような濃厚なものもちょこちょこ見受けられた。

春の訪れを告げる、みつばちのフン

なぜだか白色が好きなみつばちたち、
ぴかぴか光る白い車や洗ってあるシャツがターゲットになりやすいみたい。
今年もいっぱいやられるんだろうな。

何気なく「みつばちって、フンまで可愛い。黄色だなんて。」と思って書き始めたけれど、みつばちたちの世界を、また一つ垣間見た感じがしてワクワクしながら書いていった。
他にも、巷を騒がしているボツリヌス菌について書きたい気持ちもあったけど、今回は春になって今年もフンをされたら真っ先に書きたかったこの話をお届けしました。

ということで、今週はここまで!

おすすめ参考文献

大見謝、「ミツバチの排泄物による苦情事例」、沖縄県公害衛生研究所報12、1978
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/s12_36-41.pdf

はちみつの殺菌消毒性ってどういうこと?

はちみつには有機酸が多数含まれており、その殺菌作用によって腐らないのだ、
という話しが前回のコラムでありました。

しかし、なんだかピンとこない「グルコン酸」と「グルコースオキシターゼ」の話。
もやもや。

というわけで、今回は殺菌消毒性について少し掘り下げてみようと思います。

はちみつが腐らない理由

まずは前回のおさらい、

①はちみつは糖度が非常に高いため、細菌がはちみつに入り込むと、浸透圧の作用で細菌の体内から水分が奪われてしまい生きていけない。
②有機酸(その70%はグルコン酸)というものがはちみつに含まれており、はちみつは弱酸性の世界。細菌にとって、弱酸性では生息し辛いらしい。
③はちみつには「グルコースオキシターゼ」という酵素が含まれている。この酵素が空気中の酸素と結合し、強い殺菌性を持つ過酸化水素を作り出す。

なるほど。腐敗菌が寄り付きにくい要素がいろいろあって、これらが複合的に作用し高い保存性が保たれている。なんとなく分かる気がします。

うーむ、でも、グルコン酸とか、グルコースオキシターゼとか、どうも関係性が分かりづらいぞ。

登場人物を整理してみる

グルコース(ブドウ糖):はちみつに含まれている。
グルコースオキシターゼ:酵素。みつばちの唾液中に含まれている。熱や光に弱い。
グルコン酸:はちみつに含まれている有機酸のうち、70%はグルコン酸。
過酸化水素:高い殺菌消毒性を持つ。

どうやら、殺菌消毒性を理解する上で主なものは、これら。
いろいろ読んでいると、微妙に説明が絡まっているものもあるものの、こういう感じ。

脇役としては、
インベルターゼ:転化酵素。花蜜=ショ糖をブドウ糖(グルコース)と果糖に分解する。花の蜜を蜂蜜らしくしている影の立役者。

高い殺菌消毒性を持つものは何?

はちみつのどこに殺菌消毒性があるのか。
端的に言えば、高い糖度と、グルコン酸、そして過酸化水素にある。
高い糖度は浸透圧の働きで細菌の生息を難しくする。
グルコン酸は、はちみつを弱酸性にすることで細菌の発生を抑制する。
過酸化水素、聞きなれない言葉だが、消毒液のオキシドールなら聞き覚えのある人も多いのでは。

では、それらはいつ、どうやってはちみつに登場するのでしょう?
(糖度は言うまでもないとして、グルコン酸と過酸化水素は一体…)

酵素はどこに?

蜂蜜に含まれている酵素。
そもそもはみつばちの唾液中に含まれています。
蜂蜜は、みつばちが花の蜜を吸い、蜜胃に溜めて巣まで持ち帰り、貯蔵係のみつばちに口移しで渡していく、バケツリレーのような方法で巣に貯蔵されます。
その際、みつばちの唾液と混ざり合い、酵素が蜂蜜中に含まれていくわけです。

グルコン酸ってどんな酸?

はちみつに含まれているブドウ糖(グルコース)に、みつばちの酵素(グルコースオキシターゼ)が反応し生成される有機化合物、これがグルコン酸だそう。
グルコン酸は、はちみつに多く含まれている。
そのため、はちみつ酸とも呼ばれることもあるのだとか。
(みつばちの酵素と反応せずに生成される場合は、どこでどんな時に生成されるものなんだろう?)

しかも、なんとビフィズス菌を増やす作用がある唯一の有機酸なんだとか。
ビフィズス菌が増えると、整腸作用や花粉症予防・改善など、様々な効果が期待できるようです。

高い殺菌消毒性を持つ過酸化水素

そして、グルコン酸が作られる際に発生するのが過酸化水素。
活性酸素の一種で、強い酸化力によって細菌を死滅させるそうな。
消毒液のオキシドールは、過酸化水素です。
しかし、ここでちょっと不安になるのは、そんなものを体内に入れていいのか、ということ。
調べてみると、体内では赤血球や組織中に存在する酵素(カタラーゼ)の働きで反応をとめるため、心配はいらないようです。

「殺菌消毒性」というけれどボツリヌス菌は?

