はちみつって、とってもスゴイ

今夜はすもとLabさんに声をかけていただいて、『はちみつって、とってもスゴイ』というイベントで、みつばちやはちみつについてお話をさせていただきました。

はちみつってとてもスゴイ 

最初に、「みつばちを飼っている方」って聞いてみたら、参加者8人うち約半数の方が手を挙げて、ちょっとびっくり。

旦那さんが飼っているとか、今年から飼い始めましたとか、巣箱を置いたら勝手に入ってくれたとか。さすが、ニホンミツバチの島、淡路島。
 
みつばちのこと、はちみつのこと、はちみつの種類、日本の流通のこと、砂糖との比較など。盛りだくさんな内容をお伝えして、春・夏・秋のはちみつを食べ比べ。
そのまま、tonekoさんの素敵なご飯をいただきながら、質問もたくさんあり、たくさんのお話ができました。

 
「へー知らないことばっかり」「みつばち、かわいいよねー」などなど。

参加者の皆さんには楽しんでいただけ、そして、私たちもとても楽しかったです。
 
今回の資料やお話しした内容を振り返り、伝わりにくいところもあったので、もっとわかりやすく、楽しくお伝えできるように少しずつレベルアップしていきますね。そして、私たちもまだまだ勉強不足・経験不足なので、実践もコツコツと頑張ります。
 
今回はありがとうござました。
また、このような機会ができればと思います。
そして、会場の淡路島 tonekoさんは、前々から気になっており、今回はじめてお伺いすることができました。今度はゆっくりとお伺いしたいなー。

 

草地家のはちみつ

みつばち社会〜働き蜂⑨扇風と温度調節〜

働き蜂のお仕事のことも、今回で9回目。
今回は、働き蜂たちと巣の中の温度調節について。

巣箱の中の温度調節

巣の中にいる働き蜂たちは、巣内の温度をほぼ一定の温度(巣の中心温度は約32~35度)に保ち続けるため、暑い夏や寒い冬、巣の中などで様々な取り組みをしています。

巣内の温度を一定に保つ一番の理由は、幼虫を正常に発育させるためであり、育児圏の温度を一定に保つことが何よりも大切なことなのです。子どもたちのために快適な空間を作っているのですね。そのため、ミツバチは、巣温の変化を敏感に感知する温度感覚を持っています。

夏の暑いときは

気温が高いと、幼虫を育てるための適温を超えてしまうため、巣内を冷やす工夫が行われます。

蜂密度を下げる

まず、中央に重なるように巣板上にいた働き蜂の間に隙間ができ、中央の巣板に集中していたものが外側の巣板に分散することで、蜂密度を下げて、温度を下げます。

ニホンミツバチの巣の中では、みんなそれぞれ仕事をしています。

また、それでも暑いときは、熱を持っている自分たち(働き蜂)が巣の中から外に出ていくことで、巣の中で蜂が減って、蜂密度を下げることで、巣の中の温度を下げようとします。たくさん働き蜂が、巣箱の外に出て、巣箱の外側にびっしりとつくことがあります。

みつばちが外に

巣の中の温度を下げるために外に出てきたみつばちたち

さらに暑いとき、風を送る

さらに暑いときは、働き蜂たちが翅を羽ばたかせて、巣の中に風を送って、暖かい空気を外に外に出し、空気を入れ替えます。ちなみに、参考文献によると、この扇風の羽ばたき回数は、1秒間に150~200回程度であり、飛んでいるときは、1秒間に250回であるので、少しゆっくりと羽ばたいているそうな。

この扇風方法はニホンミツバチとセイヨウミツバチでは違っています。

セイヨウミツバチの場合

巣門に頭を向けて羽ばたくことで、巣門から巣内の暖かい空気を “排気(外に抜き出す)”します。

セイヨウミツバチ

セイヨウミツバチの扇風写真を持っていないので、代わりに暑くて外に出てきているときの様子

ニホンミツバチの場合

その向きは逆で、巣門にお尻を向けて羽ばたくことで、外の涼しい空気を巣内に送り込む“送風”の役割をします。そのため、巣箱の蓋や巣箱上部には水滴がつき、湿った状態になるのもニホンミツバチの特徴です。

ニホンミツバチの扇風行動

巣門にお尻を向けて羽ばたきます。

ニホンミツバチの場合は、直接巣内の匂いを巣の周辺に排出することは、天敵であるスズメバチなどの危険性が高くなることや、襲ってきた害敵への攻撃態勢が素早くとれるように頭部を前方に向けているのだろうと言われています。

今回はここまで

暑いとき対策にはまだ続きがあるので次回はその続きを。そして、寒いときはどうするのかなっていうことも書いていきます。

扇風機のように羽ばたいて風を送ることで巣の中を快適にする。働き蜂にしかできない、大切なお仕事の一つです。

 

参考文献

フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ
吉田忠晴、2005、『ニホンミツバチの社会をさぐる』、玉川大学出版部

みつばち社会〜働き蜂⑧職人の技が光る!みつばちの部屋作りの巻・後編

さて、みつばちの部屋作り後編です。(前編はこちら

みつばちの巣房は6角形のハニカム構造。
そのことを知っている人は多いと思いますが、
どのようにできているかはなかなか知らないのでは?
と言っても、実際に作っているところを観察するのは難しいので
(だってみんなモリモリに重なり合って代わる代わる巣を作っていくものだから現場は常に人だかりというか蜂だかり覆われているのですよ)、
研究者たちの報告などから、その部屋作りの様子を想像してみましょう。
今回は坂上(1983)の紹介する、マーティンとリンダウアーの報告を見ていきます。

マーティンとリンダウアーの報告

①規則性を作る首の毛
巣室は重力刺激を手掛かりに作られていくのではないか、と仮定して
500から1,000匹の働き蜂の頭と胸、胸と腹を接着剤で固定したり、
頭と胸と腹の接続部分の感覚毛を塗りつぶして固定した。
そして、どのように巣を作るかを観察した。
その結果、頸部の感覚毛が重要であることがわかった。
頸部の感覚毛が固定されている時、巣室のかたちは不規則な形をとる。
しかし、接着剤がはがれて感覚毛が機能を取り戻していくと、規則的な巣室が作られるようになることが観察された。

②滑らかな巣の壁
マーティンとリンダウアーは、
触覚が使えなくなったらどうなるのかという疑問から、
ミツバチの左右の触覚先端を除去した。(かわいそうだけど、研究者っぽいな)
すると何が起こったか。
正常な巣壁は滑らかでシワもなく、厚さも0.07~0.09mmと安定しているが、
触覚が除去されると、そうした精巧さは見られなくなった。
つまり、触覚先端は、巣壁の仕上げに欠かせない道具だということがわかった。

③壁の厚みはどう測る?
さて、そしてマーティンとリンダウアーの新たな疑問が生まれてきます。
精巧な巣壁を作る働き蜂、
だけど壁の一方側で働いているというのに
壁の厚みを均一にできるというのは何故なのだろうか。

二人は、触覚と大あごの形態学、そして巣壁に刺激を与えた際のたわみ方の研究から、
次のような仮説を立てます。
加工のために蜂が大顎で壁面に窪みをつけると、
窪みは、材料の持つ可塑性(この場合は、蜂が巣壁を齧り取って、巣壁は蜜蝋でできているので、齧られたことによる凹凸が緩やかに滑らかになっていくこと)によって、元の位置に戻る運動を起こす。
そして、巣の温度が均一な時(35度)、均一な材質で生じる、こうした復元運動は、
復元されるまでの時間経過が一定だとすると、窪みの位置や深さ、壁の厚みで復元具合が決まるという。
その際、働き蜂の触覚先端は、巣壁の加工部位を常に探っており、窪み、位置、深さ、復元具合などの諸所のパロメーターを記録している。そこから、壁の厚みを算出しており、以後の加工方針の決定に必要な情報を提供している。

ふむふむ。そして、ここから先のところがわからない・・・

「この仮説で注目すべき点は、すでに出来上がった六角中の枠組み内で仕事が行われるときにのみ、精密計算での正確な答えが得られることだ。巣室にわずかなゆがみを与えるだけで、ロウの復元運動は影響される。造られつつある巣盤下方の生長部では、六角形はまだお粗末だし、巣壁は厚く不揃いである。同じことが女王室の外壁表面の模様にも示されている。つまり六角形と均一な薄い巣壁は、相互に影響し合って形成されていくのである。」(坂上 1983:25)

何度も読んだのですが
3つ目の最後らへんは、今ひとつどういうことなのかよく分からず。
しかし、何やら面白そうなことを書いているなぁと思ったのでした。
誰かわかったら教えてください。

そしてマーティンとリンダウアーが報告してる話ではないけれど、
みつばちたちの巣作りで、これまた不思議なのは、
複数箇所から作り始めることが可能だということ。
精密な6角形の巣房、だけど、上から鐘乳石のように伸びていく巣房は、
一見するとバラバラに作られていくにもかかわらず、
見事に連結して、一枚の巣になっていくのです。

どうやって測っているのかしら。
彼女らの謎です。

蜂たちの鎖

この巣作り作業の際によく見られるのが、
みつばちたちが鎖のようにつながって、カーテン状になっている様子。
しかも、長時間、動かずにいる。
この理由はいろいろ言われているのですが、
正確な理由はわからないというのが多く見られる見解です。

ふむ。

ある説では、
巣を本格的に作り始める前の見取り図・下地として、
自分たちでつながって見ているのだという人もいます。(タウツ、2010)

またある説では、一晩そのままじっとしておくと、
翌日、腹部に薄いうろこ状の蜂ろうが分泌されていて、
みつばちはその状態のまま、みつばちの鎖を伝って上までよじ登り、
蜂ろうを大あごで噛んで柔らかくして、
天井に一片を器用に貼り付けていく。
そうやって左官のごとく、代わる代わるにせっせと施工というか

作業を行っていくのだとか。(坂上、1983)

あるいは、縄ばしごのように、
床に落ちてしまったうろこ状の蜂ろうを拾い集め、
巣房作りをしているところまで運び上げる役割なのか。(タウツ、2010)

こんな具合にみんな色々と予想してみていますが、
「僕としては◯◯という理由なんじゃないかと思うんだよね。知らんけど。」という感じ。

分蜂球の中に手を入れた時も、
手を抜くときにブラーンとひっついていたりしたのだけど、
なんか連結しがちな生き物なのかな。知らんけど。

ついてきた蜂たち

指先にくっついてきたみつばちたち

 

今日はここまで

さて、今回は働き蜂の内勤期のお仕事、部屋作りについて見てきました。
人間にはわからない、みつばちたちの設計術が光る巣房作りの技。
何のためだかわからないけれど、鎖のように手足を取り合ってぶら下がったり、
ファスナーがピタリと閉じるように、バラバラのところから建設していた巣房が綺麗に連結したり、
みつばちは不思議だなぁ!

内勤のお仕事、まだまだ次回も続きますよ!

参考文献
坂上昭一、1983、『ミツバチの世界』、岩波新書

平成28年「養蜂をめぐる情勢」から見えたはちみつブーム!?

毎年、農林水産省から公表される「養蜂をめぐる情勢」。
10月ごろに公表されるということで、ここ数日、ほぼ毎日、このページをチェックしており、11月になっていつのまにか、最新の平成28年のデータが公表されていました。

ということで、今週は最新データから見る日本にはちみつ事情を簡単に考察します。

①国産はちみつの比率の変化

日本で流通している国産蜂蜜は、全体のたった5.4%。になっていました。いわゆる自給率という数字で、国産蜂蜜÷国内蜂蜜流通量×100で計算できます。
ちなみに、これは過去最低の数値です。(ちなみに昨年は7.3%で、平成に入ってからはずっと7%前後の値です。)

平成28年の国内蜂蜜の割合 

②はちみつの大量輸入

その要因は、国産のはちみつがわずかに減少したいうのもありますが、輸入量が大幅に増えたからなのです。国産蜂蜜は111t(トン)減少、輸入蜂蜜は12,000t増加。輸入蜂蜜のうち中国からの輸入が7割以上を占めており、約9,000t。

なので、国産蜂蜜の比率が約2%(7.3%→5.4%)も減少したのは、輸入量が大幅に増えたので、分母である国内流通量が大幅に増加したからなのです。

はちみつの輸入量の変化

③日本での年間蜂蜜消費量が130%増!!

日本国内で、平成27年の年間消費量は約39,000tであるのに対して、平成28年の年間消費量は約51,000t。約130%増!
ここ20年くらいは年間消費量は約40,000tくらいなのに。なぜか昨年、急に増えた。

その内訳は、家庭用が約7,000t、業務・加工用が約6,000tの増加。
いやいや、急に増えすぎでしょ。
まさか、巷でははちみつブームが起こっているのでしょうか!?

淡路島で小さなみつばち屋さんをしている私には全く実感がわかないのです。
そして、私たちはテレビのない生活をしており、情報はネットと新聞だけなので、もしかしたら、テレビの世界では、ものすごいはちみつ特集がされているのかも…。と想像を膨らませるのです。

もし、実感されている方がいれば教えてほしいです。

と、そんなことを書きつつも、そういえば、去年、お世話になっているおじいちゃんが、黒酢とはちみつと生姜で漬けおきして、しもやけに効くから毎日飲んでるって言っていたような。

国産・輸入蜂蜜の推移

ということで、

平成28年「養蜂をめぐる情勢」からわかることは、実は、巷でははちみつブームなのかもしれない!!ということです。

 

はちみつで何千t(トン)っていう数値をみても、なかなかぴんと来ないのですが、データからわかるはちみつ市場の不思議なお話でした。

「島の食卓2017秋」に出店してきました。

定期的に開催されている淡路島オーガニックマーケット島の食卓

今回は初めての雨。

みんなで1つのテントの下に集まっての【小さな島の食卓】でした。テントの下にみんな集まっての出店というのも、こじんまりとしていいかんじでした。

島の食卓秋2017

みんなでテントの下で。

小雨の中、足を運んでいただいたみなさん、そして、じっくりとみつばちのこと、はちみつのことなど私のお話を聞いていただいてありがとうございます。
 
次回は12月9日(土)に「菜音キャンプ」での開催となります。よろしくお願いします。

みつばち屋さん

はちみつと蜜蝋の販売をさせていただきました。

みつばち社会〜働き蜂⑧職人の技が光る!みつばちの部屋作りの巻・前編

成長に伴い、様々な仕事に取り組む働き蜂。
羽化してからの内勤期(10日〜20日)には、
巣房作りにも取り組んでいます。
蜂蜜や花粉を貯蔵したり、子育てをしたり、
時には頭を突っ込んで一休みする(本当にそんな風に休むそうな)、
そんな、みつばちにとっての部屋=巣房作りは
どんな風に行われているのでしょうか。
見ていきましょう。

巣の素材は自分で作る

みつばちのお腹

このワックスミラーからロウを分泌します

みつばちの巣は、
みつばちが分泌するワックス=蜂ろうで作られます。

(体のどこから蜂ろうを出しているのか、どう処理していて、
どれだけの労力がかかるすごいことなのかについては、
以前書いたこちらの記事を御覧ください)

ちなみに、ミツバチ研究者のタウツは、
「ミツバチは、巣板の材料を自分で造り出すという点で、動物界のエリートに属する」(丸野訳、2010)なんて、
初孫を可愛がるおじいちゃんみたいなことを言っています。
(彼の著書はミツバチ愛に満ちていて、表現もなんだかドラマチックなものが多いので
読んでいるとクスりと笑えておすすめ)

他には「ロウと蜜の間には敏感な需要–供給の関係がある。貯蔵庫が手ぜまになれば、ハチは体内に蜜を貯めておかざるを得ない。多くの個体でこの状態がつづくと、その一部はロウに転換され、貯蔵庫新設の材料が造られる。人類が出現するはるか以前に、彼らは昆虫仲間での”産業革命”に成功した。」(坂上、1983)なんて風にも言われていたり。

えらいよ、ミツバチ。

みつばちのルックス

一斉に一気に作る

さて、そんな「動物界のエリート」たちはどうやって巣房を作っていくのでしょう。

最も活発に巣房が作られるのは、分蜂直後。
新しい住処を見つけたミツバチたちは、早速巣房を作り始めます。
蜂ろうを作り出すにはとてもエネルギーが必要なのですが、
その際のエネルギー(=蜂蜜)は古巣から飛び立つ際に、
蜜胃いっぱいに蓄えて旅立っているのです。

分蜂 触る

新しい巣に移ろうとして一旦木にとまった分蜂群に指を差し込んでみる。みんな人間に構っちゃいられないくらいお腹いっぱい精一杯。

とはいえ、蓄えとして持ってこれているのはせいぜい5000個の巣房を建築できる程度のもの。
中ぐらいの規模の巣の巣房が約1000,000個であることを思うと全然足りていない。
小規模どころの話ではない。
ということで、巣の建築が速やかに行われるとともに、花蜜の収集も即開始されるのです。
(ほんと、いつも働き者だけど、分蜂直後はひときわ大忙しだなぁ。。。)

①下地を塗る

そんな巣房作りは上部に下地を塗るところから始められます。
まず、蜜蝋の塊を塗りつけます。
どうやって塗りつけるかというと、
自分の腹部の腺から分泌した、コンタクトレンズのようなロウを、
後ろ足の櫛のようになっているところで器用に取り、
口まで運び、強い顎で柔らかく扱いやすい温度と硬さになるまで噛んで練ります。
口内で練られたロウは、白色のリボン状に変わり、
このリボンを顎で噛みきり、ペタリと塗りつけるのです。

と、盲目のみつばち研究者ユーベルはそんな風に報告しているそう。
(優秀な助手との二人三脚で生涯研究を続けたのだとか。)

②ピン先のような初期の巣房、そして下絵作り

さぁ、下地を作ったら今度はそこに塗り重ねて
下へ下へと伸ばしていきます。
巣房の壁自体はとても薄い(0.07mm)のですが、
最初に基礎として作られるこの部分は、その10〜20倍ほども分厚いのです。
そして、一旦分厚く作った壁を、みつばちたちは両側から孔を掘っていき、
次第に薄くします。
そして削り取った材料は、下方の巣の土台作りに再度使われるのです。
こうして窪みがついた、巣房の下絵が出来上がります。

と、そんな観察をしてレポートしたのはダーウィンだそう。

③いよいよ6角形の巣房ができる

窪みのついた下絵が出来たら、今度はその絵に沿って、
一つの部屋ごとに仕切るべく壁をこしらえていきます。
働き手は絶えず入れ替わり、交代しながらロウを使って下絵に沿って壁面を作り上げ、
巣房を作り上げていくのです。

日本みつばちの巣

6角形はどうやってできるの?