はちみつといえば、決まって書かれているのが、1歳未満の子どもには食べさせないようにという表示。これは、はちみつにボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあるため。
1歳未満の赤ちゃんは消化器官が未熟で、腸内環境も整っていないため、芽胞の状態でも腸内で発育し増殖、中毒症状を起こす可能性があるのです。

しかし、殺菌性の高いはちみつに、なぜボツリヌス菌は生息できるのか。
それは芽胞の状態だから。芽胞の状態では耐久性が高く、種のように眠っている状態。
ここに、条件が整えば、活動を始め、毒素を作り出すようになります。例えば、はちみつを食べて、体内に取り込まれると、唾液やその他の食品などではちみつが薄められ、ボツリヌス菌は活動しやすくなるわけですね。

まとめ

人間も、お米を噛んでるいると、唾液中に含まれる酵素の力で、でんぷんが分解されて糖になっていくもの。
それと同じようなことが、はちみつができる過程でいろいろ起こっているわけですね。
転化酵素(インベルターゼ)が、花の蜜(ショ糖=多糖類)をブドウ糖と果糖に分解する。ここで、花の蜜ははちみつへと一段階、変わっていくわけですね。
そして、グルコースオキシターゼがブドウ糖を分解してグルコン酸を作り出す。その際に過酸化水素が発生する。有機酸ができることで、はちみつの風味と、保存性が高まる。
ということは、これらの分解が進む前に採蜜してしまうと、糖度は高くても糖の種類が違ったり、保存性が異なったりしてくるのだろうか。

今回のコラムでは、
幾分かはちみつの殺菌消毒性のことが分かってきたような気がします。
いかがだったでしょうか。
ちょっと分かってくると、新たな謎が出てきて、あれやこれやと気になってきてしまう。
またいつか、このあたりのことを整理してみたいなと思います。

酵素たちの働き

【木曜マルシェに出店します】

グランフロント大阪の地下街で、毎週木曜日に開催されている“木曜マルシェ”。

いつも日本各地の美味しいものと共に生産者さんが軒を連ねています。
こちらに私たちも蜂蜜や、この時期が旬の甘くて瑞々しい新玉ねぎ、
無農薬の乾燥大根など、南あわじの美味しい食べ物を持ってお邪魔します。

まずは46日(木)出店します。
今後の出店は未定。でも、定期的に行こうと考えています。
大阪近辺のみなさん、おまちしてまーす!

Umekiki Marche

木曜マルシェではここの地下で出店しておりまーす

どうして固まるの?蜂蜜の不思議

冬を越えて固まった蜂蜜が、お家にある人も多いのでは?
今回は、蜂蜜と固まることについて書いていきます。

少し結晶化してきている秋採り蜜

1.なぜ蜂蜜は固まるのか

購入するときにはトロリとしていても、
いつの間にか白く固まってしまう蜂蜜。
蜂蜜はなぜ固まってしまうのでしょう?
まず、蜂蜜が白く固まることを「結晶」といいます。
よく蜂蜜を使うよ、という方はご存知かもしれませんが、
すべての蜂蜜でこの「結晶」化が起こるわけではありません。
蜂蜜に含まれる成分のうち、ブドウ糖が結晶化しやすい性質を持っているため、
ブドウ糖の多い花の蜜由来の蜂蜜は結晶化しやすいと言えます。

2.寒いと固まる?温度と結晶化

寒い季節になるといつの間にか白く固まっている、
そんな印象がある蜂蜜。

いつの間にか、カッチカチ

実際、私たちもこの冬、小瓶に入れていた蜂蜜がザラザラとしたものがいくつかあります。
しかし、寒い=結晶化するということではないそう。
蜂蜜が結晶化しやすい温度は、なんと14~16度。
つまり、低温=固まるというわけではなく、冬よりはむしろ秋や春のほうが固まりやすい。
さらに、気温差や振動といった条件が加わることでより結晶化しやすくなるのだそう。

また蜂蜜には一応、賞味期限の明記が義務付けられていますが、
そもそも糖度が高く、殺菌作用があるため腐るようなものではありません。
そのため蜂蜜の入っている瓶の底にプツプツと白いものが見えたら、
それはおそらく結晶化の始まりです。

底の小さな粒が結晶

3.本物の蜂蜜は結晶化する?

「水アメが混ざったりしていない本物の蜂蜜は結晶化して固まるんですよね」と
時々言われたりすることがあります。
確かに、水アメが混ざっていると固まらないそうです。
また、結晶化の際、花粉が核になるため花粉を除去した蜂蜜でも同様だそう(そんなものもあるのですね)。
ただ、最初に述べたようにブドウ糖の含有量で結晶化しやすさが異なってくるため、
混ざり物のない蜂蜜でも、蜜源となる花の種類によっては結晶化しにくいものもあります。

このお花はどうだろう

4.固まった蜂蜜はどうしたらいいのか

いろいろ固まる理由がわかってきたところで、
そんな結晶化した蜜をどうすればいいのか、というところですね。
ザラザラとしていたり、固まってしまって使いづらい、
そんな時は40度ほどのお湯に、容器ごと浸けてみてください。
しばらくすると、トロリとした形状に戻っていきます。
また、柑橘にかけると、程よく溶けて美味しい。

でも、せっかく結晶化しているのだから、
そのまま使う、というのもアリかなとも思います。
トロリとしていた時と比べて、ざらりとした食感や味わいがこれまた濃厚。
パンやクラッカーなどと合わせると、
結晶化する前とは少し違った食べ応えを楽しむことができますよ。

さて、今回はここまで。
季節の変わり目のこの時期、蜂蜜をパクッと食べて元気に過ごしましょー。

 

梅薫る、立ち込める春

先日の暖かい日、
彼女たちもそろそろ飛び回っている頃かしらと
久しぶりに山を訪れました。

もうすっかり春の色

ちいさな青い花をたくさんつけている

春の香りに淡い梅の色、実る柑橘。
気持ちのいい風に弾む足取り。

甘い香りがふわり

近くには柑橘もあります

 

 

でも、なんだか違和感。
巣箱の前まで来てみても、まるで賑わいがない。
あれれ・・・?
しばらく巣箱を覗き込んでいるとやっと出てきた。

ちょこちょこと出てきた

確かに出てきた。
でも、やっぱり様子がおかしい。

地上を這うミツバチがたくさん

まだ少し寒かったのか、それともダニにやられて動けなくなってしまったのか。
最初に行ったこの山はすごく静かで
わずかに出てきている群れの子たちも地面を這うばかり。
先日、聞いたアカリンダニの寄生症状にピタリとハマる。
みんな、苦しいのだろうか。
なんだか怖くて、ちいさな体で地面を力なく歩く子たちを見ていると悲しくて
鼻の奥がツンとしてしまった。
ダニはみつばちの器官に寄生して、繁殖していく。
そして窒息させる。
羽をふるわせる力が弱まれば、群れの温度も維持できず凍死もある。
ダニに悪気はないけれど、当のみつばちは苦しいだろう。
想像すると可哀想で、何もしてやれないけど、ごめんよと思う。

指に乗せても大人しくしている

 

一旦、いちじくの枝を切る作業に勤しんでから、
夕方また別の山へ様子を恐る恐る見に行く。

彼女たちはどうしてるだろう、
これだけ暖かくて日当たりの良い日だからちょっとは喜ばしくしているのではないか、
「早く会いたい」と心が弾む一方、
春を迎えられずにみんな地面に落ちてしまっているのでは…と、
不安な気持ちもどんどん膨らんでいく。

山に入ると、枯葉と新緑を踏む軽快な音。

枯葉と新緑が一歩ごとにザクザク音を立てる

草木のいい香り。

そーっと巣箱の前にいって様子を見てみる。

1匹、2匹と、中から出てきては飛び立って、
蜜を集めてきては巣の中へと入っていく。
大勢ではない、でも静かに活動を始めている。
よかった。

「いたいたー」

でも、いくつか見て回っていると、もう活動をやめてしまったらしき群れもある。
あんなに元気だったのに、冬は大変な季節なんだと実感が湧く。

さらに奥に分け入って、
昨年お父さんが竹藪だったところを拓いて巣箱を置いた場所へ行ってみる。

まず飛び込んできたのは甘い香り、
赤や白の淡くも鮮やかな梅の花々。
そしてみつばちたちの可憐な羽音。

梅とみつばち

一面に香る鮮やかな梅の花

ここの群れたちは変わらず元気でいてくれた。
女王蜂が若い群れだからだろうか。
理由はいろいろあるのだろうけれど、
とにかくみんな元気で嬉しい。

日本みつばち

久しぶりだね

そして、昨年春には分からなかったこと。
梅の花がこの場所は大層きれいだってこと。
足元がふかふかで、耳をすますと生き物の声や動いている音があちこちからする。

耳をすますと生き物の音が聞こえてくる

ちょっと奥まっていて、
まるで秘密の花園、なんてワクワク。
いや、小さな頃にあちこちに作った秘密基地の方が気持ちとしては近いかな。

甘い香りとやわらかな花々が嬉しい

アカリンダニの急な広まりによって脅かされている日本みつばちとの暮らし。
もちろんアカリンダニだけが理由じゃないにしても、
みつばちたちが弱っているのを肌で感じて、率直に言うと結構驚いた。
秋に「また春に会えるね」としばし別れただけのはずが、
こんなにたくさんの群れのみつばちたちに会えなくなるなんて。
このちいさな生き物は今後どうなってしまうのだろう、そんな不安も感じるようになった。

そんなことを感じる、淡路島で初めて迎える春。
島は、少しづつみつばちたちが飛び交い始めています。

(ようこ)

蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜

「蜂蜜って何?」その2

前回は日本みつばちの蜂蜜と出会ったときのことをお届けしました。
投稿してから気がついたのですが、あれはコラムではなくブログ…

そんな反省を踏まえつつ、今回は蜂蜜がいかにして集められ、蓄えられ、蜂蜜になっていくのか、そんな話を書いていこうと思います。

蜂蜜はどうやって作られるんだろう

芳醇だけどしつこさのない、花の香りが口いっぱいに広がる蜂蜜。
そんな蜂蜜は一体どうやって作られているのでしょう。

素材はもちろん花の蜜、それをみつばちが集めて貯蔵したものが蜂蜜なのですが、
花の蜜を集めたもの=蜂蜜ということではありません。
花の蜜といえば、小学生の時に通学路に咲いているツツジの花やサルビアをチュッと吸って帰った人もいるのではないでしょうか。
蕾の根元に溜まっている蜜のほのかな甘みが嬉しい、季節の楽しみ。

こんな小さな花もミツバチにとっては蜜源

日本みつばちは巣から半径2km圏内を飛び回り、様々な花の蜜を集めてくるので、その地域の自然がぎゅっと詰まったものが彼らの蜂蜜だとも言えるでしょう。
ただ、花の蜜はもちろん甘いけれど、そんなに糖度が高いわけではありません。
ではなぜ糖度が高くなっていくのか?