さて、ここで、6角形の巣房は、初めは円柱としてできたものが部屋数の増加に伴い、
相互の圧力や熱によって、次第に6角形になるんだ、という説があります。
確かに、丸が合わさると6角形になっていくし、
ある種のハチの巣ではそうした経過が見られるといいます。

しかし、みつばちは違うのだ、という説もあるわけです。
私としては、6角形は初めから保たれているという説を支持したいなぁという気がします。
ということで、次回はここのところを坂上(1983)の紹介する、マーティンとリンダウアーの研究から見ていきます。

ということ、今回はここまで!
(6角形がどうやってできるのか、面白そうなんだけど読解が難しい!ぐぬぬ。)

 

参考文献
坂上昭一、1983、『ミツバチの世界』、岩波新書
Juergen Tautz、丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち社会〜働き蜂⑦貯蔵係と蜂パン〜

働き蜂たちも日齢が進んでいくにつれて、巣の中でできること、やる仕事が増えていきます。巣の中での彼女たちの仕事は様々なのです。

たくさんのミツバチがいるなかで、どの時期に、どのように役割(仕事)の分担が決まっているのかということはよくわかっておりません。

ということで、今回は内勤のお仕事の1つ貯蔵係についてご紹介。

復習:働き蜂④キャリアパス(日齢分業)というコラムできましたが、働き蜂は日齢分業という世界。内勤でお仕事をするのは、10日~20日頃までで、内役期とも言うそうです。

貯蔵係のお仕事

外で蜜を集めてきた働き蜂から蜜や花粉を受け取り、

巣房の中に詰めていくのが貯蔵係のお仕事。

蜜を詰める

貯蔵係の働き蜂たちが、外勤の働き蜂から蜜の受け取るその方法については、以前のコラムで書きましたが、口移しのバケツリレー方式です。(詳しくは以下の通り)

蜂たちは、まず花の蜜を吸い集め、蜜を貯める胃(蜜胃)に一旦溜めておきます。
十分に蜜胃がいっぱいになったところで巣に戻り、今度は口移しで中の蜂に蜜を受け渡します。
そして今度は受け取った蜂が別の蜂へと口移しでバケツリレーのように渡していき、
貯蔵係の蜂まで辿り着いたところで巣に注ぎ込まれ、蓄えられます。
みつばちコラム 蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜より抜粋)

巣の中にいる内勤の働き蜂同士でこのバケツリレーを何度も繰り返しながら、酵素が混ざり、水分を飛ばしていくのです。

みつばちの口吻

口から出ているのは、舌ではなくて、お口(くち)そのものなのです。この長い口(口吻)で蜜の受け渡しをします。

そして、何度か繰り返したあと、貯蔵係は巣房の中にお口から吐き出した蜂蜜っぽいものが詰めていきます。(この時点では完全な蜂蜜ではなく、この後、みつばちが羽ばたきで風を送るなど、空気に触れることで水分が飛ばされて、蜂蜜ができていきます。)

花粉を詰め込む

貯蔵係は、蜜だけではなく、外勤の働き蜂から花粉も受け取ります。
(花粉は大切なタンパク質。前回の授乳・給餌のお話であったローヤルゼリーは、若い働き蜂が花粉を食べて作り出します。)

受け取った花粉は、貯蔵係によって噛み砕かれて、巣房の中に押し込まれていきます。ちなみに、その押し込む方法は、頭で押し込むだそうです。その時、この花粉に蜂蜜が塗られて固められていくそうです。

蜜ぱん

蓋がない部分に花粉がみっちり。きっと貯蔵係が頑張って頭で押し込んだんですね。

こうやって巣房の中に作られた花粉のことを蜂パン(はちパン)やビーブレッド(bee-bread)、貯蔵花粉と呼ばれています。

ちなみに、この頭で押し込むを何度か繰り返すので、この花粉は地層みたいになっています。

蜜ぱん

たくさんの花粉で少しわかりにくいですが、花粉の層ができています。

今回の学びは蜂パン

今週は、内勤の働き蜂の中でも「貯蔵係」のお仕事について取り上げてみました。蜜を詰め込むだけではなくて、花粉も詰め込んでいるのです。しかも頭を使って。

そして、その名前が「蜂パン」というなんともかわいい名前ということを知りました。

今回はこれでおしまいです。
次回も働き蜂のお仕事の紹介が続きます。

参考文献:
山田養蜂場:http://honey.3838.com/lifestyle/meal.html
はい、やっこです!!:http://cerana.blog.fc2.com/blog-entry-101.html

みつばち社会〜働き蜂⑥次の仕事は授乳・給餌〜

先週のコラムから、日本みつばちのお仕事を
孵化してから順を追って見ていっております。
前回のコラムで見たように、
生まれて最初に取り掛かる仕事は、巣の掃除と赤子の保温作業。
保温方法にびっくりでした。
隣の巣房や蓋の上から蜂肌で温めてるなんて、なんかちょっと可愛い。

掃除、保温、お次は授乳・給餌

さて、そんな彼女らが次に取り掛かる仕事が、授乳です。
えっ、さっき蛹から出てきたばかりなのでは?という気もしますが、彼女らが次に取り掛かるのは、孵化したばかりの幼虫に惜しみなくローヤルゼリー(姉妹ミルク)と呼ばれる栄養分を供給する作業なのです。

授乳を担うハチは、羽化後おおよそ5日〜15日の若い働き蜂。この時期は、ローヤルゼリーを生産するために大量の花粉を消費します。

ローヤルゼリー(姉妹ミルク)って何?

健康食品・栄養補助食品などのコーナーで見かけることのある「ローヤルゼリー」。
栄養価の高いイメージを持つものの、一体それが何なのかあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
ローヤルゼリーとは、若い働き蜂が作り出し、卵から生まれてからみつばちの幼虫が3日間程度、女王蜂が一生涯食べる高栄養価な特別食。

「ミツバチの幼虫は卵から孵化して楽園に到着する」(丸野訳,Tautz,2010)と言われたりするように、羽化するとすぐに与えられ、プールのように浸かることになるのが、ジュース状の高栄養価な食料「ローヤルゼリー」なのです。

ローヤルゼリーに浸かる幼虫たち

そしてそんなローヤルゼリーを作るのは、幼虫たちの母である女王蜂ではなく、姉妹たち。そのため「姉妹ミルク」とも呼ばれます。
素材は花粉と蜂蜜。みつばちが、これらを体内で分解・合成したクリーム状のものが「ローヤルゼリー」です。

ローヤルゼリーは、みつばちにとってミルクにようなもの。主成分は脂肪酸で、色合いもほんのり白っぽく、指先につけて舐めてみるとコッテリとした風味の液体です。

食べ物で変わる身体

幼虫期に与えられるものがローヤルゼリーのみで、花蜜や花粉へと変化しない場合には、幼虫は女王蜂へと成長を遂げていきます。
そう、実は女王蜂か働き蜂かを決めているのは、実は生まれてからの食料なのです。
もちろん、群れが計画的に女王を作り出す場合には、「王台」と呼ばれる女王蜂専用のベッドルームが作られ、そこで出産・育児が行われます(与えられるものはローヤルゼリーのみ)。
しかし、不幸なことがあって女王蜂が死んでしまった場合には、働き蜂の幼虫にローヤルゼリーを与え続けて、女王を製造することも行われるのです。
働き蜂か女王蜂か、その分岐は生まれながらではなく食にあったのです。

授乳から離乳食へ

そんなミツバチが幼虫期に消費する姉妹ミルクは25mg。
生まれてから3日間はすべての幼虫にこのミルクが与えられますが、働き蜂の幼虫は3日がすぎると、与えられるものに含まれる成分が変化していきます。姉妹ミルク100%だったのが、徐々に花粉と蜜が混ざるようになり、最後の齢になると完全にミルクから、花粉や花蜜、蜂蜜へと切り替えられるようです。
なんだかまるで、ミルクから離乳食、幼児食への変化みたいですね。
実際、この姉妹ミルクは哺乳動物の母乳と同じく、免疫力を高める効果を持っています。
幼虫の時期、細菌感染の経路として腸管からの病原体の侵入が挙げられるのですが、姉妹ミルクを摂取することによって、腸管内に入った細菌に対して免疫防御力が発揮されるのです(丸野内訳,Tautz,2010)。

ワーカーゼリー?

3日目まで働き蜂も与えられる姉妹ミルク(ローヤルゼリー)、
実は女王候補と働き蜂の幼虫とでは質に違いがあるのです。

以前、みつばち社会~女王蜂①女王の誕生~でも少し触れましたが、
働き蜂の幼虫用のものは「ワーカーゼリー」とも呼ばれており、ローヤルゼリーではあるものの、女王用に比べると成分の薄いものが与えられているそう。

そして、女王に成るか、働き蜂になるかの分岐点は、ローヤルゼリーを与えられる期間だけではなく、
この姉妹ミルクの組成の違いも影響していると言われております。
組成の中でも、重要なのは「甘味」で、ローヤルゼリーのうち、重量の35%が六炭糖成分だと女王蜂になり、10%では働き蜂になるのだとか(丸野内訳,Tautz,2010)。

雄蜂への扱いはさらに雑?

 

ずんぐりむっくりとした見た目が可愛らしい雄蜂。
他の姉妹たちと比べて体が大きい分、食事量も多いそう。かわいいですね。
働き蜂と同じく3日目までは同じくワーカーゼリーを与えられ、以降は花粉や蜜が混ざったものを与えられるようになるのですが、どうやらワーカーゼリーを与えられている孵化後3日程度の時点ですでに花粉や蜜の混入率が働き蜂に比べて多いようです。
ワーカーゼリーというか、ドローンゼリーとも呼ばれているそう。
働き蜂の方が良いものを食べてるってことかしら。

摂取期間とグレード

ところで一体どこから出してるの?

「授乳」といっても、乳房があるわけではありません。
頭部に「姉妹ミルク」を分泌する腺(下咽頭腺と大顎下腺の)があり、それを、大顎の内側にある腺(大顎腺基部の内側の閉口部)から溢れさせ、顎の先端部に集めて幼虫のいる巣房へと詰め込みます。
これらの腺は、姉妹ミルクを作らなくなったハチでは機能が退縮しているのですが、諸所の理由から再度生産する必要が出てくると、再活性化されるのだとか。
基本的には若いみつばちだけが作るけれど、必要になれば再度作れるようになるなんて、動物社会でもある現象で、なんだか親近感がわきますね。

ただし、外勤を経験した日本みつばちでは、作り出す成分に変化が起きているようです。西洋ミツバチは、外勤経験後もローヤルゼリーの中に含まれる主成分に変化が見られないのに対し、日本みつばちでは、日齢(分業)によって大顎腺成分に変化が起きているみたいですよ。

外勤を経ると変わる主成分

ローヤルゼリー特有の成分であると考えられている不飽和脂肪酸hydroxy-42-decenoic acid(10-HDAと略される)は、Royal Jelly Acid(ローヤルゼリー酸)とも呼ばれています。
外勤蜂化する前は、日本みつばちも西洋ミツバチも10-HDAと10-hydroxydecanoic Acid(10-HDAA)を主成分として生合成するのですが、外勤を担当するようになると、日本みつばちのローヤルゼリー主成分は10-HDAAとなり、10-HDA(ローヤルゼリー酸)は主成分というほどは作られなくなるのです(西洋ミツバチは、外勤蜂化しても主成分は変わりません)。(篠田雅人,中陳静男,1984松山 茂 , 鈴木 隆久 , 笹川 浩美,1998を参照)

 

今日はここまで

今回は、働き蜂の給餌という仕事を見ていきました。
若い蜂たちは蜜や花粉を食べてローヤルゼリーを作り出し、さらに若い妹たちを育てているのですね。
与えられる成分にも女王蜂か働き蜂か雄蜂なのかで違いがあったり、外勤を経験した高齢の蜂だと出せるローヤルゼリーの成分に違いがあったり。
給餌係と言っても、いろいろなことが起きていますね。
さて、給餌係の次はどんなお仕事が待っているのでしょう。
次回もどうぞお楽しみに。

 

参考文献・URL

山田養蜂場
http://honey.3838.com/lifestyle/tanjyou.html

松山 茂 , 鈴木 隆久 , 笹川 浩美,G125 ニホンミツバチApis cerana japonica Rad.の情報化学物質 : ローヤルゼリー中の遊離脂肪酸と働き蜂および女王蜂の大顎腺成分(生理活性物質),1998

http://ci.nii.ac.jp/els/contents110001089377.pdf?id=ART0001245890

篠田雅人,中陳静男,「ローヤルゼリー酸の生物化学」,1984
http://id.nii.ac.jp/1240/00000053/

はい、やっこです!!
http://cerana.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

ローヤルゼリー効果効能.com
http://ローヤルゼリー効果効能.com/index.html

丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

 

みつばち社会〜働き蜂⑤最初の仕事は掃除と温め〜

先週のコラムで書いたように、働き蜂は生まれてからの日数(日齢)に応じて、仕事(役割)が変わっていきます。

それは、働き蜂の体が、日が経つにつれて発達(変化?)していき、体の変化に応じて「できること」と「できなくなること」ができてくるのです。蜜蜂が、何千年~何万年かけて今の状態に進化してきた過程の中で、みつばちの体も変化してきたのかもしれませんね。

(少しわかりにくい表現なのですが、例えば、生まれて3日~10日目くらいは、ローヤルゼリーを生産できるのですが、それ以降になると生産できなくなる。といったかんじ。詳細はおそらく次週のコラムに掲載されます。)

巣の中では、みんなそれぞれ仕事をしています。

今週からは、働き蜂たちの仕事について詳しく見ていこうと思います。

最初のお仕事。

羽化したばかりのみつばちたちは、まだ体もできておらず、できる仕事が限られています。そのなかで、羽化してから3日くらいまでの最初の仕事はお掃除です。
(文献やWEBによっては、5日までと書かれていることもあるので、だいたい3~5日くらいだと思います。)

働き蜂は、自分が蛹から羽化して出たあとの空の巣房などの中にある、蛹から脱皮した皮や巣蓋などを徹底的にきれいに掃除します。

そして、無事に掃除が終わった巣房には女王蜂が新しく卵を産み付けるます。掃除が終わっていない巣房には卵を産まないそうです。

ちなみにどうやって掃除するんでしょうね。
きっと頑張って、ぺろぺろとなめ続けるのかなと思います。
(詳細は文献などでも確認することはできず…)

もう一つのお仕事は蛹を温める

あと、実はあまり知られていないのですが、蛹を温めるという作業もしております。

幼虫を正常に発育させるためには、育児圏の温度を一定に保つことが大切なことなのです。そのため、蜂児の温度を保てるように、羽化して間もない若き働き蜂たちは、女王蜂が卵を産み付けていない空の巣房の中に入って発熱して隣の巣房にいる蛹を温めてあげたり、育児圏の巣蓋の上に数匹が集まって発熱して温めたりしてるそうです。

蜂児たちと巣房

きっとこういう穴の隙間に入って温めているのだと。

この発熱方法は、みつばち特融の方法であり、みつばちの翅の付け根の胸部にある飛翔筋という筋肉を震わせ、エネルギーが発生して、それが熱に変わるそうです。ちなみに、このときは、一時的に飛翔筋を翅から外すので、羽ばたかないそうです。
(人間に例えると、とてもムキムキの人が、ただひたすら胸筋だけを動かしづつけると、そこから熱が発生するというようなイメージですね。)

「翅から外す」とはよくわからないと思いますが、参考にしている文献では、『翅は、飛翔筋に直接つながっておらず、外すことができます。』と書かれています。下図は参考文献を基に作成。
そして、ちなみに昆虫が飛ぶときに使う筋肉は、この飛翔筋と呼ばれるそうで、トンボやチョウなどは羽を筋肉で直接駆動させる『直接飛翔筋駆動』であり、ハチやハエなどは筋肉で胸部外骨格を振動させ間接的に羽を駆動させる『間接飛翔筋駆動』だそうです。

みつばちの飛翔筋

みつばちの断面図

そして、この熱を発生させる方法は、冬越しの時などに行われることで、また、いつかのコラムで詳しく書きますね。

ということで

今週はここまで。羽化から3日くらいまでの働き蜂のお仕事について書きました。そこから派生して、飛翔筋というマニアックな筋肉のことも学ぶことができました。
次回はまた別のお仕事を紹介します。

※みつばちの日数や行動内容については、参考文献やWEBサイトによって詳細は異なってきます。このコラムは、あくまで私自身が調べて、自分で納得のいく内容をまとめて作成しております。

参考文献
フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版ミツバチの一生:http://www.008720.com/mitubacilife.html
ミツバチの生態:http://mitubachi2012.web.fc2.com/page2-8.html

 

みつばち社会〜働き蜂④キャリアパス(日齢分業)〜

さーて、今回は「働き蜂のお仕事」がテーマです。
みなさんご存知の通り、働き蜂はハードワーカー。
その名の通り、生まれてから死ぬまで働いている超・働き者です。
ここまで読んでいる方は承知の通りですが、もちろん全てメスの蜂たち。
コロニーの95%以上を占め、細かく見ていけば約20種類の仕事を分担しているといわれる彼女らの生涯。
生まれてから死ぬまで、どんなキャリアパス(日齢分業)を歩んでいるのか見ていきましょう!