その理由は蜂蜜の貯蔵過程にあります。
蜂たちは、まず花の蜜を吸い集め、蜜を貯める胃(蜜胃)に一旦溜めておきます。
十分に蜜胃がいっぱいになったところで巣に戻り、
今度は口移しで中の蜂に蜜を受け渡します。
そして今度は受け取った蜂が別の蜂へと口移しでバケツリレーのように渡していき、
貯蔵係の蜂まで辿り着いたところで巣に注ぎ込まれ、蓄えられます。
この貯蔵されるまでの過程で、蜜胃で分泌された酵素が花の蜜と混ざり反応。
さらに、貯蔵されてからみつばちが羽ばたき、風を送ることによって水分が飛ばされていきます。
この酵素と羽ばたきの力によって、花の蜜は熟成していき芳醇な蜂蜜となるのです。

 

さて次回は?

蜂蜜って何?〜その3〜という感じで、もう少し続きます。
ヒトはどういったものを「蜂蜜」と呼ぶのか。
そんなことについて書かれる予定。
詳しく見ていくと、「蜂蜜」について定義や分類がいろいろあるようです。

さて、今週のコラムはここまで。

蜂蜜って何?〜蜂蜜との出会い〜

蜂蜜との出会い

花の香りに、濃厚な舌触り、芳醇だけどしつこさのない蜂蜜に
今ではすっかり信頼を置いているものの、ちいさな頃は蜂蜜が苦手な子どもでした。
だから、家で焼くおやつのパンケーキには
バターとメープルシロップをたっぷりかけるのがお気に入り。
もちろん今でもバターとメープルシロップは大好きだけど、
季節によって、場所によって異なる蜂蜜をそーっとかけてパクリと頬張る幸せは
これまた格別、と思うようになりました。
私がはじめて蜂蜜を「美味しい」と感じたのは(そして苦手意識がクルッと変わったのは)、ユキオさんからもらった日本みつばちの蜂蜜を食べた時。

「好きな人にもらったからかな」とも思ったけれど、
きっとそれだけでじゃなくて、ユキオさんのお父さんがすっかり虜になって、
たいせつに関係を紡いでいるみつばちが作る自然な味わいが、本当に美味しかったのだと思います。

それからしばらくして、淡路島に初めて遊びに行きました。
友人も一緒に行ったので、後で「それでどっちの子が彼女なんだ?」と言われたそうだけど、ともかく日本みつばちに興味津々の私たちと友人で、お父さんが夢中になっているみつばちたちを見せてもらうことに。

森に入ると、みつばちたちは蜜を集めては戻ってきて、また飛びたってと元気いっぱい。
とても賑やか、ご機嫌さん。

巣箱をささっと掃除して、たくさん入っている巣箱から1段だけ分けてもらう。
ぶんぶんぶんと羽音を立てて、大勢がわーっと舞っている。

初めて見る採蜜作業、そしてユキオ父との初めての出会い

初めて見る巣箱、そして採蜜作業におっかなびっくりの私たち。
お父さんは淡々と、でもちょっと嬉しそうに作業していく。

森での作業が終わったら、今度は作業場で巣と蜂蜜を分ける。
箱から巣板を外して、ロウの蓋を取り、後は自然と蜜が垂れるのを待つ。

ロウの蓋を取る

お父さんが巣箱から巣蜜を取り出して蜜を濾す時に、
ひょいと一欠片食べさせてもらった時の衝撃も忘れがたい思い出。

とろーり

採ったばかりの巣蜜

暖かい季節、常温でほろ温い蜂蜜のふわぁ~っと香り立つ花の香りと
通り抜けるような芳醇で透き通った甘みが、ジュワーっと口の中に広がる。
「蜂蜜って、こんなにも真っ直ぐな味わいなのか」と思ったかどうか定かではありませんが、ただただ「おいしい…!」と驚いたことを覚えています。

ということで次回

さて、この蜂蜜はどうやって作られるものなのか、
次回は蜂蜜ができるまでをお伝えします。

米の花と書いて糀(こうじ)

\ようこは、米糀を手に入れた/

今年も仕込みたいなーと思っていたお味噌。
どこかで糀を売っていないだろうかと、キョロキョロしていたら、
いま一緒に働いている人のお家がお味噌屋さんだということで
とってもミーハーな気持ちになったのが夏のこと。
冬になったらぜひ糀を売って欲しいと思い、聞いてみたら
「糀はいつもあるわけじゃないから、タイミングが合えば買えるけど、いつあるかは分からんなー」と。

これまでお味噌作りに寄せてもらったことはあるけれど、
そういう時にはいつも豆や糀は用意してもらって、私は参加するだけだったから、
ぜひともお味噌屋さんで糀を買ってみたかった。
そして先日(11日)、何気なく淡路島の美味しいものの話をしていたら「そういえば今日なら糀あるよー。」ということで、ついに米糀を入手したのでした。

お店に入ると、奥から小柄でニコニコなおばあちゃんが。
うぅ、好き。
可愛いおばあちゃんが米糀持ってきてくれるの、非常に良い。
どれくらい欲しいかなど何も考えずに来たので、
どうしようかな…と言っていたら「とりあえず5合にする?」という話になり、とりあえず5合。
思いがけずたくさんの米糀、ときめき。

何を作るの?と聞かれてとっさに「塩麹が作りたくて」と言ったらレシピもいただきました。
そのうち大豆も仕入れてお味噌も作りたい。

出来立ての米糀はほのかに温かくて、袋に入れていると湿気が。

出来立ての塩麹。ほかほか。


 

「すぐ使わない場合はボールに入れておいてね」というお婆ちゃんのアドバイスに従って残りはボールにいれて冷蔵庫に。

さっそくボールに移す

塩麹を作るにあたり、まとまっている米糀を割ってみると綺麗に糀の花が咲いている。
白くてふわふわ。香りはワイルド、でも食べてみるとほんのり甘い。

米の花

糀菌は日本の「国菌」に認定されたカビの一種。
国鳥や国花のように菌にも「国菌」というのがあるそう。
学名はAspergillus oryzae、
漢字表記が2種類あるわけは、
「麹」は中国から来た漢字、
「糀」は日本で作られた漢字で、蒸し米にコウジカビを生やした姿が米に花が咲くようであったことから作られたから、だそうな(出典はいろいろ)。
デンプンやたんぱく質を醸して糖化する。旨味の成分であるアミノ酸も作る。
日本の食卓には欠かせないお味噌や醤油、みりん、日本酒なんかも彼らがあってこそのもの。

塩麹を作ってみる、食べてみる

そんな米麹に塩を混ぜ込んで作るのが塩麹。
何せすぐにできそうなのでやってみる。

《塩麹のつくり方》
材料:米麹(生)200g、塩70g、水250cc

塩も米麹も淡路島産


1 まずはテンペのように菌糸でくっついている米麹を手のひらで挟んで揉みほぐす。ほぐしているうちに米麹の香りがふわりと立ってくる。

糀の香りがふわり

2 塩を加えて混ぜ合わせる。手でギュッと握るようにしっかりと、全体がなじんでしっとりしてくるまで混ぜていく。握った指の跡が残るくらいが目安。

徐々にしっとりしてくる

3 水を注いで、手のひらで挟むようにしてすり混ぜる。徐々に水と馴染み、全体がミルク状になっていく。

ミルク状になってきた

4 保存容器に入れて、1日1回かき混ぜながら1週間ほど常温で置いておく。その後は冷蔵庫で保管する。だいたい半年程度は食べられるそう。

※乾燥麹で作る場合は、同じように作って、翌日以降水分が足りてなさそうなら、ヒタヒタの状態になるように水分を足しておけばいいとのこと。

 

塩麹ってお米のトロトロしてる見た目がこれまで何となく抵抗感があって
食べたことがなかったので、人生初の塩麹。
さて、どうやって食べようかと考えてみた。
淡路島ではこの時期、葉物野菜がモリモリと旬を迎えていて、毎日が白菜まつり。
それでは新鮮な白菜を使った何かを、ということで浅漬けに。
ざくざく食べやすい大きさに切った白菜に、塩麹、ゆずの皮、鷹の爪を入れて1時間で完成。
食べるときに少しだけポン酢をかけるとまた美味しかった。
さて、まだ米麹はたくさん残っている。
甘酒にするか、味噌作りを試みるか、まだしばらく楽しめそうである。

(ようこ)

美味しい食べ方〜紅茶編〜

蜂蜜を販売しているとよく訊かれるのが
「紅茶に入れるならどの蜂蜜が合いますか?」  
ということ。

蜂蜜は採蜜する季節ごとに味わいが異なるもの。
春・夏・秋で随分変わるので同じ群れでもいろいろ楽しめちゃいます。

左から春採り・夏採り・秋採り

左から春採り・夏採り・秋採り

だから、季節の蜂蜜と紅茶の組み合わせって
いろんなバリエーションがありそうです。
ざっくり言えば、ミルクティーには秋採りの濃厚な蜂蜜、
春採りの蜂蜜は花の香りが明瞭なのでハーブティーにぴったり。

そんな風にお伝えすることが多いのですが、
もうひとつおすすめしたいのが紅茶の選び方。
「せっかく蜂蜜を入れて楽しむなら、紅茶は香りの穏やかなものがぴったり、らしい。」
そんなことを友人から聞いて試してみたところ、本当に美味しい。

「穏やかな味わいが蜂蜜に合うらしい」と友人がくれた。ミルクティー向きのセイロン・ルフナ(左)とチャイによく使われるシロニバリ(右)

紅茶の風味に、ミルクのまろやかさ、
蜂蜜の味わいがしっかりと合わさって素敵。
香りがしっかりとしている紅茶には、
傍に蜂蜜を置いて、スプーンで時々すくって食べるのも良い。

なーんて言いながら、香り立つチャイも美味しい。
チャイにぴったりの葉っぱに、もりもりスパイスを入れてグツグツ煮出す。

茶葉とスパイスの良い香り

スパイスと紅茶のいい香りが部屋中に広がる幸せなひと時。
あとは、牛乳を入れて温めて、仕上げに秋採りの蜂蜜をとろり。

秋採りの濃厚さ

やっぱりミルクティーには濃厚で芳醇な秋採りの蜂蜜を入れたい。
本当はこんな熱いものに蜂蜜を入れるのは…だけど、
豊かな味わいのチャイに、秋の蜜で一層膨らみが増すような気がする。
こんな寒い時期には、芯から温めてくれるスパイスの力が心強い。