0日目〜4日目 内勤:若バチ期

21日で卵から幼虫、さなぎへと変化し、そして羽化する働き蜂。
羽化して成虫になると早速お仕事が始まります。
若バチ期と呼ばれる時期の、幼い彼女らが初めて取り組む仕事は、
巣房の掃除やロイヤル・コートと呼ばれる女王蜂の発するフェロモンを受け取る集まりに参加するのもこの時期。

群れのミツバチで覆えるくらいが巣の適正サイズ。しっかりお掃除ができることで、病気から群れを守るのです。

4日目〜10日目 内勤:育子期

そして若バチ期から育子期にかけてのお仕事は、
巣室の蓋がけや幼虫への給餌、巣内への送風、
そして徐々に飛行の練習が始まります。

風を送って貯めた蜜を乾かす。この羽ばたきも、飛行のための練習になるのだとか。

10日目〜20日目 内勤:内役期

練習飛行の傍ら、巣の修理や外勤バチからの蜜の受け取り、
スズメバチなどの外敵を警戒して目を光らせる門番役、
そしてちょっとづつ外へと働きに出かけていくようになっていきます。

20日目〜36日目 外勤:外役期

羽化から20日を過ぎると、外での仕事に移り変わっていくようです。
花粉集めや蜜集めに出かけているのはこの時期の蜂が多いようですね。

草地家のみつばち

足には花粉団子をつけて帰ってきたりも

マイクロチップを埋め込んで観察した研究によると、1日に10往復以上するような熱心な個体もいれば、2〜3往復程度の怠惰な個体もいたりと、働き蜂とはいえ性格もいろいろあるそうですよ。
(私たち人間も、彼らと関わる際に、この群れは警戒心が強いとか、穏やかだとか、そういう違いはわかるけど、怠惰だとか熱心だとかはまだ分からないなぁ。いつか分かるようになるかしら。)
働き蜂の生涯がせいぜい4週間程度であることを思うと、人間でいえば50〜80歳くらいといったところでしょうか。
いや、あまり動かない冬季には6ヶ月ほど生きることを思うと、働き盛りで、体力充分、という感じなのか?

日齢分業なミツバチの生き方

働き蜂は名前の通り、一生涯の中で様々な仕事を次々こなしていきます。
子育て、掃除に始まり、巣作り、女王蜂の世話係り、死骸捨て、門番、そして餌集めへと
どんどん仕事が変わっていく、そんな働き蜂の一生。

ミツバチたちは、どうして生まれた日数とともに仕事が変わっていくスタイル(日齢分業)なんだろうか。
生まれて、ちょっとづつ社会のこと、世界のことがわかってきて、そして外の世界へと危険を顧みず働きに出かけていく。体の使い方も、警戒の仕方も、ちょっとづつ分かってきたからこそ遠くまで働きに出かけれらるんだ。
そんな風にも考えられるし、
若いうちは、若さゆえにローヤルゼリーや蜜ろうの分泌が盛んな時期だからどんどん分泌して、年老いて枯れてきたら肉体労働に回りなさいよ、力尽きて死んだらそこまでよ、という判断なのか。
両方ある気もするけど、後者の要素が強いような気も。。
社会性昆虫であるミツバチたちの世界、面白いなぁ。

草地家のみつばち

ということは、採蜜に出かけるこの子たちはおばちゃん、お婆ちゃん世代なのか。

さて、今回は働き蜂の日齢分業について見てみました。
次はさらに詳しく、働き蜂の仕事の現場を見ていく予定です。
みつばちの世界について、ちょっとづつ分かっていくのが私たちにとっても楽しいコラム、
次週も楽しみです。

参考文献
フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ
菅原道夫、2005、『ミツバチ学』、東海大学出版会
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち視察〜東近江市編〜

8月1日の朝来市での視察を終えて、次に向かったのは滋賀県東近江市。
(みつばち視察~朝来市編~はこちら

ということで、視察から1ヵ月過ぎてしまましたが、みつばち視察2日目、東近江市編のレポートです。

滋賀県東近江市で日本みつばちを飼っているのは、はちみつ・みつばち大好きの比嘉さん。約1年前に、大阪駅近くのはっちというはちみつとフリーペーパーのお店で、はっちのメンバーである比嘉さんが主催したみつばちイベントに参加して出会いました。

その後もUmekikiMarcheなどでお世話になりまして、みつばちの現場を見に行きたいですという話をしていたのが、やっと今回実現しました。

 

東近江市愛東地区にある百済寺というお寺の敷地内で、日本みつばちを飼っているということで、案内していただきました。

百済寺は、今から約1400年前に聖徳太子が百済人のために建てたと言われている、とても歴史あるお寺なのです。立派なお寺やお庭をその歴史を踏まえて案内していただいたのですが、写真を撮るのを忘れておりました。

巣箱が置いてある場所へ向かうと、「ごうら」と「重箱式」の2つの巣箱。

「ごうら」は初めて見ました!!ちょっと感動。

「ごうら」は丸太の中をくりぬいて作る巣箱で、日本でもっとも古くから使われている巣箱だと言われています。

日本みつばち

 

ごうらの巣箱

ごうらの巣箱

ごうらの巣箱

小さな入り口からはたくさんのミツバチが行き来していました。

さらに、写真ではわかりにくいかもしれませんが、ここには自然巣もありました。
実は1枚目の写真の真ん中の木(重箱巣箱の右)の洞のところで、みつばちたちが行き来しているのです。木の洞にできている自然巣は始めてい見たので、またまた感動。

木の洞にできた自然巣

 

また、みつばちを通じた環境学習などの取り組みについても教えていただきました。
現在、比嘉さんは、幻の銘酒『百済寺樽』復活プロジェクトを進めており、こちらのプロジェクトにも注目です。

 

これで、今回の2日間の視察は終了。
とても勉強になった2日間でした。

みつばち社会〜働き蜂③蜜蝋を生み出す体〜

みつばちは、巣箱のなかで(もしくは自然界では木の洞の中などで)、蜜蝋を作り、その蜜蝋を使って、ハニカム構造の集合体である巣を作ります。それは、見ての通り寸分の狂いもなく、とても美しいものです。

日本みつばちの巣 日本みつばちの巣

蜂の巣とみつばち 

今回は、その蜜蝋は、体のどこからできているのか、ということを書いていきます。

みつばちの体

これまで2週に渡り、みつばちの体について書いてきました。
外観は見ての通りふわふわのもふもふ。(ルックスについてはこちら

みつばちのルックス 

体の中には蜜胃があり、肢には花粉をつける花粉かごがあり。(体の構造についてはこちら

この体のどこに蝋ができる場所があるのか??

実は、この腹部の後ろあたりに4対で8つの分泌腺(ワックス腺や蝋腺と呼ばれる)があり、そこから蝋が作り出されるのです。ちなみに、蝋が作り出されるお腹の部分は「ワックスミラー」と呼ばれています。ちょっとかっこいい名前です。

みつばちのお腹

分泌されたときは液体ですが、分泌後はすぐに固まり、蝋片と呼ばれる1mmくらいの大きさの透明な鱗状のモノになります。イメージはこんな感じです。

蜜蜂の体からできる蜜蝋

出来立ての蜜蝋は透明で白っぽいのです。
花粉の色素が付着したり、子育てをして、幼虫の脱皮した皮や排泄物が付着することで、黄色く変色したり、強度も増していきます。

 

みつばちは、この分泌した蝋片を後ろ足の節にひっかけて、口元まで運んできます。
そして、大顎でこねられて、大顎線の分泌液と混ざり、みつばちが扱うの適した粘度に調整されるそうです。言い換えると、ガムのように口の中で噛み続けて、唾液と混ぜ合わせながら、柔らかくしているということですね。

みつばちの驚くべき特性。すごいです。

参考にしている文献ではこのように書かれています。人間に例えるとおもしろいです。

これは手工業者に例えると、彼は肋骨の間に、建築素材を汗のように絞り出し、その特徴を顧客の要望を満たすように変えることさえできるのである

引用:丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

 

巣を作るにはどれくらい必要なの?

働き蜂が鱗状の蝋片(蜜蝋)を調整するのに約4分かかると言われています。

そして、この蝋片(蜜蝋)100gで約8,000の巣房を作ることができるそうで、その8,000の巣房を作るためには、125,000の蝋片が使われるそうです。(巣房・・・六角形のハニカムの1つのこと)

よくわからない個数になってきましたね。

ちなみに、中ぐらいの規模の巣の巣房数は、約100,000個だそうで、そのためには、蜜蝋は1,250g必要になり、ということは、1,562,500個の蝋片が必要になるとか・・・。

みつばちはすごい!!

もう、よくわかりません。

 

そして、蜜蝋を作り出すためには、大量のはちみつが必要であり、はちみつ10gに対して、たった1gだけ蜜蝋が分泌されるそうです。

 

作り出せるみつばちは限られている

巣の中で、蝋片を作り出して、巣を作っていくみつばちたち。
実は、この分泌腺から蝋片が体から出るのもピークがあって、参考にしている本では、羽化12日~18日で性能が頂点に達し、その後退化する。と書かれています。
(これは参考にする書物などで違うので、正確な日数などはわかりません。)

 

みつばちのお仕事についてはまたの機会に。
というところで、今回はこれでおしまいです。

参考

丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

山田養蜂場ミツバチ研究支援サイト:https://www.bee-lab.jp/hobeey/hobeeydb/db01/hobeey01_12.html#ac02

みつばち社会〜働き蜂②体の構造〜

日本みつばち

前回は働き蜂のルックスでした。
今回は、モフモフかわいい働き蜂の体の内側、構造について見ていきましょう!

花蜜の持ち運びに最適な体

体の中はこんな感じ

横から見るとこんな感じ。
基本的に、花の蜜を吸って、持って帰ってきて、内勤の蜂に渡すための体の構造になっています。

◆蜂蜜を貯蔵します

流れとしては
①働き蜂は、花を見つけると、
口吻から長い舌を伸ばして花の蜜を採ります。

②そして、口の筋肉を大きく広げることで減圧状態になり、
たくさんの花蜜が口の中に流れ込むそう。(真空吸引)

③花蜜はさらに奥へと流れ込み、今度は下顎頭腺へ。
下顎頭腺では、花蜜を蜂蜜へと変える酵素が作り出されています。

④そこから、食道、蜜胃へと進み、
巣へと戻った時には、蜜を集めに出かけていた働き蜂(採餌バチ)から、内勤の働き蜂へと口移しで渡されて、貯蔵されていきます。
食道では、入り口から出口まで走る筋肉が収縮することで、花蜜を口から胃まで(吐き戻しの際には胃から口まで)送り込みます。
蜜胃では、花蜜の一時保管が行われており、外で花の蜜を集めて貯めておく他、外勤バチから内勤バチが受け取る際にも蜜胃へと貯めて運んでいきます。

◆足についている「花粉かご」

草地家のみつばち

黄色い花粉団子を足につけた姿が可愛い

足に黄色い花粉を丸々とつけたミツバチを見かけたことがある人も多いのでは?
花粉はミツバチにとって貴重な栄養源。
たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを含み、幼虫の成長に欠かせない食べ物です。

働き蜂って、胃には花の蜜を貯め、足には花粉団子をくっつけて朝から夕方まで飛び回るわけですね。

蜂蜜を作るための体

ご覧の通り、ミツバチの体は、蜂蜜を作り巣に貯蔵するための体になっています。
一体どうしてそんな進化をしているのでしょう。

生きていくのに厳しい冬などの季節は、成虫は死に、卵だけが冬を越え、良い季節になれば生まれ、短い生涯を生き、また冬には死ぬ。そんなサイクルで暮らす生き物もあります。

一方、ミツバチは食糧源である花が一時しか咲かない儚いものであるという課題に対して、花蜜を貯蔵できるように蜂蜜へと作り変える能力を手に入れ、越冬することを選びました。

結果として、ミツバチはさながら「蜂蜜製造機」のような体になっているわけです。

ということで

今回は、蜂蜜製造機のようなミツバチの一面を見ていきました。
モフモフ可愛い体の内側にはあんな構造が詰まっていたんですね。
今回は蜜ろうについて触れることができなかったので、その辺りはまた次回!

 

参考文献
フォーガス・チャドウィック、2017、『ミツバチの教科書』、株式会社エクスナレッジ

みつばち社会〜働き蜂①ルックス〜

お花畑やお家の花壇などで、モフモフしてみつばちが飛んできて、体や足に花粉をつけて花から花へ飛び回る。そんな働き蜂たちの仕草を見ていると、なんだかとても癒されますね。

みつばちと花粉

かぼちゃの花に寄ってきたみつばち。足と羽にはたっぷりと花粉。

ということで、6回にわたってお送りした女王蜂シリーズが終わり、今週からは働き蜂について、より深く解像度を上げていきたいと思います。

これまでのコラムで書いたこともありますが、1つの群れの中には、数千~数万匹の働き蜂がいて、門番や世話係り、巣を作ったり、蜜を集めたり、様々な役割があります。
(それぞれの役割はどうやって決まっているのか?ということはまた後日)

今週は、働き蜂のルックスについてみていきます。
(女王蜂の時はシリーズの最後だったのですが、今回は初めに持ってきました。)

働き蜂のルックス

見た目はご覧の通り、全体的にモフモフしています。
イメージをつけやすいように写真とイラストを並べてみました。

昆虫の体の構造である、頭・胸・腹に分かれております。肢は3対で6本、羽は4枚。

そして、このモフモフ。剛毛というそうで、体をクッションのように守り、保温するということだけではないとのこと。例えば、首のまわりをふかふかした毛で覆っているが、これも毛の形をした感覚器(センサー)の一種で、頭にかかる重力の方向を知るのには欠かせないものらしいです※。

みつばちのルックス 働き蜂イラスト

目は3つの単眼、2つの複眼があるそうです。正面から見たときのイメージ図はこちら。

みつばち正面

正面からみたイメージ

それぞれの眼の機能については、きっと調べると面白いと思うのですが、みつばちというか、昆虫のことでマニアックになれそうなので今回は辞めておきます。

日本みつばちとセイヨウミツバチ

2種類のみつばちは全然見た目が違っています。その違いを写真で。

日本みつばちとセイヨウミツバチ 日本みつばちとセイヨウミツバチ

日本みつばちの方が黒っぽくて、セイヨウミツバチの方が黄色みが多いかんじ。
直接、目にしたら、大きさの違いもわかります。

参考までに
日本みつばちは体長10~13mm、体重65mg~90mg
セイヨウミツバチは体長12~14mm、体重80~150mg
と大きさも全然違います。

 

今回は

働き蜂シリーズのイントロダクションとそのルックスでした。

みつばちのルックスについて、写真とイラストを多めに書きました。
写真を多めにしたことで、感覚的に捉えていただきやすいかなと思いまして。

というのは、言い訳です。本当は、みつばちの体の構造とか、どこに蜜を貯めるとか、蜜蝋っていう蝋を体のどの部分から出すとか…もっといろいろ、長めにマニアックにに書いていくつもりだったのですが、いろいろ立て込んでいて手が回らず…。またの機会にします。

※参考文献
尼川タイサク、2013、『マキノの庭のミツバチの国』、西日本出版社
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部

みつばち視察〜朝来市編〜

8月1日~2日にかけての二日間。
兵庫県朝来市と滋賀県東近江市に行き、養蜂に取り組んでいる同年代の方に会いに行ってきました。同年代って少ないので、なんだかうれしいのです。

ということで、朝来市編。

朝来市山東町与布土地区で様々な取り組みをしている西村さん。
そのなかの一つが「与布土みつばちプロジェクト」。
(与布土みつばちプロジェクトのFBページはこちら

まずは、最初に、地域自治協議会の建物へ。
朝来市のこと、与布土のこと、西村さんの取り組みのことなどお話を聞き、そして、養蜂を始めたきっかけやどうやって養蜂ができる場所を見つけたのかなどのご質問もさせていただきました。

そして、午後から現場へ。

山際の段々畑になっている不耕作地を活用して、ヘアリーベッチやひまわりを植えて蜜源づくりに取り組んでいます。このひまわりも一部は地元のこども園のこどもたちと一緒に植えたり、また、子供たちとみつばち観察をやったりと素敵な企画に取り組んでいます。

ヒマワリ畑

幹線道路で、車からはきれいなヒマワリ畑が見えます。

ひまわり畑の畦を歩いていると、ひまわりの花によって来るみつばちも。

ヒマワリとみつばち

ヒマワリ畑とセイヨウミツバチ

西村さんは、不耕作地と山の境目にセイヨウミツバチと日本みつばちの両方を飼っており、ほぼ独学で学び、蜂のことを見ながら、トライ&エラーの繰り返しだそうです。

日本みつばちの巣箱は山の木陰など、直接日が当たらないところに置くのですが、この場所は山の中にクマや猪がいるため、山の中に置けないということで、日本みつばちは単管パイプを組んで、日よけネットで囲われています。

養蜂

西村さんの養蜂現場

手作りの重箱式巣箱。今年の分蜂で捕まえたそうな。そして、朝来市は寒いので巣箱の木が厚いとか。

日本みつばちの巣箱

説明してくれる西村さん

そのあと、セイヨウミツバチの巣箱も見せていただきました。普段、日本みつばちしか見ない私にとって、セイヨウミツバチはとても新鮮で、そして、みつばちはやっぱり可愛い。見た目は、とても黄色くて、日本みつばちよりもちょっと大き目。

セイヨウミツバチ

セイヨウミツバチの巣箱

セイヨウミツバチ

暑いので外に出ているそうです。

日本みつばちと比べて、セイヨウミツバチの方が攻撃的だと言われているのですが、この日はみつばちたちの機嫌がよかったということだそうで、覆面布や手袋をしなくて、そのままで持ち上げても大丈夫でした。

上には蜜で、下は子育て。はっきりとくっきりと分かれていました。ちょっとだけ巣のはちみつをそのままペロリとさせていただきました。

セイヨウミツバチ

養蜂っぽいこのかんじ

女王蜂も見せていただきました。わかりますかね、真ん中にいる少し大きめのシマシマのない蜂です。

セイヨウミツバチの女王蜂

真ん中の大きいのが女王蜂

 

ほんと、いろいろと勉強になりました。

西村さん、ご丁寧にいろんなことを教えていただき、本当にありがとうございました。
今後も情報交換や連携ができたらいいなって思って考え中です。

 

頑張って、東近江市編も書いていきます。

みつばち社会〜女王蜂⑥ルックス〜

女王蜂シリーズ、ついに6回目までやってきました。
ここまで「女王蜂」「女王蜂」と書いてきましたが、
「女王蜂」を見たことはありますか?
働き蜂は、春になるとせっせと花蜜を集めに飛び回るし、
苺ハウスでも働いているので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。 

たくさんの栄養を与えられた女王蜂、
きっと働き蜂よりも大きいんだろうな、という想像はできると思います。
まさにその通りなのですが、今回は少し詳しく書いていきます。

働き蜂と比べて大きく、 長身で黒めな女王のルックスに注目です!
と書きたいところですが手持ちの女王蜂の写真を探してみたところ西洋ミツバチの女王と、死んでしまった日本みつばちの女王のみ。
写真はまたいつか掲載したいと思います。。。涙

ルックス

写真を撮れていないので、今回はシルエットで

何万といる群れの中でも一際目を惹く女王蜂。

体の大きさが他の働き蜂と違うのはもちろんですが、
女王蜂の外見で何より特徴的なのは、その腹部。
長くて太い立派な腹部には、1日2000個も卵を産むための産卵器官が備わっており、
交尾を終えて産卵可能な体になった女王蜂の腹部は、未交尾の女王の腹部と随分太さが異なるそう。
また、腹部が細長いのも、卵を産みつける際、巣房に差し込みやすいため。

そして、ミツバチといえば、
針に返しが付いており、相手を刺すとき、針もろとも自身の内臓までもが自分の体から抜けてしまい、死んでしまう儚い生き物。
しかし、女王蜂には針に返しが付いていません。
刺そうと思えば何度でも刺すことができるわけですが、女王が針を使うのは生まれたとき、他の女王候補を殺すときのみ。

すべては群れに1匹のみで、卵を産み続ける使命を持った女王ならではの仕様ですね。
ちなみに、日本みつばちと西洋ミツバチでは、腹部の色が違うので初めてみると感動しますよ。
日本みつばちの女王は腹部が黒く、全体的に黒っぽい印象。
対して西洋ミツバチの女王は黄色やオレンジいろっぽい腹部で、全体的に黄色っぽい華やかな印象。
最近、若手の養蜂家仲間のところへ行った時に西洋ミツバチを見せてもらったのですが、女王蜂が見事なオレンジ色の腹部で、これまで写真などで見ていたもののやはり目の前でみると、随分違うなぁ、と感動でした。

 

みつばちの寸法

さて、今度は数値で見てみましょう。
『ニホンミツバチの飼育法と生態』(吉田,2000)の表を参考に、日本みつばちの女王蜂と働き蜂、雄蜂を比較して見ていきます。

  女王蜂 働き蜂 雄蜂
体長 13~17mm 10~13mm 12~13mm
体重 150~210mg 65~90mg 120mg
卵巣小管数 135 12
生育期間(卵〜成虫) 15日間 19日間 21日間

(『ニホンミツバチの飼育法と生態』(吉田,2000)p.102表1ニホンミツバチとトウヨウミツバチの形態・整理の相違点より一部抜粋)

まず体長、すらりと腹部が長い女王蜂は13~17mm、
働き蜂や雄蜂と比べると1.25~1.5倍程度あります。
女王と出会う機会は多くありませんが、群れの中で動く姿は一際目を引く立派なものです。
体重は、雄蜂と比べると約1.25~1.75倍、働き蜂に至っては約2.3~3.23倍、女王蜂の貫禄が伺えますね。体重増加の速度もすごいものですね。たった5日間で1000倍になっていて、人間に換算すると生後5日の新生児の体重が3.5トンということになるわけです。

早い成長

そんな大きく立派な女王蜂ですが生育期間は雄蜂や働き蜂の4分の3程度。
女王蜂の初仕事の回でも少し触れましたが、女王蜂は15日で羽化するのです。
女王蜂の発生が他に比べて早い理由としては、若い女王蜂間での時間競争のためではないかと言われたりもする。つまり、女王蜂は生まれた時の初仕事として他の女王候補を抹殺するか、働き蜂のいくらかを引き連れて巣別れ(分蜂)するか、という選択を突き付けられる。
そうした中では少しでも早く生まれる方が生き残る上で有利。

でも、そんな生存のために女王が早く生まれるように進化したなんてことあるんでしょうか。
素人の私としては、ずっとローヤルゼリーという特別なエサをもらい続けているから成長も早いんでは?なんて思っちゃいます。どうなんやろ。

ということで

約2ヶ月続いた女王蜂シリーズも、今回で終了!(たぶん)
来週からは新シリーズが始まりますよ。
どうぞお楽しみに。私たちも新たな側面から彼女らの生態に迫るのが楽しみです。

今日はなんの日?83の日!

8月3日といえば、そう、はちみつの日。
みつばちの日(3月8日)があれば、はちみつの日もあるのです。
全日本はちみつ協同組合と、日本養蜂はちみつ協会が1985年に作ったのが始まりだそう。
よく似た名前の団体が仲良く制定するなんて何だか意外。
それはさておき、今日は蜂蜜と日本人との関わりを少しご紹介しましょう。
日本でみつばちのことが史上に出てくるのは『日本書紀』の627年のくだり。養蜂も試みていたようですが、なかなか難しかったようです。その後、奈良時代には三韓からの献上品として記述があったり。
さらに平安時代の日本、蜂蜜は宮中への献上品に使われるような貴重品だったそう。
さらにさらに江戸時代には家康の孫娘「千姫」が嫁入りの際に絹や金百貫などとともに蜂蜜を持参していたとも。

そんな私たちの暮らしと古くから関わってきた蜂蜜、時にはそんな歴史に思いを馳せてパクリと食べるのも良いかもしれませんね。

みつばち社会~女王蜂⑤女王不在の無王群〜

女王蜂シリーズもなんと今回で5回目。
今回は無王群についてのお話です。

無王群とは

これまで、何度も出てきているように、1つの群れには、女王蜂が1匹だけ。
群れの中は、あとは、たくさんの働き蜂と全体の1割程度の雄蜂で構成されています。

ただ、何らかの理由で、そのたった1匹しかいない女王蜂がいなくなってしまった群れを、その名のとおり無王群と言います。

いつ、女王はいなくなるの・・・?

前回のコラムで書いたように、女王蜂は、生きている間はほぼ巣の中で、群れの反映のために卵を産み続けます。

では、どの段階でいなくなってしまうことがあるのか??

これまでのコラムの中で、女王蜂が生まれてから行動を思い返してみてください。

女王が外に出ていくタイミングを。

 

 

そう、新しく生まれてきた女王が交尾のために空へ出かけたときなのです。
(他にもいなくなるタイミングがあるかもしれませんが、調べた限りはこのタイミングがほぼ要因)

新しい女王蜂が羽化して約1週間。お付きの働き蜂(20匹程度)に護衛された女王は交尾のため、生まれて初めて空に飛び立ちます。(詳しくはこちらに書いています。)

そして、実は、その空は危険な場所でもあるのです。

これを人間に例えると、箱入りで育ってきたお嬢様がお付きの人を20人引き連れて初めてまちに行って、お目当ての男性を探しに行っているっていう感じですね。しかし、お付きの人がボディーガードの役割ではなくて、何かあっても見ているだけであり、そして、弱っちいのです。こんんかなんじで、そりゃ、危険ですよね。

交尾のための雄蜂たちがいるところに向かっているのですが、危険な空では、突然、鳥に襲われて、食べられてしまい命を失うことも…。他にも何らかの外的要因があって女王が死んでしまうことがあるそうです。

蜜蜂と鳥

きっとこんなイメージ

 

女王がいなくなるということは。

交尾飛行で3日程度で巣箱に帰ってくるはずの女王が帰ってこない。群れの中では大問題。群れの存続危機なのです!!

分蜂直後の群れは、巣の中に卵もありません。もし、巣の中に卵があれば、女王蜂が返ってこないことを知った働き蜂たちが変成王台を作って、これから生まれてくるだろう幼虫にローヤルゼリーを与えて、新しい女王蜂に仕立て上げることもできるのですが、そういうことも難しいのです。(ちなみに無王群になると、セイヨウミツバチはこのような変成王台を作るのですが、日本みつばちは変成王台ができにくいそうです。)

そして、4~5日すると、雌である働き蜂たちが産卵を始めるのです。

通常であれば、女王蜂のフェロモンで産卵を抑制されているのですが、女王蜂がいないため、そのフェロモンの効果がなくります。そうすると、働き蜂が産卵できる体になり、群れの存続のため、産卵をするのです。(女王のフェロモンについてのコラムはこちら

そして、なんと、いつも参考にしている文献によると、産卵する働き蜂は腹部にある黄色のバンドが消失して黒く光るようになるそうです。見た目まで変わってしまうなんて…。

働き蜂が産む卵

通常、女王蜂は、巣房のなかに、卵を1つ1つ産みつけるのに対して、働き蜂が産卵した場合は、巣房の中に数個から数十個の卵を産み付けるそうです。

巣房

 

そして、何より、働き蜂は交尾していないため、無精卵しか産むことができないのです。
無精卵からは雄蜂しか生まれません。

ということは、巣房には1個ではなく、たくさんの卵なので、そこから、小さな雄蜂が羽化するのです。

 

群れの中では、小さな雄蜂が増えるが、働き蜂たちが増えずに減っていく一方。

それでも、雄蜂は特に何もしない。働き蜂は働くけども、個体数は減っていく。

そこからはご想像できるかと思いますが、最終的には消滅するしかないのです。

悲しいかな、女王がいなくなった群れは自然の中では生きていけないのです。

(私は詳しくは知らないのですが、セイヨウミツバチの場合は対策などがあるそうです。)

今回のまとめ

女王不在の無王群について書きました。

無王群になる要因はほかにもあるようですが、様々な書籍やネットの情報を調べてみた結果、鳥に食べられる以外の要因については、詳しくは書かれていませんでした。きっと春の時期なので、スズメバチもそんなにいないし、蜘蛛の巣あまりないし、ほかにはどういう要因なのかな~って考えてみましたが、まだまだ勉強不足で私にはよくわかりませんでした。

あとは、人間世界に例えてみてみるのも面白いですね。
無王群の最期については、男は増えても何もしないので、男だけでは生きられない…。そんな社会なのです。

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

地域の草刈りへ~神代浦壁~

今日も地域のおじいちゃんたちと草刈り。
朝7時の日差しが強くないうちに始めます。ため池の近くの斜面などを約2時間。
大人数なので、すごい速さで草刈りが進んでいきます。

草刈り

 

ため池近くの畦や草むらの草刈りを終え、ふと、みなさんの草刈り機を見てみると、草刈り機にはたくさんの釣り糸が絡まっていました。
実は、この地域は昔から休日になるとブラックバス釣りなどでたくさんの人が来ます。
(今日も朝9時にはすでに「なにわ」ナンバーの車など淡路島島外の車が5台くらいありました。)

あるおじいちゃんが
「釣りをするのはええんやけど、マナーは守ってもらわんとな。釣りやっとる人はわしらが草刈りしとることも知らんだろうな」とつぶやいていました。

マナーを守る、ルール守るっていうのは当たり前のこと。そして、もちろん環境よくない。それに加えて、釣り糸は切れにくいので、絡まったり、引っかかったりと危ないのです。(草刈り機にもよくない。深く絡むと故障の原因に…。)
しっかりと守ってほしいですね。

そして、そして、草刈りの最後はみんなでスイカ。
甘くて冷たいスイカ。体の中に染みこんでいきました。それにしてもこのサイズ。1人1つ、みんなこれを簡単に食べきっていました。私は1つでおなかいっぱいになったのですが、「若いんやから」って言われて、プラス1つ。

草刈り後のスイカ

今日もそんな朝でした。

ちなみに、お昼はみなさんで食事へ。
急遽、一人欠席で、お膳が1つ余っていまして。
「若いんやから」ということで、ここでもプラス1つでした。

みつばち社会~女王蜂④卵を産む〜

さて、今回は女王蜂の重要な仕事「産卵」について見ていきましょう。

前回のコラムで、女王は自身の分泌するフェロモンによって、
群れの他の雌蜂である働き蜂の生殖や産卵を抑制し、
働き蜂としての労働を促すことについて少し触れました。
みつばち社会では基本的に女王だけが卵を産み、群れを大きくする仕事に従事します。

一体どれくらい産んでるの?

女王蜂は、巣房1つにつき1つの卵をせっせと産んでいきます。
その数、1日1000個から2000個。
大きさは約5.5mm、体重に等しい重量の卵を1分間に1〜2個産み続けているという。
人間でいえば1日20人の子供を一夏中産み続けるようなものだそうな。ううむ。

みつばちの卵

見事なハニカム構造と卵

巣房のサイズが産み分けを決める

毎日たくさん産みつけられ、育児係に世話され育っていくみつばちたち。
その大半は働き蜂=メス。
そして生殖のみを担うオスの蜂は群れに10%程度。
この産み分けはどのようにして行われているのかというと、
体(貯精嚢)に蓄えた精子を使うか、使わないかの調整によって行われるのです。
みつばちは、精子を使わない無精卵ではオスが生まれ、有精卵ではメスが生まれる。
そして精子を使う・使わないというのは巣房のサイズによってコントロールされている。
小さめサイズの巣房(約4.7mm)には、女王蜂が腰を曲げるようにして産みつけ、
大きめサイズの巣房(約5.4mm)には、腰を曲げることなく産みつける。
この、小さな巣房=腰を曲げた方には有精卵(メス)、大きな巣房には無精卵(オス)が生まれることになる。

オスの方が体が大きいため、羽化前の上蓋も膨らんでいる。上蓋が平たい方がメスの巣房。

お付きの者たちによる産卵補助

巣房のサイズによって、産みつける卵の精子の有無が変わり、性別が変わる日本みつばち。
その群れの成員を決定する重要なポイントは巣房のサイズ、
そしてそれを作る作業に従事しているのは働き蜂というわけで、
じわじわと「女王といっても結局のところ、働き蜂にコントロールされておるのでは…」という感じがしているのは私だけではないのでは。
さて、生殖のための飛行の際、お付きの者たちに付き添われていた女王蜂ですが、
巣房に産みつける際にも世話係の働き蜂たちが活躍します。
女王は産卵時、巣房に下半身の先端を差し入れます。
その際、お付きの働き蜂たちは、女王が巣房へと正確に差し入れることができるように、サポートするのです。

「オーライ、オーライ!ストーップ!」という感じか?(Jurgen、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』p144を参考に作成)

サポートというと聞こえは良いけれど、
働き蜂に管理されていると言えなくもないような気も。

Jurgen(2010)には、

もし小さな直径の巣房にあたれば雌の個体に育つ受精卵を生み,もし大きな直径の巣房を見つけると雄蜂に育つ未受精卵を産む.数少ない精子の卵への接近を許すか,これを妨げるか調整できる女王バチの正規の仕組みは非常に精度が高いに違いない.しかし,子孫の性を決定しているのは女王バチではなく,それに対する決定は集団が行っている.女王バチは単なる実行器官である.

なんて言われたりしています。

卵巣の数が少ない日本みつばちの女王

日本みつばちの女王蜂の卵巣小菅数(左右に存在する卵巣の合計)は約135本、
一方セイヨウミツバチの女王蜂は約275本。
なんと倍近くの開きがあるわけですね。
この卵巣の数は、産卵数の多さを示しており、
日本みつばちよりもセイヨウミツバチの女王バチの方が産卵数が多いことを示しているのだそう。
また、群れのサイズの違いも、これに起因していると考えられているそうですよ。

ということで

今回は女王蜂の産卵について見ていきました。
生涯せっせと卵を産み続ける女王蜂に、フォローするお付きの働き蜂。
生殖の際にも感じましたが、女王蜂とお供の蜂たちの関係はなんだかとっても人間臭い。
もちろん人とはいろいろ違うんだけど、
一族の繁栄のためにトップ(女王)も補佐役(お付きの働き蜂)も一生懸命なところを見ているとなんだかドラマを感じてしまう筆者なのでした。

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばち社会~女王蜂③フェロモンでメロメロ~

今回は、女王蜂のフェロモンのお話。

以前、みつばちコラムで、みつばちは「社会性昆虫」であるというお話を書きました。
みつばちたちの社会では、1つの集団を作り、女王蜂が1匹、働き蜂が数千〜数万、生殖の時期には雄蜂が2,000~3,000匹が、階級社会の形成して、維持しているという社会です。これはみつばちのカーストとも呼ばれます。(詳しくは日本みつばちの社会〜プロローグ〜を参照)

この社会を形成して、維持できているのは、女王蜂の大顎線(おおあごせん)というところから分泌される「9-オキソデン酸」を主成分とする女王物質と呼ばれるフェロモンがあるからなのです。

9-オキソデセン酸

学者さんの世界ではこのように示されるそうです。私には、何が何なのか全くわかりません。

 

フェロモンによる影響

この女王物質が働き蜂と雄蜂にそれぞれとても大きな影響を与えます。

働き蜂にはこんな効果が。

●働き蜂の卵巣の発達を抑制する
働き蜂もメスなので卵を産むことができます。ただ、この女王物質によって、卵を産むことができない状態になっています。そして、働き蜂としての労働を促すのだと。
(実は、働き蜂も卵を産む機会があるので、またそれは別の機会にご説明します。)

●王台を作らせないようにする
女王蜂自身が、「私はまだまだ元気だから、新しい女王はいらないよ。」っていうことで。まだ新女王のため王台を作らせないのです。逆に言えば、それは、今の女王がいる群れが安泰っていうことを示しています。

雄蜂には

前回のコラムで書いた空中で雄蜂と交尾に出かけた際に、雄蜂を引き寄せるためのにおい物質として発散して、雄蜂を誘引するための性フェロモンとしての機能もあるそうです。

 

フェロモンはどうやって伝わるの??