さて、今回は紅茶との楽しみ方でした。
美味しい食べ方〜◯◯編〜、今後も時々やっていきます。
ところで、みんなはどんな風に使ってるんだろう?
「こんな使い方も美味しいよ」など、教えて頂ければ嬉しいです。
ではまた。

冬山のみつばちたち(そしてお花たち)

ピューと北風が吹く今日の淡路島。
(いや、南風なのかな。とにかく寒い。)
ミツバチのみんなはどうしているかと様子を見に行ってみました。

ざくざく森を歩き…

もしもーし

日当たりは良いものの、風が強くてとっても寒い。
そのためか、みつばちは「あれ、本当にいるよね?」と心配になるほど気配なし。
冬場でも10℃前後の暖かな日だと蜜を集めに飛び回るそうなのだけど、
今日は巣箱の中でみんなで団子になって猿山よろしく寒さに耐えているのだと思われる。
きっと昨日の暖かなうちにビュンビュン飛んでいっぱい蜜を集めてきたんだろうな。
今の季節、蜜源となるのはどんな花なんだろうと思ってキョロキョロ。

淡路島には植物も種類豊富にあるのだとか。
どのお花も名前がわからないけれど、そのうち分かってくるといいな。
気候のいい季節にはのんびり歩くのもしてみたい。

(ようこ)

第4回 ニホンミツバチ養蜂研究会

日本みつばちの勉強のため京都に行ってきました。
全国で年に一度の「ニホンミツバチ養蜂研究会」が開催され、
日本各地から日本みつばちの養蜂家がわさわさ詰め寄せています。

島からバスや電車を乗り継いで、たどり着いたのは京都学園大学。
会場に着くと、年配の男性がたくさんでキョロキョロ。
みんなニホンミツバチが大好きなんだろうな。
久しぶりに感じる大学の雰囲気でワクワク。
ホールに集まった人はざっと200人ほど。
同世代は1人、2人くらいだなぁ。

 

第4回ニホンミツバチ養蜂研究会2

研究会で話の中心になったのは「アカリンダニ」という寄生虫の話。
報告者は前田太郎さん(農研機構 生物機能利用研究部門)、坂本佳子さん(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター)。
この夏、巣箱の周りに大量のみつばちが落ちて死んでいるのをたびたび見ていたのだけど、
その原因の一つと考えられるのがこの「アカリンダニ」。
みつばちの気管に入り込み、その管の中で交尾、産卵、生活する彼ら。
気管の中で交尾をしたのち、メスはみつばちの体表に出てきて別のみつばちに飛び移る。
そして、そのみつばちの気管の中に入り込み産卵し・・・と繰り返される。
むむむ。。
もちろん気管にそんなのがぎゅうぎゅうにいると呼吸が苦しい。
息苦しいので羽ばたくこともどんどん難しくなっていく。
飛翔力が落ちて、蜜を集めに出かけたまま帰ってこれない個体も出てくる。
これは群れとしても重大な問題につながっていく。
蜜の貯蓄量が減るというのもあるけれど、熱量が減ることにもなる。
寒い時期、日本みつばちは猿山の猿みたいに身を寄せ合い、団子状態になって羽を震わせ暖め合い春を待つ。けれど、アカリンダニに寄生され飛翔力が落ちていると満足に羽を震わすことができず、群れ全体が冷えて凍死。コロニーは消滅してしまう。

アカリンダニに対する特効薬はまだない。
もともと海外で見つかったダニの一種で、日本で報告されたのは2010年のこと。
その後も感染は拡大を続けていて、今では離島地域以外どこにでもいると考えられている
広がった原因は、自然要因(分蜂、引っ越し)もあるけど、人間が蜂を巣箱ごと移動させることで、寄生しているダニも運ばれたことが大きいとのこと。
日本みつばちは西洋みつばちと比べ、病害虫に強いと言われてきたけれどそれは間違いだという。
もちろん強いことは強いのだけど、それはあくまでも日本にこれまで存在してきた病害虫に強いということであって、日本みつばちがこれまで出会ったことがない海外の病害虫に対しては為す術がない。日本みつばちはアカリンダニに適応していく可能性はあるものの、それは今後の話。

では、日本みつばちは減少傾向にあるのか?
巷では農薬やダニなどの影響でみつばちがどんどん減っているのではないかという話もあるものの、減少を示すデータはないという。
ただ、農薬によってみつばちの抵抗力や運動能力が落ちている可能性があること、それによって病害虫にかかるリスクが増している可能性などが言えるとこのこと。

いろいろ分かっていないことだらけの日本みつばちの世界。
そして何だかやっぱり楽しそうな研究者の人たち。
日本みつばちは、心配な部分も含めて魅力的。
うちのハチさんたちはこの冬ちゃんと越せるだろうか。
近いうちにまた見に行こう。

Umekiki Marche

Umekiki Marche

直前のご案内になりますが、
10月27日(木)はUmekiki Marcheに出店します。

Umekiki Marcheは、「つくり手と、なじみになる」ということをテーマとしており、
「食をたいせつに想うつくり手と語らい、おいしさの理由を知り、
顔なじみになって名前で呼び合えるような、つくり手と食べる人の心が通うマルシェ」
ということ目指している素敵なマルシェ。
(Umekiki MarcheのWebサイト参照)

出店日:10月27日(木)
開催場所:グランフロント大阪うめきた広場
時間:12時~21時
詳細はこちら

9月に続いて10月もこちらにお邪魔します。
今回も、私たちの蜂蜜と、石鹸屋さん、若手農家さんと共に南あわじ市のPRも兼ねて出店予定です。

また大阪でお会いできるのを楽しみに向かいます!

尼崎ぱーちー

【出店!尼崎ぱーちー!】

尼崎(兵庫)で開催される「尼崎ぱーちー」に出店します!

◇尼崎ぱーちー(http://amapa.strikingly.com)
日時:10月26日(日)
10時〜17時
場所:尼崎の森中央緑地
今、蜂蜜を置いていただいている「GASAKI BASE」からご紹介していただいて、10月16日尼崎で開催される「尼崎ぱーちー」に出店させていただくことになりました~!!
https://www.facebook.com/events/1118569504904246/

なんとも素敵で楽しそうなぱーちー。主旨などは、Webサイトを見ていただいて、そしてBlogを読んでいただけたらと思います。尼ぱへの熱い思いと共に、関西のボケが随所にちりばめられております。
http://amapa.strikingly.com/

出店ブースは、90ブース以上。ステージでのライブもあります。
ぜひとも足を運んでみてください。関西の皆様、お待ちしております。
そして「facebook、twitter、instagramのいずれかで「#尼ぱ」をつけて投稿をしてくださった方の中から抽選で5名様に、3色あるドラム缶のうち、お好きな色のドラム缶を1つプレゼント!」だそうですよ。

いろいろ素敵です。もうかなり楽しみです。

デザイン打ち合わせと手作りのパン

朝夕と涼しくなって、秋らしい香りのする季節になりました。
虫たちも冬に向けてせっせと蓄えはじめる時期ですね。
今は、そんなミツバチたちの蓄えを少しばかり分けてもらう、
採蜜の時期でもあります。

そんな秋の香り漂う一昨日、すだちの里でもある徳島県神山町へとデザイナーさんを訪ねてきました。
迎えてくれたのは、この春、大阪から神山へ移住したaun creativeの森口さん。
そして森口さんお手製の酒粕酵母パン。
サプライズでお土産にといただいて嬉しや。
翌日の朝ごはんに、蜂蜜をかけていただきました〜。
甘い酒粕の香りとモチモチのパンが蜂蜜と合ってて、ほわー。

私(ようこ)がお会いするのは4回目。
森口さんとのご縁は、昨年「淡路はたらくカタチ研究島」という企画があり、
ゆきおさんが受講する中で森口さんと出会ったことから今に至ります。
大阪にいる時から相談にのっていただいたり、
私たちが淡路島に、森口さんが神山に拠点を移してからは、
いろいろのデザインを森口さんにお願いすることを決めて、
神山に行ったりこちらに来てもらって山に行ったり。

なかなか上手くイメージや想いを伝えられないでいる私たちに、
いろいろな素材を見せてくれつつ、話を引き出し、
ふわふわとしたイメージから実際のものへと近づけていってくれる頼もしさよ…。

webサイトは、当初、ゆきおさんが作ることも考えたのですが、
今回はラベルやらショップカードやら、webサイトやら諸々まるっとお願いすることにしました。
森口さんの手がけているデザインも、綴られている文章も好きだから、
お仕事として依頼を受けてくださって、
自分たちの好きなもののことでご一緒できるのはとっても嬉しい。
美味しい蜂蜜に、可愛いミツバチたち。そして森のこと。
少しづつ形になっていくのが楽しみです。

(ようこ)

Umekiki Marche出店準備中

13日(火)からのUmekiki Marcheに向けて準備中。
せっせと瓶に詰めたり、ラベルを貼ったりしています。
春採り蜜も10個だけ持っていく予定でいます。
ちょっとしか採れないので、あまり数は持っていけないのですが、とても綺麗な淡い色と、華やかな花の香りが抜群です。
夏採りの蜜は柑橘のような色合いと、豊かな風味がクセになる味。
秋採りの蜜は何と言っても濃厚!
梅田で皆さんに味わっていただくのが楽しみです♪

【Umekiki Marche】
開催日:9月13日~15日
開催場所:グランフロント大阪うめきた広場
時間:13時~20時

瓶詰め

(ようこ)

島での遊び場、磯

先々週のこと。
この日は完全にオフ!
ということで、ゆるーり。
朝からあちこち掃除して、コーヒー豆をゴリゴリ挽いて、
朝の香りを胸いっぱいに吸い込んで。
「今日はふたりで海に行こー!」と飛び出して、
海に向かっていくはずが、うちから車で5分ほど走ったところで目の前にあった淡路島牧場にぶらり。
いつも何かと牧場の前を通ってて、前から気になってたのよね。
リアルにポニーが引かれているメリーゴーランドに衝撃。
俯きがちなポニーたちよ…。