女王蜂は常に、たくさんのお付きのみつばちたちに囲まれて暮らしています。そのお付きのみつばちたちが女王の体をなめて、触覚で触れて、女王物質であるフェロモンを受け取ります。

その後、女王フェロモンのついた働き蜂たちが、ほかの働き蜂たちと口移しで蜜を交換したり、接触することで、働き蜂全体にフェロモンが広がっていきます。フェロモンが行き渡ることで、女王蜂の存在やその状態についての情報が伝わっていくのです。

フェロモンの効き目が…

女王蜂も年老いていくと、女王物質が分泌量が少なくなったり、分泌できなくなったりなっていきます。そうなれば、実は、群れのなかでは一大事なのです。

働き蜂たちは女王フェロモンの魔法が解けるのです。魔法が解けた働き蜂たちは、卵の数が少ないことに気づき、このままでは群れ全体が存続の危機であるということに気づくのです。そして、新しい女王を迎えるための王台を作り始めるのです。新しい女王が生まれれば、今いる年老いた女王は追い出されてしまいます…。

また、群が大きくなり過ぎると、群れ全体に女王物質がいきわたらないことがあります。その時もまた、新しい王台ができて、新女王が生まれる前に、現女王は働き蜂を半分連れて、自ら巣を離れていくのです。(分蜂についてはこちら

 

※参考 女王物質(フェロモン)とローヤルゼリーの関係
このページによると、働き蜂が作るローヤルゼリーの中には、女王物質の成分も含まれているということで、女王蜂が出した女王物質は、女王が食べる食事(ローヤルゼリー)を介して、また女王に返送されるということです。女王物質は、女王蜂と働き蜂の間でぐるぐると循環しているそうです。

参考URL:http://www.setsunan.ac.jp/~p-tennen/HTML-file/kenkyu/kenkyu-bottom1/kenkyu1.html

 

これで終わり

今日はフェロモンのお話でした。フェロモンって目に見えないし、どちらかといえば香りの世界が近いかなと思います。ただ、香りであっても、私たちには、みつばちの出しているフェロモンがどんなものなのか、っていうのは感じることはできません。本を片手に、WEBで調べながら、少しでもわかりやすくと思い書いていました。ただ、やっぱりどうしても文字が多くなってしまいます。なので、最後に自作のみつばちのイラストを載せてみました。(このコラムの内容とは関係ありません。)
はち

参考文献
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版
坂本文夫、2016、『ハチ博士のミツバチコラム』、京都ニホンミツバチ研究所

みつばち社会~女王蜂②最初の仕事~

群れに1匹だけの女王蜂。
生まれる前から、ゆりかごとなる巣房も、与えられる栄養も特別。
特別な彼女には、特別な使命が課せられているのです。
女王の過酷な運命とハードワーカーな生涯を見ていきましょう。

生まれてはじめてのお仕事―死闘―

特別なゆりかご「王台」に産み付けられ、
特別な食事「ローヤルゼリー」を与えられること15日。
いよいよ自分で巣房を破って誕生です。

女王誕生(『みつばちの世界』より引用)

さて、生まれたばかりといっても、ゆっくりしてはいられません。
自分で巣房から出てきたときから、みつばちは、もう一人前。
女王として群れを引っ張っていかねばなりません。
新女王が誕生するときには、母である旧女王は群れの半分の働き蜂と共に去ってしまっているのです。(旧女王の旅立ちは、新女王誕生の前日に行われるのだそう)

残った働き蜂たちは、新女王の誕生を、今か今かと待ち望んでいたのですから、
女王誕生は大変な喜びでしょう。
「女王が誕生したぞ。万歳!」といったところでしょうか。

「誕生したばかりだけれど、女王として頑張ろう」
そう意気込んでまず取り組む仕事は、自分以外の女王候補の抹殺です。(うーむ)
女王は群れに1匹のみ。
しかし、というか、だからこそというべきか、女王候補は複数作られるのです。
旧女王が群れを去ったあと、何かあって新女王が誕生しないとお家の一大事。
とはいえ、女王が何匹も存在するわけにもいきません。
だから、先に生まれた女王は後から出てきうる妹たちが巣房から出てくる前に噛みついて巣房に穴を開け、働き蜂が中から女王候補を引きづり出して噛み殺してしまうわけです。(セイヨウミツバチでは上記のようなことが観察されており、日本みつばちでも穴の開いた王台がたびたび見られるため、同様のことが起きていると考えられます)

とはいえ、もしも、同時に女王が誕生してしまった場合は、そう簡単にはいきません。
互いに死闘を繰り広げ、どちらかが死ぬまで戦いは続きます。
その際に足や羽が傷ついてしまうことも…。

姉妹による死闘(『みつばちの世界』より引用)

しかし群れにとっても大事な女王の体。傷つくのは生産的ではない。
貴重な女王という存在。
そこで抹殺することも死闘も回避する、という策も多々取られるようです。
それは、女王蜂同士の振動による会話によるものだそう。
先に巣房から出た女王は「プゥーと笛を」吹き、そのシグナルによって、次に羽化する女王を助けていた働き蜂は動きを止める。そして次の女王候補は「キィキィ」という答えを返す。そうしたやり取りによって、次の女王は羽化を遅らせ、先に羽化していた女王は群れの3分の2を連れて分蜂する。
そんなやり取りもあるのだとか。

そして交尾のため空へ

無事に巣の中を平定したあとは、いよいよ本業。
女王蜂の重要任務は産卵です。
羽化から約1週間後、14時頃、お付きの働き蜂(20匹程度)に護衛されながら、女王は交尾のため空に飛び立ちます。

女王とお付きの者(『みつばちの世界』より引用)

「婚姻飛行」(あるいは「交尾飛行」とも)と呼ばれる通り、みつばちの交尾は空高く上空で行われます。
女王はここで複数の雄と交尾し、複数の遺伝子をもった精子を持ち帰り、生涯をかけて産卵していきます。
(交尾相手の数は、セイヨウミツバチでは20匹弱、日本みつばちでは10匹くらいと言われたりするものの、正確には不明)

ここでちょっと驚くのですが、みつばちは精子を「貯精嚢」という器官にに貯蔵しておいて、毎回ちょっとづつ使っていくことが可能なんだそう。なんて便利。(しかも男女の産み分けも自由自在)

1匹の雄蜂が渡すことのできる精子の量は最大1100個、
女王蜂の貯精嚢に貯めることができるのは最大600万個。
この貯精嚢に次々と異なる雄蜂の精子が入り、混ざることで遺伝子の多様性も確保されていくことになります。

人間も精子バンクを作って貯蔵したりなど試みてはいますが、みつばちは常温で3年もの期間保存が可能だなんてなかなかすごいなぁと関心してしまいます。

さて、そして、「婚姻飛行」なんてロマンチックな呼び方をされるこの交尾ですが、行われていることはなかなかハード。
オスたちは文字通り、決死の覚悟で交尾に臨みます。
女王蜂は空高く舞いあがり、オスを誘因するフェロモンを放出。オスは引き寄せられるように寄っていき、先を争って女王を捕まえ、交尾をします。
しかし、女王を捕まえたら最後、オスは死ぬまで女王から離れることができません。

オスは生殖器を女王の生殖器に挿入すると、挿入器の内嚢の半分を裏返し、
そして力尽き、マヒ状態になって女王に挿入したままぶら下がる。
女王は自身で腹部筋を収縮させることにより圧を加え、内嚢のもう半分を裏返し、精子を自身の膣に送り込みます。
その圧の強さのあまり、上空でオスがパチンと音を立てて弾けてしまうこともあるのだとか。

パワフル…!

ロマンチックどころではなさそうです。
周りの雄蜂は、目の前でそうした事態が起こっていても、お構いなし。
女王の膣に残った他の雄蜂の生殖器を口で引きずり出し、交尾、というのを次々と繰り返し、女王が「よし、これで帰って産卵に専念するか」となれば終了です。

こうした一連のことは、普通はわずか2〜3分で行われるという(長いと1時間ということもあるようだけれど)。
来た時と同じようにお付きの働き蜂に守られながら戻ってきた女王蜂は、巣の働き蜂に迎えられ、腹部先端に残ったままになっている最後に交尾をした雄の生殖器(「交尾標識」と呼ばれる)を働き蜂に外してもらい、帰巣します。

交尾の標(『みつばちの世界』より引用)

迎え入れられる女王蜂(『みつばちの世界』より引用)

こうして精子を蓄えた女王蜂は、2〜3日後から、群れを増やし、維持していくために卵を産み続けていくわけです。

生涯に約100万個もの卵を産むという女王の平均寿命は平均2〜4年。
約3年程度なので、1年間に30万個と考えると、1日あたり30万÷365日=830個、
しかし、最盛期には1日2000個以上の卵を産むことができるという。
1つ1つの巣房にせっせと生み続ける女王蜂。
想像するだけでなんとも大変そうな。。

ということで

さて、今回は女王蜂のハードな初仕事についての回でした。
卵として生まれてから15日(セイヨウミツバチは16日かかるので、日本みつばちは1日早く羽化する)+羽化して1週間の間に、群れを治めたり交尾を終えたり色々あるわけですね。
なお、お付きのみつばちたちは何をしているのかというと、
交尾に不適格な雄を追い回して近づけないようにする、とか
周囲の環境を熟知しているため外界を知らない女王蜂をリードして道案内することで
不用意に外界を飛ぶ時間を短縮し外敵(鳥によって食べられるなど)から守る、とか
色々な説があるようです。

うーむ、しかし今回は写真が引用ばかりになってしまいました。
イラストとか何かで頑張りたかったものの力及ばず。
次からはその辺もなんとかできればと思いますー。

 

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

みつばちの卵を見つける

最近は、梅雨っぽい雨や曇りでじめじめした日々が続いています。

そんな梅雨の合間、昨日はめずらしく晴れたので山へ行ってきました。

ミツバチに刺されないようにということとやぶ蚊が多いということで、
長袖、長ズボン、ゴム手袋、頭にはネット付きの帽子。
湿度の高い山の中にいるだけで、汗が止まりません…。
手袋を外した途端に、やぶ蚊に刺されてしまうので、現場の写真が撮れない。

山では、
まずは巣箱の掃除。

底板には、くねくねとスムシが動いていたり、大きな蛾が死んでいたり、
みつばちたちが自分たちで壊した巣のかけらがあったり。
(底板や中蓋の中には、隙間などの見えないところにスムシが潜んでいるので要注意。)

それらを丁寧に取り除いてあげます。

その後、巣箱を持ち上げてみて、どれくらい蜜を集めているのかということを感覚的に感じていきます。継ぎ足しの時期などを頭に入れていきます。

 

そんななか、巣箱の中を掃除しているときに、底板の上に落ちていた巣のかけら。
かたちがあまりに美しかったので、持って帰ってきました。
ミツバチの巣

この巣をじっくりと見つめていると、白くて丸くて、卵のようなものが。
みつばちの卵

見えますかね~?この写真の中の、白くて、細長いモノ。
これ、実はみつばちの卵なのです。
サイズは1mm~2mmくらい。

もう、この卵は幼虫に孵ることはないのですが、
本来であれば、卵から19日で幼虫、蛹を経て、羽化して成虫である働き蜂になります。

巣の中では、女王蜂が一日1000個以上の卵を産むと言われています。
そのため、巣の中にはたくさんの卵があるのですが、あまり直接見ることのない貴重なものなのです。

不意に見つかった卵に、ちょっとテンションが上がりました。

 

ちなみに、夕方、ズボンの隙間に蜂が入ってしまい、膝小僧を刺されてしまいました…。

みつばち社会~女王蜂①女王の誕生~

先週はみつばちコラムが始まって以来、初めてのお休みをいただきました。
今週から復活です。どうぞよろしくお願い致します。

今回からみつばちたちの世界により深く、解像度を上げてみていきたいと思います。

ということで、まずは「女王蜂」から始めます。
何万匹もの蜂たちがいる群れの中で、たった1匹しかいない女王蜂。

そんな女王蜂について、誕生から始まり交尾、産卵、そして最後は?など。毎週少しずつ書いていきますね。今週は女王蜂の誕生について。ただ、今回は文字が多めです。なぜなら、女王蜂や王台、幼虫を見かける機会がほとんどないので、自分たちで写真を撮れないのです…。

女王蜂の誕生

以前、コラムで分蜂について書いたときに、分蜂の話の流れのままに女王蜂の誕生について書いていたということに気づきまして…。今回と内容が重なるところもありますが、こっちの方がより詳しく。

春~初夏にかけての繁殖期。
通常、みつばちの世界では、子孫を残すため、巣の中では働き蜂たちが新しい女王蜂を迎えるための準備が始まります。(これは巣箱の中でなくても、自然巣でも同じです。)

準備とは、巣の中で新しい女王蜂の子育てをするための場所を作るのです。それが巣の下部にできる赤い丸の穴が開いているように見えるところであり、王椀(おうわん)と呼ばれます。

(写真では巣箱を横に倒して写真を撮っているんためわかりにくいのですが、子育てや蜜を蓄える巣房(ハニカム構造の小部屋)は地面に対してほぼ水平にできていくのに対して、この女王蜂の特別な場所は下向き(地面に対してほぼ垂直)なのです。なぜでしょうね・・・?やっぱり特別な感じなのかも。)

日本みつばち 王椀

ここに女王蜂が卵を産み、働き蜂たちが女王に育てていきます。王椀に卵を産み付けられてから、働き蜂によって、増築され、蓋がされ、下の写真のようになります。

日本みつばち 王台

他とは違う突き出た巨大な個室が新女王蜂を育てる場所であり、王台(おうだい)と呼ばれます。いかにも、特別な場所って感じがしますね。(あと、王台と王椀の明確な言葉の違いはよくわかりませんでした…。全体的に王台って言われることが多いような。)

ちなみに王台は群れの状況によって、①分蜂王台、②換王王台、③変成王台の3種類の呼び名があるそうです。今回のような春に子孫を残すためにできる王台のことを①の分蜂王台と言い、自然王台とも言われます。(②換王王台、③変成王台については、女王蜂シリーズの別の機会にご紹介します。)

こちらは働き蜂たちの卵や幼虫が育つ巣房。巣房に蓋がされているだけです。

働き蜂の巣房

卵から羽化して女王蜂に

この蓋がされた部屋の中で、卵から幼虫、蛹を経て、羽化して女王蜂へと成長していくのですが、実は、この卵、産み付けられた段階では、働き蜂と同じ卵(有精卵)だそうです。働き蜂も女王蜂も同じメスですからね。(オスは無精卵なのです。オスについてはまたの機会に。)

そこから、女王蜂になるために必要なものがローヤルゼリーです。
(ローヤルゼリーについては、健康食品などよく目にすると思いますが、その通りですごい栄養価の高いものです。今回はローヤルゼリーの説明はざっくりとこれで終わり。)

働き蜂たちが新しい女王のために、自分の体からローヤルゼリーを作り出し、女王蜂の幼虫にローヤルゼリーだけを与え続けるのです。卵から15日。王台の蓋を破り、女王蜂が誕生します。そして、誕生した女王蜂このローヤルゼリーだけを食べ続けることで寿命も長くなるのです。

ちなみに、働き蜂たちも幼虫の間、生まれてから3日間はローヤルゼリーと似たワーカーゼリーというものを与えられ、4日目以降は花粉や蜜を与えられ働き蜂に育って行きます。このワーカーゼリーは働き蜂の幼虫のためのご飯で、ローヤルゼリーとは成分や濃度が少し違っており、ローヤルゼリーに比べて栄養価の低いと言われています。

ローヤルゼリーとワーカーゼリー。
この食事の違いで、女王になるか、働き蜂になるかっていうのが決まります。

(個人的に、ローヤルゼリーとワーカーゼリーっていうネーミングで大きな格差を感じます。)

人工王台やローヤルゼリーの生産

働き蜂たちが、女王蜂の卵は特別な場所で育てるということ、女王蜂も働き蜂も同じ有精卵であるということ、女王蜂の幼虫のために働き蜂がローヤルゼリーを与えるという習性を活かして、養蜂の世界(セイヨウミツバチの養蜂)では、人工的に女王蜂を増やしたり、ローヤルゼリーを生産したりというを行っています。

私はあまり詳しくないのですが、いろいろ調べて結果、女王蜂を増やす方法はざっくりとこんなかんじらしいです。(間違ってたらすいません)
1)木の板にプラスチックの人工王台をつける。(移虫枠と言うそうです)
2)人工王台の中に、少しのローヤルゼリーと生まれたての幼虫を入れる。
3)女王蜂がいない状態にした巣箱(無王群)の中に移虫枠を入れる。
4)無王群の中の働き蜂たちが、この人工王台の幼虫を新しい女王蜂だと思って、ローヤルゼリーを与え、せっせと育てくれる。10日くらい経過すると、人工王台のなかで女王蜂の幼虫が蛹にまで育つ。
6)移虫枠から蛹まで育った王台を取り外し、準備しておいた別の巣箱(無王群)に取り付ける。(分け出しと言うそうです)
7)巣の中で新しい女王が誕生し、交尾へ。

人工王台

イメージ画像( 画像引用先:養蜂家向け養蜂マニュアル(農林水産省HP)より作成)

※参考にしたのはこれらの養蜂家さんのブログ
北のみつ蜂便り:http://naruse-bee.jp/php/freo/index.php/view/110
小森養蜂場のみつばち日記:http://komoribee.blog.fc2.com/blog-entry-174.html
太田養蜂場みつばち徒然ブログ:http://www.xn--h9jg5a3dt05yd2yb.com/category5/beeincrease.html

養蜂の世界ではこのように女王蜂を増やすそうです。参考にしていた農林水産省のHPにある養蜂マニュアルのChapter1は「女王蜂の作成法」というタイトルでちょっとびっくりでした。

私たちのやっている日本みつばちの養蜂は、ほぼ自然任せなのところがあるので、本格的な養蜂のことを知らなかった…。私自身、実は養蜂業界のことや常識をほとんどしりません。
養蜂業として、セイヨウミツバチをたくさん飼っている場合、常に自然任せっていうのは難しいのかもしれません。

今回は、

生まれる前から女王になるべく特別な場所が準備され、特別な食事が用意される女王蜂の誕生について書いてみました。ただ、実は、女王蜂も働き蜂と卵は同じであり、ローヤルゼリーとワーカーゼリーの差によって、女王になるか、働き蜂になるのかということで。

そして、働き蜂たちの習性を活かした女王蜂の生み出し方。びっくりしたと同時に、人間とはすごいことを考えつくものなんだなということを感じました。

さてさて、次回からも女王蜂の行動などについて書いていきます。

 

ゆきお

参考文献:
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

田植えとフナ

淡路島の南。6月半ばの三原平野では、玉ねぎの収穫がひと段落して、玉ねぎ畑から水田に変わる1週間。農家さんは5月半ばから続いてきた農繁期もあと少しでひと段落。

ここ数日、私は地元の浦壁営農組合というところで田植えのお手伝い。みんなで作業。田植え機を巧みに操作するベテランのおじいちゃん、ワイワイしゃべり続けるおじいちゃん、無口なおじいちゃん、よく喋るおばあちゃん。みんなでやると楽しいのです。
営農組合では、地域内の農家さんから田植えを依頼を受けて、営農組合で田植えをします。
依頼した農家さんは、苗箱の準備をしてくれたり、お茶の準備をしてくれたり。

依頼する理由は、高齢化が進んでいるというだけではなくて、米は出荷しても値段が安く、その割に田植え機など機械が高額であるので買い替えることできなかったりと、個人の農家さんにとって、田植えなどの水稲の作業が負担になるという現実もあります。

田植え

営農組合の田植え

そして今日。
作業中に、おばちゃんが「こっち見てみ、鮒がおんで。」と。
ふと水路を見るとたくさんの鮒が泳いでおりまして。先日の大雨で水路の水かさが増えて、繋がっている近くの池から泳いできたらしいのです。

それをみたおじいちゃんたち。おじいちゃんがコンテナを持ってきて水路に落とし、手に持っている道具で追い込んで、「こわいねん!」って言っているおばあちゃんが鮒をコンテナに投げいれて。

田植えと鮒

なんともたまらなくかわいらしくて。ついつい、こっそり写真を撮ってしまいました。

田植えそっちのけで、みんな鮒に夢中。

田植えと鮒

なかなか立派な鮒です。

 

あっという間に10匹くらい捕まえまして。

「鮒は食べるんですか?」 って聞いたら。
「そんな臭いの食べへんわ。あらいにしたら食べてれるよ。どうや?」と。

そう、捕まえるのが楽しいんです(笑)おじいちゃん、おばあちゃんになっても無邪気な子ども心は忘れません。私もそんな大人になりたいです。

そのあと、おばあちゃんのお話では、50年以上前は、池の水を全部抜いた時に鮒や鯉が干上がってくるので、それぞれの家に持ち帰って食べるのがご馳走だったらしいです。 

ちなみに、この鮒たち、田んぼの横の小さな水溜めの中にいれて置いたら、別のおじいちゃんが全部持って帰ったそうです。きっとおいしく調理されたのでしょう。

1月から毎週水曜日に更新を続けてきた「みつばちコラム」。今週だけお休みです。また、来週から頑張ります。お楽しみに。

日本みつばちの社会〜プロローグ〜

みつばちの社会は群れ社会。蟻のようにみんな働き者。
そんなことを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
確かにその通り、
女王蜂がいて、門番がいて、幼虫の世話係、蜜を集めてくる働き蜂、そして生殖時以外はブラブラしている雄蜂…
みつばちの社会には役割がたくさん。
せっせと働くみつばちたちを、そんな視点から観察してみるのも楽しいものです。

誰が何の役割を担うのか、
具体的にどんな仕事をしているのかなど、
じーっと彼女らの世界を覗き込んでみると興味深いところがたくさん。
私たちの日々の営みにも重なる部分や、
個々の生き物である一方で、一群れ丸ごとで一つの生き物のようなユニークな特徴の数々、
まじめ一辺倒というわけでもない素の姿(?)など、
知れば知るほど「へぇー」なんて感心ばかりしている私たちです。

「社会性昆虫」である日本みつばちの暮らし

今回はプロローグということで、みつばち社会の話を少しだけ。
「社会性昆虫」とは、蜂やアリのように、群れで暮らしを営み、
階層に基づく役割分業制を行っている昆虫たちのことを指します。
(中でも、生殖に関わる役割分業が行われているものを「真社会性生物」と定義するそうな。)

群れの規模としては、
一つの群れが数千〜数万匹。

この写真は分蜂時なので、個体数は少なめ

そのうち、女王蜂が1匹、働き蜂が数千〜数万、生殖の時期には雄蜂が2,000~3,000匹。
そして、そこで繁殖を一手に担うのが女王蜂。
2〜4年の寿命の間、せっせと卵を産み続け、最盛期には1日2,000個の卵を産む。
(なんていうスピード!)
働き蜂もメスなので、卵を埋めないことはないものの、
基本的には産むことなく生涯を終えるわけです。
なので、女王が色々な理由で不在になってしまうと、いろいろ大変。
(この辺詳しくはまた今後書いていきますね)

さて、そんな働き蜂の担う仕事はたくさんあります。
花蜜の採取、貯蔵、門番役や女王のお世話係、子育て担当、掃除、巣作りなどなど。
これらを羽化後の日齢によって一通りこなしていくのが働き蜂の世界。

一方、雄蜂は生殖が仕事。
後尾場所は上空であるため、女王蜂を見つけ、追いつかねばなりません。
そのために周囲を見渡せる複眼と、羽ばたくための胸部が大きく発達しているのだそう。
黒くてずんぐりむっくりした雄蜂。
幼虫の頃から既に一回り大きく、なんと卵を産みつけられる巣房のサイズから違うということで、
採取した巣を見ていると、「ここで雄蜂が生まれたのだな」というのが分かるのでは…なんて期待してみるものの、さすがにそこまで大きく違わないようですね。
約1mm程度の差、だけどその巣房のサイズがオス・メスの生まれる際の違いだったりします。(この辺もまた今後詳しく紹介していきます。)

巣と蝋蓋

シリーズ物、スタートです

ということで、次回からは「みつばち社会シリーズ」が始まります。
どうぞお楽しみに。
書いていく私たち自身も、彼女らの世界への解像度が上がっていくのが楽しみです。

竹の伐採はバールで。

今日は午後からみつばちたちの山の中へ。
今回の目的は梅の収穫だったのですが、竹がどんどん生えてくるので、まずは竹の伐採作業。

前日に父親からは「山に竹刈る道具置いていあるからそれを使え」と。
    
そして、山においてあったのがこのバール…。

バール

いやいや、何かおかしいのでは?
「このバールで倒していけということなのか。」
と2人でそんな話をしながら。

 
出てきたばかりの柔らかい竹なので簡単に折ることができます。バールを振り回して、竹を根元からどんどん倒していきました。その成果がこちら。1時間くらいで見事にきれいになりました。

【Before】
みつばちたちの山

【After】
みつばちたちの山

 

ただ、ヤブ蚊とマムシ対策で上下長袖長ズボンということもあり1時間もやれば汗だくでヘトヘト。蜂たちも行き来しやすくなったかなと思います。
 

あとは通りやすいように木々の剪定も少しだけ。

枝の剪定

 

そのあとは無事に梅の収穫もできました。時期が少し遅かったこともあり、熟して落ちてしまった梅も多く、今年の収穫量は少なめ。明日は梅酒と梅シロップ作りをしようかなと。

梅収穫

みつばちたちは元気そうでした。
また後日、竹藪の開拓と巣箱の掃除に行こうかな。

日本に輸入される蜂蜜はどこから来ているのか?

どーも、細かな数字を見るのが好きなゆきおです。

以前のコラムで日本国内のはちみつの流通量について、農林水産省が公表しているデータを基に簡単に分析をしました。前回のコラムはこちらから。

その中では、国産蜂蜜はたった7%であり、残りの93%は海外から輸入された蜂蜜であるということでした。しかも、輸入蜂蜜の約7割は中国から。前回の復習はこちらの図で。

データを基に、草地家が独自に作成

そんなデータを見ながら、一体どんな国から輸入されているのかが気になったので、今回はもう少し詳しく調べてみました。

 

輸入・輸出されるもの

日本から輸出されるもの、日本に輸入されるものはすべて、財務省貿易統計から数量や重さ、金額などを月単位や年単位で調べることができるのです。

貿易統計とは貿易統計は、経済統計に関する国際条約及び関税法に基づき、我が国の貿易の実態を正確に把握し各国の外国貿易との比較を容易にすることにより、国や公共機関の経済政策、私企業の経済活動の資料に資することを目的に作成、公表及び閲覧されるものです。(引用:財務省HP

もちろん、はちみつも勝手に輸入していいものではありません。蜂蜜の関税は約30%(WTO協定国で25.5%)とちょっと割高なのです。(そのことについてはまたいつかのコラムで)

はちみつはどの国から?

貿易統計によると、2015年は世界196カ国のうち41カ国の蜂蜜が日本に輸入されていることがわかりました。一覧は以下の通り。
ダントツで多いのは中国で26,411,417kg(26,411トン)という圧倒的な量。そして、一番少ないのはエストニアでたったの72kg。

(出典:貿易統計 草地家が独自に作成)

順位 国名 輸入量(kg)
1 中華人民共和国 China 26,411,417
2 アルゼンチン Argentina 3,277,996
3 カナダ Canada 2,842,142
4 ミャンマー Myanmar 738,210
5 ハンガリー Hungary 720,998
6 ニュージーランド New Zealand 549,296
7 メキシコ Mexico 406,985
8 ルーマニア Romania 236,780
9 スペイン Spain 191,961
10 オーストラリア Australia 119,190
11 ベトナム Vietnam 98,300
12 ドイツ Germany 94,529
13 イタリア Italy 87,758
14 フランス France 74,920
15 ブラジル Brazil 54,910
16 グアテマラ Guatemala 53,700
17 エチオピア Ethiopia 41,760
18 ウクライナ Ukraine 39,315
19 スイス Switzerland 29,013
20 インド India 22,947
21 タイ Thailand 22,766
22 アメリカ合衆国 United States 18,217
23 キューバ Cuba 18,000
24 ブルガリア Bulgaria 14,989
25 スウェーデン Sweden 13,938
26 英国 United Kingdom 11,264
27 タジキスタン Tajikistan 10,000
28 オーストリア Austria 5,829
29 大韓民国 South Korea 3,593
30 キルギス Kyrgyzstan 2,667
31 ギリシャ Greece 1,970
32 台湾 Taiwan 1,725
33 トルコ Turkey 1,309
34 フィンランド Finland 1,008
35 ポルトガル Portugal 797
36 オランダ Netherlands 522
37 南アフリカ共和国 South Africa 350
38 ポーランド Poland 275
39 モンゴル Mongolia 125
40 チュニジア Tunisia 100
41 エストニア Estonia 72
36,221,643

 

世界地図で見るとこうなります。世界各国から輸入されてることがよくわかります。地図で見ると一目瞭然。わかりやすいですね。特に、欧米やアジア、オセアニアからの輸入が多い中で、中東やアフリカからはとても少ないです。
(そして、Wordpressを使うとこんなことも簡単に表現できるんですね。改めて感心しました。)

 

(上記のデータを基に草地家が独自に作成)

うちにある蜂蜜のなかで

うちにはとても希少な南スーダンの蜂蜜があります。
この蜂蜜は、今年の1月、東京に仕事で行ったときに、陽子ちゃんがマルシェで出会ったもの。
マラウィやケニア、南スーダンで養蜂技術の指導から輸入・販売までを行い途上国支援をしているフェアトレード蜂蜜なのです。そんな素敵なはちみつなのです。
そして、まだ開けることなく、そのままです。

南スーダンの蜂蜜

今回は

世界中の様々な国から、日本に蜂蜜が届けられているということを可視化してみました。
はちみつを味わうだけでなく、どの国で、どんな風に作られた蜂蜜なのか、調べてみたり、思いをはせてみたり。そういうこともよいですね。

この蜂蜜というものは、日本では、奈良時代から記録が残っているものです。その後もずっと日本人の暮らしと密接につながってきたものだと思います。この日本という国の中で、時代の変化と共に養蜂や蜂蜜はどのような扱いがされていたのか。
そして、いつ、どの段階で、海外のはちみつが増えていったのか?などなど。
もう少し勉強してから、コラムにしていきたいと思います。

甘いもの好きのみつばち〜みつばちの味覚〜

甘い花の蜜を蓄えて、あま〜い蜂蜜を作るみつばちたち。
蜂蜜は、花粉と並んで栄養豊富で、日々のエネルギー源や冬の蓄えとしてみつばちたちにとって大切な食料。
「ちょっと分けてね。」なんて、彼女らの巣から少しもらって美味しくいただいている中で、何気なく、みつばちは甘党なのかな…なんて思いを馳せるものの、みつばちに味覚なんてあるのでしょうか?

基本的に甘いものならなんでも好き

日中、巣から半径1〜2㎞を飛び回っては蜜源を探し、蜜を集めてくる働き蜂たち。
季節ごとに咲く様々な花からせっせと集めて貯蔵していく働きものです。
そんな彼女らは、実は花に限らず甘いものなら何でも好きで、花蜜同様に蜜胃に貯めて巣まで持ち帰り、しっかりと貯蔵していくのです。

例えば、冬場に作られる干し柿。

軒先でこんな風に吊るされてますよね(画像:wikipediaより引用)

渋い渋柿の皮をむいて、さっと茹で、紐にくくって吊るしておくと冬のカラリと乾いた風で乾燥・熟成して、しっとり甘〜いおやつになります。
そんな干し柿、干している隙に鳥につつかれたりして傷がつくと、そこから中の甘いエキスがじわりと染みてきます。
そこに通りかかったみつばちが「あ!甘いものがあるぞ!」とせっせと集めて巣に持ち帰る、なんてこともあるのだとか。
うーむ、これは干し柿を作って観察してみたいところ。
寒くなってきた頃に、ひょっこりみつばちが訪れてくれたら嬉しいだろうなぁ。

そんな甘いもの好きのみつばち、甘いものを出してくれるなら相手が虫だって構いません。
甘露蜜、という言葉を聞いたことがある人も少なくないのではないかと思います。
その甘露蜜、蜜源となっているのは花ではなく樹木。
ドイツでは最高級品として大変好まれているという、モミの木など樹木由来の特別な蜂蜜が甘露蜜。

モミの木。クリスマスツリーに使われる木、というと分かりやすいのかな。針葉樹林のある標高の高い場所で甘露蜜は作られる。

樹木の精油を含むため、独特の香りがあり、ミネラル豊富で濃い色味が特徴的。
でも、みつばちが直に樹木から樹液を啜ったりはできません。
松やブナ、樫の木などの甘い樹液を出す木に、アブラムシやカイガラムシ、アリマキ、カメムシの仲間などの虫が、樹皮に口針を刺し、その甘い樹液を吸います。

モミの木の樹皮(wikipediaより引用)

樹液は糖度が高く、虫たちが必要な栄養分を吸収しても、大量の糖が余ります。
残った糖は、体外に分泌され、カイガラムシであれば分泌物が結晶化して貝殻状の被覆物になります。
また、アブラムシやアリマキは甘い分泌物を体から出して生きていくことで、甘い分泌物を欲しがるアリが寄り付くことで、彼らの天敵から身を守ることにもつながっているのです。
そして、そんな彼らが分泌する甘いものをみつばちも狙います。
花の蜜に限らず、甘いものが大好きなみつばちにとって、分泌物も貴重な蜜源の一つです。

本能的行動系に結び付けられている甘味

蜂蜜は、果糖とブドウ糖からできていて、その香りに加え、甘味がなんとも言えぬ幸せな気持ちにさせてくれる。甘いと感じるものは、みつばちや人を含める多くの生き物にとって、生きる上でプラスに働く。よく言われることだけど、ブドウ糖は腸での消化吸収が非常によく、体を回復させたいときに、優しく素早く効く。
そう、ブドウ糖を摂取した際、甘味を認識し好ましく感じられるようにできているのは、生き物として理にかなっていると言えるわけです。
「人を含め多くの動物では甘味の感覚が脳の神経系の中で、生きていくためにプラスに働くシステム、つまり本能的行動系に結び付けられている。」(尼川,2013)ということですね。

そんな蜂蜜の成分はこちら
糖類(ブドウ糖、果糖)、水分、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、有機酸(グルコン酸)、ビタミンB

生存に必要な物は、ちゃんと生物が好ましく感じる(積極的に摂取したくなる)ようになっているのだなぁ

花蜜を選ぶポイントは甘さ

花は香りや見た目の華やかさ、蜜の甘さなど、花ごとに様々な違いがある。
見た目は地味でも香りが強い花や、見た目も香りも華やかだが蜜は薄い、というものなど色々な場合がある。
人間なら「甘さ控えめで香りにクセのあるのが好き」とか
「香りものは苦手だけど、甘さしっかりで見た目が華やかなのがテンション上がる〜」とか
色々と好みが分かれそうなところだけど、
みつばちたちは「しっかり甘い」というのが第一、何より甘さ重視、ということらしい。
研究者たちの実験では、良い餌を見つけた偵察隊のみつばちが「こんな素晴らしい蜜源を見つけたよー!」と仲間たちに8の字ダンスで報告する際、糖度が高く量も多い蜜源を見つけているものほど、ダンスの勢いもターン数も多い、激しいダンスになることが明らかにされているのだという。

派手なルックスのアザミと・・・

大人しい印象のシロツメクサ。どっちが好きなの?って聞かれたら、蜜が甘い方というわけだね。

ちなみに・・・
野外実験で、蜜源としての造花に色々な糖度のショ糖を置き、観察したところ、糖度が上がるにつれてターン数も増加したという報告があるという。
また、その際に同条件で距離を変えて観察すると、遠い蜜源の方がダンス時のターン数が減少していたという。これは、蜜源までの「運搬コスト」を考慮して報告されているのではないかと分析されているそう。

 