結局あちこちぶらりして、海に着いたのは15時頃。
ほんと、海のそばに住んでるからできるユルさだなーと思う。
海に入るのは高校生以来だから、実に10年ぶり(って、先週は甥っ子姪っ子と来たんだけど)。
浮き輪も水着もバッチリ持ってきたけど、
海に浮かぶのもそこそこに、磯遊びに夢中になって気がつけば2時間半。
捕まえたのは(多分)…
イシダタミガイ
イボニシガイ
レイシガイ
ベッコウガサ
マツバガイ
ヨメガカサ
カメノテ
イワガニ

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ひとつツルンとした感じの巻貝の名前がわからず。ぬぬ。
前に来た時から岩場に色々いるのが気になっていて、
「次こそはマイナスドライバーとバケツを持ってきて磯遊びしよう」と思っていたので
今回がっつり遊べて嬉しい。
しかも色々美味しい。
これは春の野草摘みに、夏の磯遊びと遊びの幅が広がりそうです。

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素揚げでカラリと

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エビとお茄子は買ったものと頂き物。採ってきた貝は、塩茹でと酒蒸しで乾杯。

慶野松原のビーチキーパー

今日は朝から、車で15分のところにある慶野松原でのビーチクリーンに参加してきました。
慶野松原は時々遊びに行かせてもらう、とても好きな場所。
ビーチクリーンをしているのは、慶野松原根上がり隊の人たちとその活動を知って集まってきた人たち。

慶野松原は名前の通り松の木が立ち並ぶ場所。
この松たちは大きいだけではなくて、
根元が立ち上がっていて、
それぞれユニークな形をしているのが特徴です。

そんな根上り松の立ち並ぶ慶野松原を大切に思って、
いろいろな形で守っていく活動をしているのが慶野松原根上り隊。

開始時間の8:30頃には小雨が降ったりしたものの、
すぐに止んで、みんなでゴミ拾いを始めました。
あっという間の30分ちょっと。
拾ったものは…
・ストロー
・タバコの吸殻
・地中にこっそりと埋められた空き缶
・ビニール紐 などなど

「がーん!」という気持ちがしたのも確かなのですが、
中には玉ねぎやイノブタが漂着していたりもして淡路島らしい漂流物にちょっとワクワクしたりも。
印象的だったのは「夏だからまだゴミが少ない」という言葉。
夏は人の出入りが多い分、散らかしてしまう人もいるけれど綺麗にしていく人もいるからだそう。

松林の中に位置するテントサイトには
たくさんのテントやタープ、時にはハンモックがかかっていて、
子供たちが嬉しそうにはしゃいでいたり、
ノリノリの音楽が流れていたり、
海では親子連れが「つめた〜い!」なんて言いながら朝の海を楽しんでいたり。

いろんな人がいるけれど、ここに来るのはみんなこの場所が好きな人。
根上がり隊の人たちは、
毎月第3日曜日の8:30〜9:15
慶野松原の浜で清掃活動をしているそう。

こんな風にして、この場所は守られているんだね。
朝からふらりと浜に来て、
みんなで海をきれいにするのは気持ちがいいし、何だか楽しい。

(ようこ)

暮らし始めました

ゆきおさん繋がりのみなさま、
はじめまして、ようこです。

はじめましての皆さま、はじめまして。

あちこちで出会ってきた方、どうもどうも。

ゆきおさんが「淡路島にUターンしたい!日本ミツバチ面白い‼︎」と言い出したことから、すったもんだしながらもこの3月末から淡路島に引っ越しまして、2人して地域おこし協力隊としてこのまちで暮らし始めました。

倉敷から南あわじに来て、現在1ヶ月ほど。
淡路島といえば玉ねぎなわけで、
今の時期のこのまちは、まさに、というのか、
あちこちで風に揺れる玉ねぎの葉が畑一面に広がっているのが見えて、
「わー。なんて淡路島っぽい感じなんだろう。テンション上がるな。草抜き楽しい。」なんて思ったりしてます。
2回しか草抜きしに行ってないせいもあるけど。

言葉は聞き取れなかったりしてます。
みんな早口というか、なんというか、
単語の末尾が繋がってる感じというか。
アイ ミス ユー じゃなくて、
アイミュッシューみたいな感じというか。
方言は可愛い感じ。
「おじゅっさん」「いちびる」
「べっちゃない」「じゅるい」とかとか。
語尾は「〜だぁ(肯定・疑問系両方に使用)」「〜け?(疑問系)」。

食べ物が新鮮で、したがってどれも美味しいのもこちらの特徴だと思う。田舎全般に言えるのだろうけれども。
こちらに来てからは、何かしら冷蔵庫に新鮮な食材が入っていて、外食する暇がないほど。春キャベツやら、レタスやら、鹿肉やら猪豚肉やら、掘りたての筍が溢れかえるほど、頂き物の手作り木の芽味噌etc…

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「丁寧に暮らしたいね」「楽しく暮らしたいね」と言って始めた2人+1匹での暮らしはドタバタとした日々の喧騒の中であっという間に過ぎていくけれど、なんだかんだお部屋にはいつも花が飾れていて、朝から珈琲を淹れて使い終わった蜂の巣箱をミツロウワックスで磨いたり、磨いてる傍らで本を読んだりボヤーッとしてるのなかなか気に入っています。

私もこれから、このまちでの暮らしをちょこちょこと綴っていこうと思います。

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