みつばち=甘党

というわけで、今回は甘いものに目がないみつばちの姿が見えてきました。
しかし、いくら甘い物万歳と入っても運搬する際の労力についても大事だと考えて、8の字ダンスでの報告時に運搬コストにも考慮したアピールが行われているというのはちょっとビックリでした。賢いよ、みつばち。小指の先ほどしかないのに、そんなことまで考慮できるのかと驚くばかりです。

 

なお、文中において参考文献に孫引きが多分に含まれていたりしますが、コラムということでお許しください。

参考文献及びWebサイト
・尼川タイサク、2013、『マキノの庭のミツバチの国』西日本出版社
・坂本文夫、2016、『ハチ博士のミツバチコラム』京都ニホンミツバチ研究所
・イタリア発ハチミツ作り 養蜂の世界と日本の田舎暮らし https://ameblo.jp/buonmiele/entry-11978539020.html
・あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木 http://ochakai-akasaka.com/170310-honeydew-honey/

淡路島のたまねぎ②早生といえば

気が付けば、5月も終わり。

淡路島では、今がたまねぎシーズン真っただ中。
玉ねぎ畑では、たくさんの人や収穫する機械、車などなど、みんな総出で収穫作業です。

収穫されている玉ねぎも早生(わせ)玉ねぎや中生(なかて)玉ねぎに移ってきました。
(前回のブログで分類を書きましたので、「極早生」「早生」「中生」「晩生」って何だ?って思ったら、こちらを読み返してみてください。)

今回は少し遅くなりましたが早生(わせ)玉ねぎについて。

早生といえば

近くの産直に行ってみると、やっぱり玉ねぎでいっぱい

南あわじの産直

写真にはありませんが、この手前には、段ボールでたくさん積まれています。

淡路島のたまねぎ  淡路島のたまねぎ 淡路島のたまねぎ  淡路島のたまねぎ

そのなかで、売っている玉ねぎはほぼすべて「七宝」
そう、淡路島の早生たまねぎと言えば、「七宝」なのです。

 

七宝って

正確には株式会社七宝という会社が育成している「七宝早生7号」という品種です。
最近、兵庫県が発行した「淡路島たまねぎの教科書」によると、以下のようにかなり詳しく書かれております。

たまねぎの教科書

淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)
いろいろとマニアックなことが書いてあり、読み応えのある冊子です。おススメです。

七宝早生7号(株式会社七宝 育成) ♀貝塚早生×静岡早生 ♂愛知早生×今井早生 
肥大性に優れ、抽台・分球が少なく耐病性がある品種を選抜し、交配したF1を西南暖地に適した品種として1992年に育成。

 短期貯蔵に適した甲高の早生品種です。一般に4月から5月にかけて収穫されるたまねぎは「新たまねぎ」と呼ばれています。
 色は白く、肉質が柔らかくジューシーです。辛み成分のアリシンが少ないので、サラダなど生食用に適しています。傷つきやすく日持ちしないので期間限定のたまねぎです。
引用:淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)p.8

 

そんな七宝。

生産者である淡路島の農家さんからは「やっぱり七宝。七宝がおいしい!」というお話をよく聞きます。実は、七宝はこの時期限定の農家さんおススメの玉ねぎなのです。

ただ、中生や晩生のたまねぎと比べて貯蔵性が良くないなどの理由から、この時期しか市場には出回らず、この期を逃すと、「七宝」を食べる機会がぐっと減ってしまいます。

私の経験では、日陰で1ヵ月くらいは平気だったような気がしますが、通常、玉ねぎは何カ月も日持するものなので、それに比べると日持ちしないのかもしれないですね。そして、昨日も産直でお客さんのご夫婦が「「早めに食べてください」って書いているけど、どれくらい日持するのかわからない。」と話しておりました。

極早生と比べてみました。

まずは見た目。

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

どうでしょう?違いがわかるでしょうか?

まず、首のところが太さが違いますね。早生のたまねぎ(右側)はしっかりと首が締まっていますね。私も見比べてみてはじめて気が付きました。
そして、膨らみ方も少し違います。これはきっと品種の影響だと思います。(たまねぎは品種によって球のカタチが違ってきます。)

真っ二つにしたときは

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

スマホのカメラなのでわかりにくいかもしれませんが、極早生たまねぎ(左側)はが少し透明っぽく、みずみずしい。一方で、早生たまねぎ(右側)は、真っ白でずっしりとした感じです。

そして、スライスとその味わい

玉ねぎスライス

繊維を断ち切る方向にスライスしました。

極早生のたまねぎのときは、切ったあとすぐに食べても、みずみずしくて、辛みがほとんどなく、水分を甘味を感じることができました。
一方で、早生たまねぎの場合は、すぐに食べると、甘味のあとに辛みと玉ねぎのツーンとした香り、玉ねぎっぽさがあります。(私が生玉ねぎがあまり得意じゃないので、敏感なだけかもしれませんが。)

少し空気にさらしてあげたりすることで、辛みが飛んで、甘味を感じやすくなるので、ややマイルドになります。玉ねぎっぽさ残る玉ねぎスライスが好きな人にはこの七宝はもってこいだと思います。

おススメの食べ方

もちろん、スライスして生で食べるのもよいですが、個人的には、炒め物や玉ねぎフライ、かき揚げなど、火を通してあげることで、甘味がしっかりと引き立ち美味しくなります。BBQもよいですね。

玉ねぎフライ  BBQ

 

次回は

今回は早生玉ねぎについてご紹介しました。
「淡路島玉ねぎ」と言っても、たくさんの品種があり、時期によって味わいや特徴も様々です。

玉ねぎシーズンがピークを迎えている淡路島。
今後は中生や晩生のたまねぎ、淡路島にしかない農民車のことや玉ねぎ小屋のことなど。
データも交えて、気ままに書いていこうと思います。

 

日本のはちみつの流通量~統計データから学ぶ~

今週は日本でのはちみつ流通量について、国が出している統計データから見ていきたいと思います。

養蜂業の分類

その前に、養蜂業は、日本標準産業分類の中では、
大分類:A農業,林業
中分類:01農業
小分類:012畜産農業
細分類:0129その他の畜産農業
に属します。

そのため、養蜂やはちみつのデータについては、毎年、農林水産省が「養蜂をめぐる情勢」というものをまとめており、そこから様々なことが見えてきます。

ちなみに、この日本標準産業分類は、国が公的統計の作成に当たり産業別に表示するための分類です。複数の事業にまたがっている場合、例えば、養蜂をして、はちみつを販売している場合は、「E製造業」に属したり、「I卸売業,小売業」に属する場合もあります。このあたりは、特に厳しい縛りはないみたいです。

蜂蜜の流通

こちらのデータをご覧ください。

養蜂をめぐる情勢

出典:農林水産省 養蜂をめぐる情勢(平成28年10月)

 

実は、日本で使われているはちみつの約93%は輸入であり、国産蜂蜜はたった7%しかないのです…。実はこんな現状なのです。家庭用でも国産はたった13%であり、87%は輸入蜂蜜。そういえば、スーパーなど、お店で並んでいるもののほとんどは海外のものですからね。

ちなみに、平成27年度の日本の食料自給率はカロリーベースで39%、生産量ベースで66%です。こちらを参照
そして、小麦は、国産は約13%、輸入が約87%。砂糖は国産が約40%、輸入が約60%。

内訳を見やすくするとこんな感じになります。

輸入蜂蜜の約73%は中国産であり、そのあと、アルゼンチン産やカナダ産など。ヨーロッパ産はちみつとして日本で有名なハンガリー産はちみつ。あとは、近年人気が高いマヌカハニーがあるニュージーランド産はちみつ。

 

ここからわかること

あと、このデータからわかることとしては、
・国産蜂蜜のほとんどすべてが家庭用であるということ。
・輸入蜂蜜は家庭用が55%、業務・加工用が45%であるということ。

この業務・加工用のはちみつというのは、主には、以前のコラム(蜂蜜って何?~日本の蜂蜜には規格がある①~)で書いた精製はちみつとして、パンやドリンクなどに使われているのだと思います。

輸入量と消費量の推移

もう少し数字を見ていきましょう。

国産蜂蜜がたった7%しかないということについて。統計データから過去にさかのぼっていくと、昭和60年までは、自給率(=国産生産量/消費量)は20.5%あったのに、平成になってからの自給率は7%前後を推移していることがわかります。

蜂蜜の生産量、輸入量及び消費量

出典:農林水産省 養蜂をめぐる情勢(平成28年10月)

 

自給率が減少した理由としては、昭和60年と平成7年を比べると、
・中国産のはちみつの輸入量が約2倍になっていること。
(昭和60年:18,143t → 平成7年:35,138t)

・国内の生産量が半分以下になったこと。
(昭和60年:7,225t → 平成7年:3,362t)

・消費量が約7,000t増加したこと。
(昭和60年:35,272t → 平成7年:42,485t)

が考えらえます。

この急激な輸入量の増加と、国内生産量の減少については、何か理由がありそうな気がします。そして、これらの増減を考慮しても、中国からの輸入量が急激に増え過ぎじゃないかと思いますがどうしてでしょうね。私自身、まだまだ勉強不足です。

なぜ、消費量と輸入量が増えたんでしょうかね?
根拠はないのですが、今、私が考えられることとしては、高齢化・後継者不足などによる国内養蜂家の減少、人口が増加していた時代であり需要が増えたということ、健康志向のはちみつブームでで需要が増えたこと、日本企業の中国進出などかなと思います。また、時代背景などを含めて、調査していきたいと思います。(例えば、複合的な要因で蜂蜜入りの加工品(パンやドリンクなど)が増えたとか。)

また、平成に入ってからは輸入蜂蜜のほとんどが中国産であったことがわかります。最近になって年々中国からの輸入割合が下がってきていますが、日本でのはちみつの需要量が減っているので、相関関係がありそうです。
あとは、ここには載っていませんが、マヌカハニーの輸入量が年々少しずつ増加しており、日本の中でのはちみつ消費の文化が健康や安心・安全、高級志向になっていることもあるのかもしれませんね。

データをみて想像を膨らませる

今週は、農林水産省のデータからわかることを少しだけ書きました。

この「養蜂をめぐる情勢」には、日本の養蜂やはちみつに関する様々なデータが書かれており、とても興味深い内容なのです。他のところの考察については、またの機会に詳しく書きます。

このような数字を見ながら、
なぜ数字が増えたんだろう?
なぜ、前年と違うんだろう?
このデータはどこからきているんだろう?
などなど。

きっといろんな要因があるんだと思います。その、いろんななぜ?について、その理由を書籍やネットで探ってみたり。当時の時代背景やブーム、人口問題、業界の変化、輸入規制などから想像したり。そういうことまで考えながら、統計を見ていると面白いなーって思うのです。

と、今回はちょっと理系っぽくなってみました。ゆきおでした。

春の蜜源

季節ごとに味も香りも異なる日本みつばちの蜂蜜。

巣から半径1〜2㎞を飛び回り、
その季節に咲いている野山の花から蜜を集めてくるからこその味わいと見た目が、心にも美味しい。
特に春の蜜は、集められてきたばかりのフレッシュで尖った花の香りと、透き通るような柔らかさの蜜の色合いが特徴的。
そんな蜂蜜の話をしていると、よく「何のお花の蜜ですか?」と聞かれる。

島の野山の季節のお花です、と答えているけれど
そう、季節ごとにいろいろなお花が咲いているんです。
ということで、今回は春から初夏の野山の花々を紹介します。

巣箱の周辺にある花々

①シロツメクサ

シロツメクサ
マメ科/シャジクソウ属

②野アザミ

群生するアザミたち。キク科/アザミ属

③イタドリ

イタドリ。これも実は白く可憐な花がたくさんついて、蜜源となるそうな。撮影時はまだ花はついておらず。

ポキリと折って、皮をむいて食べてみる。久しぶりの酸味が口に広がる。昔はよく食べたりしたわ、とユキオ父も楽しそう。

(ただしイタドリは初夏に生えるものの、花が咲くのは秋。
 というわけで、秋の蜜源植物。:2017年5月31日追記。
 宮岡さん、教えてくれてありがとうございます。)

④野いちご

野いちごの群れ。白い花が咲いていた気がするけれど、撮り忘れ。

甘酸っぱい、鼻を抜ける爽やかな甘み。

⑤アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ、という名前の花。もともとはアメリカ原産で、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれ、現在は野生化。道端や空き地など、あちこちで見られるそうな。

⑥白い花いろいろ(名前を探してみるも、多すぎて特定できず)

⑦なんだろう

ちいさな青い花をたくさんつけている

 

⑧ノビル

この強そうなのは…ノビル!玉ねぎの花に似ている。この辺りではあちこちに群生している。もっと早い時期に抜いて、ネギやらっきょのように使うと美味しい。

⑨桜

桜

⑩梅

梅とみつばち

11.ビワ

野生化していたりもするビワ

いろいろな花から蜜を集める日本みつばち

アカシアやレンゲ、サクラなど、単一の花の蜜を集めてくる傾向が強いのが西洋ミツバチ。
一方、日本みつばちは、いろいろな花から蜜を集めてくる性質がある。
ミツバチは蜜源を見つけると、巣に戻り、いかに素晴らしい蜜源であったかを「8の字ダンス(尻振りダンス)」によって仲間に伝える。西洋ミツバチはそれに従う者が多いものの、日本みつばちは従う者がどうも少ないのか、それぞれ花を探して飛び立つ傾向にあるらしい。そのため、日本みつばちの蜜は、巣の半径1〜2㎞の地域に咲く花々の蜜が合わさったものであり、香りも味わいも地域によって、群れによって異なってくるのが楽しい。

(菅原、2005)

蜂にも味の好みがあるらしい

訪れる花の種類が西洋ミツバチと日本みつばちで異なるという。
兵庫農大(現在の神戸大学農学部)の宮本教授の研究によると、日本みつばちは西洋ミツバチと比べて、野生の草木や、山地に見られる植物を好む傾向にあると報告されている(宮本、1958)。

(菅原、2005)

 

ということで、ここまで。

山は本当に楽しい。季節ごとにいろいろな植物が顔を出しているし、山菜や食べられる野草も(そんなに知らないけれど)あちこちに生えている。
山によって、ここで紹介した植物が生えていないところもあるし、
ここで紹介していない植物があるところもある。
季節ごとに、咲く花は本当にいろいろ。
そんないろいろ雑多に生えている様子を見ていると、生態系が豊かに守られているのかな、なんてちょっと安心したり。
みつばちの立場から見ても、年間を通じて様々な花が咲くことは重要。どんなにたくさん咲いても、一年の一部の時期だけに咲くのでは生きていけない。特に秋にしっかり貯蜜できるかが、冬を越えられるかどうかの分かれ道。
そうやって見てみると、このまちの環境はみつばちにもいいんだろうなぁ、なんて想像する。
淡路島は「花とミルクとオレンジの島」なんていうキャッチコピーも持っていたんだそう。温暖で、花も柑橘もこのまちでは育ちやすい。
酪農もしていて、その堆肥を使って循環する農業がされてきた島なんだって。
時代の流れとともに、島も変わってきたのかもしれないけれど、やっぱり温暖で、花が豊富なのは変わりないのかもしれない。
そうだといいな。
さて、春の蜜源はここまで。
今後は、夏や秋もその時々で野山に生えている花々を紹介していければと思っています。

参考文献
・菅原道夫、2005、『ミツバチ学』、東海大学出版会
・宮本セツ、1958、本産花蜂の生態学的研究 (X) : 日本および西洋蜜蜂間における花との関係の相違、兵庫農科大学研究報告農業生物学編 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81006103.pdf

蜂球のなか。

実は、昨日の午前中も分蜂群を目の当たりにしまして。
蜂の数と勢いに圧倒されました。
そんなこんなで、今回も分蜂について書いていきます。

前回のブログでは、分蜂した群れが、巣箱に入っていく状態であったのですが、今回は、分蜂した直後で、蜂球を作るときの様子です。

 

分蜂の直前

朝から巣のまわりでは、たくさんの働き蜂やオスバチがブーンブーンと巣の近くを行き来しています。

(その時の写真は撮り忘れ)

 

この分蜂の予行練習を何度か繰り返えすそうで。
待っている方は、ドキドキしながら、「いつでるのまだ?」って感じで見守ります。

いよいよ飛び立つ

そこから、数分後。

みんなが一斉に空に飛び立って行きます。

(この瞬間を見逃してしまいまして…。あと10分、その場に残っていれば見れたのに…。耐えられず、農作業に行きまして…。残念。)

そして、空が

帰ってきたら、空がとても賑やかに。

上空は、たくさんのみつばちたち。

分蜂した空

これすべて蜂です

ぐるぐると遠くに行くわけではなく、近くを旋回しています。

 

近くの木の枝に

しばらくしたら、近くにあった木の枝に蜂たちが集まってきました。

きっと、ここに女王蜂が止まったのでしょう。

女王蜂が止まったところに働き蜂たちが集まってきて、球を作ってきます。

分蜂した空

 

動画はこちら

 

蜂球

そして、数分で、どんどん分蜂した群れが集まってきて、球がどんどん大きくなってきました。ある程度集まるとみつばちたちも落ち着いてきてきました。

 

分蜂蜂球

 

近づいても、はちたちは何もしてきません。
気にも留めてくれません。

 

やってみたかったこと

近くに低めの木に蜂球ができまして、こんなチャンスはめったにない。

分蜂した木

 

ということで、一度はやってみたかったことを。

蜂球の中に、指をいれてみたいということ。

(前回も少し書きましたが、)
分蜂をしたときのみつばちたち、いつ新居が決まるかわからないということもあり、お腹ににたくさんの蜜を抱えています。そのため、よほどのことがない限り、刺されることはありません。

ドキドキしながら、いざ!!

分蜂 触る

暖かい!!
そして、蜂たちがブルブルとした振動が伝わってきます。

ついてきた蜂たち

ぶら下がって、なかなか離れない。おとなしくかわいいみつばちたち。

ゆっくりと元の場所に戻してあげます。

ドキドキしましたが、何事もなく。

分蜂 触る

ようこも指を入れまして。
うちの猫を触っているみたいという感想で。

 

ということで、

今日は分蜂をより近くで体験。

みつばちたちは人間のことはあまり気にも留めずという感じでしょうかね。

ただ、今回は無事でしたが、必ずしも安全とはいません。
私事ではありますが、この後、いろいろありましてみつばちさんに下唇を刺されました。
今は唇がパンパンです。

試すときは、くれぐれもご注意下さい。

ちなみに、元々いた巣から離れて分蜂についていった働き蜂が、元の巣箱に戻ろうとすると、元の巣の入り口で門番のみつばちたちに殺されてしまうそうです。

「もうあいつらは出ていったから、別の群れだ!!やっちまえー!!」
みたいな。

そういう現場も何度か目の当たりにしております。

直前まで、一緒に暮らしていた仲間なんだから、入れてあげてもいいのにねー。
というか、どうやって見分けているんだろうって思います。

分蜂群がそのまま巣箱に!

分蜂シーズンも終盤になってきました。

毎日、いろんな山を行ったり来たりというのもひと段落。

そんななか、先日、
分蜂群が巣箱に入っていく瞬間に立ち会うことができました。

最初、山に見回りに行ったとき、
置いている空の巣箱のまわりには、いつもより多めの偵察隊のみつばちたち。
行ったり来たりで、巣箱の中をみていました。

 

そして、しばらくしたら、
突然、偵察のみつばちたちが全くいなくなってしまったのです。

偵察だけして、別のところに行ったのかな?とか
ちょっとがっかりしつつも。

 

その後、しばらく様子を見ていると。

上空から「ブーン」「ブーン」という大きな音が。

ふと、空を見上げると、たくさんのみつばち

そのまま数分で、みつばちたちの群れは巣箱に吸い込まれていきました。

 

 

初めて分蜂した群れが巣に入っていく瞬間をこの目で見ることができました。

私たち2人は「すげー」としか言葉が出なかったです。

はちみつとボツリヌス菌(後編)

自然界最強を誇るボツリヌス菌、今回はその後編をお届けします。

地上最強の菌、ボツリヌス

乳児以外は大丈夫?乳児はなぜ罹る?

はちみつを1歳未満の乳児が食べないように、いろいろな所に注意書きがあります。
しかし、乳児以外は食べても大丈夫なのでしょうか?

食べてもいいの?

実は、ボツリヌス菌による中毒症状は、症状の現れ方や経過によって、

食餌性ボツリヌス症(食中毒)」、
創傷ボツリヌス症」、
乳児ボツリヌス症」、
成人腸管定着型ボツリヌス症」の5つに分けられるそう。

名前から想像できるように、はちみつなどを介してボツリヌス菌を乳児が摂取した際に発症するのが「乳児ボツリヌス症」です。
また、乳児でなくとも、ボツリヌス菌の産出した毒素に汚染された食べ物を摂取することで発症したり、傷口から菌が侵入し、皮下組織で増殖・毒素を産出することで中毒症状は起こります。

では、はちみつを食べると必ず中毒症状が起きるのか?
答えは「その場合もあるが、健常な小児及び成人であれば中毒症状は起こらない」というのが正しいでしょう。
その理由を端的に言えば、腸内細菌の働きにあります。
通常、腸内細菌のバランス(腸内フローラ)が健常に保たれていれば、芽胞が混入したものを食べても、芽胞の発芽や増殖を防ぐことができ、毒素の産出も防ぐことができます(ただし、すでに芽胞の状態ではなく、菌として毒素を産出している段階のものを食べた場合には防げません)。

腸内フローラ(『もやしもん1巻』より)

しかし、乳児ボツリヌス症と腸管定着型ボツリヌス症のように、腸内細菌のバランス形成が未発達な乳児や、小児や成人であっても外科手術や抗菌薬の投与などで腸内細菌の破壊や菌交代などが起こっている場合には、ボツリヌス菌の芽胞が発芽し毒素の産出が起こる場合があるのだそう。

どんな症状が出るの?

ボツリヌス菌の算出する毒素は、神経機能に作用し、弛緩性麻痺を起こす働きを持つ。
それによって、嚥下困難や呼吸麻痺などを引き起こし、最悪の場合死亡することもあるのだとか。。。

国立感染症研究所 感染症情報センターによると、

食餌性ボツリヌス症:いわゆるボツリヌス食中毒であり、ボツリヌス毒素に汚染された食品を摂取することによって発病する。多くの患者は初期症状で視力の低下、瞳孔散大、複視、眼瞼下垂、対光反射低下などの視覚異常を訴えるとともに、口内の渇き、嗄声、腹部の膨満感、吐き気、嘔吐、歩行異常、嚥下困難、便秘、全身の筋弛緩などの症状を呈する。重症の場合は呼吸筋の麻痺による呼吸不全で致命的となる。原因食品の摂取から発病までの時間は摂取された毒素の量と型によるが、数時間~2日程度である。強力な毒素が原因であるため致死率は他の食中毒に比べてかなり高い(10~20%)。

乳児ボツリヌス症:生後1歳未満の乳児が芽胞を経口摂取することによって、腸管内でボツリヌス菌の発芽・増殖がおこり、産生された毒素によって発症する感染型の疾患である。1歳未満の乳児が発症するのは、腸内細菌叢が成人とは異なりボツリヌス菌の定着と増殖がおこりやすいためと考えられている。症状は便秘傾向にはじまり、全身の筋力低下をきたす。泣き声や乳を吸う力が弱まり、頸部筋肉の弛緩によって頭部を支えられなくなる。顔面は無表情になり、散瞳、眼瞼下垂、対光反射の緩慢などボツリヌス食中毒と同様な症状が現れる。呼吸障害が生じ重症化すると死に至ることもあるが、乳児ボツリヌス症の致死率は食中毒に比べると低く2%程度である。

創傷ボツリヌス症:患者の創傷部位でボツリヌス菌の芽胞が発芽し、産生された毒素により中毒症状がおきる。米国では麻薬常用者の注射痕からボツリヌス菌の感染がおきた例などがしばしば報告されている(MMWR 52: 885-886, 2003)。

成人腸管定着ボツリヌス症:1歳以上の子供と成人でも乳児ボツリヌス症と同様に、腸管内でボツリヌス菌が定着、増殖して発病することが報告されている。発症は外科手術や抗菌薬の投与によって患者の腸内細菌叢の破壊や菌交代現象がおこっている場合に限られる。

(出典:国立感染症研究所 感染症情報センター、「ボツリヌス症 2008年1月現在」

それぞれ、こんな症状が出るものみたいですね。

 

日本ではちみつを媒介とした感染事例

日本では、1986年に国内初の「乳児ボツリヌス症」が確認されたりしているようです。
乳児ボツリヌス症は、1990年までははちみつを原因とするものが大半だったものの、乳児がはちみつを摂取することの危険性が徐々に周知されていき、以降は、ほぼ、はちみつ以外の感染ルートによるものになっているようです。
乳児ボツリヌス症の発生件数自体は、1984年〜2008年の間に24件。
そのうち、2005年以降は毎年2件づつの発生にとどまっているのだとか。
(アメリカの場合は年間約100件発症し、そのうち7割が乳児ボツリヌス症であることを思うと、日本では発生は稀だと言えますね)

はちみつ以外の感染ルートだと、1984年に熊本県で製造された辛子蓮根でボツリヌス菌が増殖していて大事件になったりしています(食餌性ボツリヌス症)。

辛子蓮根を製造する際、殺菌しきれなかった菌が、密封された環境の中で増殖した事例

また、創傷ボツリヌ症と成人腸管ボツリヌス症は日本での発症事例は確認されていないようです。

医療現場でも使われるボツリヌス菌

そんな恐ろしいボツリヌス菌ですが、その特徴を把握し、利活用しようというのが医学・科学の世界。

例えば、美容外科で見かけることもある、ボツリヌス毒素の注射(ボトックス注射)。
ボツリヌス菌そのものを注射するのではなく、ボツリヌス菌がつくるタンパク質(ボツリヌストキシン)を薬として使えるように加工したものを注射します。
本格的に医学で応用され始めたのは1980年代ということで、もう40年近くになるわけですね。
ボツリヌス毒素の持つ、筋肉の神経に作用し麻痺させ弛緩させる特性を利用し、過剰な緊張によって固くなってしまった筋肉を柔らかく動かしやすくする効果や、皺取り効果などが期待出来るのだそう。

(漫画「もやしもん」では樹教授がボトックス注射でつるつる卵肌になってましたね。。)

ということで

さて、知れば知るほど恐ろしいボツリヌス菌。
だけど日常の中で感染する恐れはとっても稀なもののようです。

どこにでもいて、好むと好まざるとに関わらず人類と密接な付き合いをしてきた菌たち。
時には彼らの働きに注意し、時には恵みを享受して、彼らとうまく付き合っていきたいな。
今回はそんなボツリヌス菌の話、後編でした。

参考文献及びURL
・石川雅之、『もやしもん』
・ECOLAB http://ja-jp.ecolab.com
・外務省、「UNSCOM/UNMOVIC報告による主なイラクの大量破壊兵器疑惑」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gunso/pdfs/iraq.pdf

・輝城会 沼田クリニック http://kijoukai-gr.jp/nc/knowledge/botox.html
・国立感染症研究所 感染症情報センター、「ボツリヌス症 2008年1月現在」 http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/336/tpc336-j.html
「ボツリヌス菌毒素の構造と作用」http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/336/dj3361.html
・国立感染症研究所 レファレンス委員会 地方衛生研究所全国協議会、「ボツリヌス症」、2012 http://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/botulism121207.pdf

・内村眞佐子、三瓶憲一、小岩井健司、矢崎広久(1987)「乳児ボツリヌス症の原因食品に関する調査」、千葉県衛研報告第11号 http://www.pref.chiba.lg.jp/eiken/eiseikenkyuu/kennkyuuhoukoku/documents/11-p39.pdf
・役に立つ薬の情報~専門薬学 http://kusuri-jouhou.com/microbe/saikin.html
・山口県感染症情報センター http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5/syoudoku_4-8.html

分蜂!!それは「巣別れ」ともいいます。  

初春~初夏にかけて、巣箱の中から女王蜂と約半数の働き蜂が新しい住処を求めて出ていくことがあります。このことを「巣別れ」「分蜂(分封)」と言います。

一体何が起きているのか?

巣の中では、みつばちたちが子孫反映のために、春になると巣箱の中では新しい女王蜂を迎えるための準備が始まり、王台と呼ばれる女王蜂専用の特別な巣房が作られていきます。
(このなかで、女王蜂の幼虫は栄養価の高いローヤルゼリーを与えられて育てられます。)

日本みつばち 王台

他の六角形の巣房と比べて、明らかに大きい。

 

王台の数は、群れの規模によっても変わるようですが、数個~十数個できるそうな。
王椀と呼ばれる女王蜂を育てるための場所なのです。

日本みつばち 王台

この写真は王椀。

 

ただ、1つの群れに、女王蜂は1匹

みつばちの世界では、1つの群れの中では、女王蜂は1匹しか生息することができません。

そのため、新しい女王蜂が生まれる直前に、これまで巣の中にいた母女王蜂は、これから生まれてくる新しい娘女王蜂に、今の巣を譲り、母女王蜂は新天地を求めて、約半数の働き蜂と共に飛び立っていくのです。この現象が「分蜂」です。

 

分蜂して出ていった群れは、

一旦、巣箱の近くの太い木の枝などに蜂球と呼ばれる塊を作って集合し、ある程度の時間を過ごします。

日本みつばち 分蜂蜂球

これが蜂球、みつばちだけでできています

 

なぜこの状態で

集合しているのかというと、この時点では、まだ新しい住処が決まっておらず。この段階で、偵察隊の働き蜂が新しい住処となる場所を探しに出かけており、残った働き蜂と女王蜂が蜂球の状態で待っている状態なのです。(正確には、分蜂前の元の巣にいたときから、偵察隊は新しい住処を探しに出かけています。)

ちなみに、分蜂した働き蜂たちはいつ新居が決まるかわからないということもあり、お腹にたっぷりと蜜を蓄えてて出ていきます。そのため、危害を加えなければ、刺されることはほとんどありません。

 

そして、気に入った良い新居が見つかったら、群れがその場所へ向けて、一斉に飛んで行きます。
近くに置いてある巣箱の中に居ついたり、もしくは、山の中や石碑の隙間などに自然巣を作ったりすることも。

この大移動を、直接この目で見たら、とてもびっくりするという話をよく聞きますが、実は私はまだ見たことがありません…。今年こそは見てみたい。

 

大きな群れの場合は、

分蜂から数日後に、王台から新女王蜂が誕生して、第二分蜂がはじまります。この場合も、同様に、姉女王蜂が約半数の働き蜂を引き連れて、新天地を求めて飛び立って行きます。その後、第三分蜂ってことも。

そして、残った王台は、分蜂しなくなった巣の中では、これ以上、女王蜂が生まれてこないように、巣の主となった新しい女王蜂や働き蜂によって、王台が壊されて、幼虫も抹殺されます。なんとも厳しい社会です。
(ちなみに、同時に女王蜂が生まれた場合は、どちらか一方が死ぬまでの、殺し合いになるそうな。)

 

実は、分蜂は働き蜂がコントロール?

春になり、暖かくなってくると巣の中では、働き蜂が育児や採餌・貯蜜など、働き蜂たちが活発に活動するようになります。そうすると、巣の中はいっぱいになり、手狭になってきます。そこで、働き蜂たちが、巣の中で新しい女王蜂が生まれるよう準備し、そして、分蜂させるようにコントロールしているとも言われています。

日本みつばちの養蜂家にとって

年に1度だけ。

唯一、この時期だけが、巣箱で飼う群数を増やすことができる時期なのです。
この時期にどれだけ蜂に入ってもらえるかで、これからの先の採蜜量などが決まってくる大切な時期なのです。

みつばちたちに巣箱に入ってもらえるように、頑張っているところです。

 

ということで、

今回は、今の時期しか見れない「分蜂」について。
田舎に住んでいる方なら、山の中やお家の中に巣箱を置いておいておいたら、もしかしたら、日本みつばちが新しい住処として居ついてくれるかもしれません。

はちみつとボツリヌス菌(前編)

巷を騒がせているボツリヌス菌。
はちみつの商品ラベルには、
1歳未満の乳児に食べさせないように注意が表記されています。

ボツリヌス菌とはどういった菌なのか。
乳児以外ははちみつを食べても大丈夫なのか。
細菌についてさっぱり詳しくない筆者と共に、今週・来週と2週にわたってボツリヌス菌について見ていきましょー。

ボツリヌス菌とは

学名はClostridium botulinum、桿菌(かんきん)なので細長い容姿をしている。
(他には丸い形の「球菌」とか、らせん型の「らせん菌」がいるよ)
普段は「芽胞」(がほう)の状態で土の中に棲んでいる。

『もやしもん3巻』より

酸素を嫌う「嫌気性」の細菌なので、酸素のある場所では増殖できないが、
「芽胞」の状態になることで増殖に最適な環境が訪れるまで耐え忍ぶ。

「芽胞」(がほう)とは?

枯草菌で、緑色の部分が枯草菌の芽胞(wikipediaより)

芽胞とは、細菌が生存が困難な状況下において作る非常に耐久性の高い細胞構造のこと。
一部の菌のみが作ることができ、栄養や温度が不適であったり、
その菌にとって毒になるような物質と接触すると高い耐久性を持つ芽胞を形成し、
適した環境になるまで耐える。
芽胞の状態では、耐え忍ぶことで精一杯で、増殖することや活動することができないものの、通常の細菌が死滅するほどん状況に陥っても生き延びるほど様々なものに対して耐久性が高い。

(芽胞の状態で生育に不適な環境下でも耐え忍ぶ姿は、樽状で過酷な環境を耐えるクマムシに似てる気もする。)

自然界最強を誇るボツリヌス菌

生息が困難な環境に置かれても、高い耐久性を発揮し生き延びるボツリヌス菌、しかし彼らの強さはそれだけではない。
彼らの産出する毒は極めて強力な神経毒で、自然界に存在する物質の中で最も毒性が高い毒素の1つだということで、過去には生物兵器としての利用を目的に製造されたこともあったのだとか。。。
(1995年、イラクで生物兵器として保有していたボツリヌス毒素が廃棄されたり。オウム真理教が研究、散布したり。)

これまた『もやしもん3巻』参照

どんなはちみつにも入っているの?

さて、そんな自然界最強を誇る毒素を作るボツリヌス菌は、どんなはちみつにも入っているのだろうか?
必ずしも含まれているとは言えないようである。しかし、はちみつには芽胞が含まれている可能性があるということが明確であり、また芽胞は多少の過熱などでは死滅しないことが明らかになっている。
そのため、1987年には、「1歳未満の乳児には蜂蜜を与えてはならいない」と厚生省から通知がなされたのである。

さて、今回はここまで!

最初は今週1回でまるっとまとめようと思ったものの、知らないこと・興味深いことが多すぎる。
ということで、はちみつとボツリヌス菌については次週お届けいたします!
参考文献及びURLも次週の末尾に記載しまーす。

Umekiki Marcheに出店します

Umekiki Marche

これまた直前のご案内になりますが、
4月15日(土)はUmekiki Marcheに出店します。

Umekiki Marcheは、「つくり手と、なじみになる」ということをテーマとして開催されているもの。
「食をたいせつに想うつくり手と語らい、おいしさの理由を知り、
顔なじみになって名前で呼び合えるような、つくり手と食べる人の心が通うマルシェ」を目指して、昨年から行われています。
(Umekiki MarcheのWebサイト参照)

出店日:4月15日(土)
開催場所:グランフロント大阪うめきた広場
時間:12時~19時
詳細はこちら

 4/16はイースター(復活祭)ということで、卵モチーフの企画や飾りがいろいろあるみたいです。
春ですねー。たのしみ!
私たちは先月に続いて今回も、私たちの蜂蜜と、南あわじ市内の農産品で作った乾物などを販売すると共に南あわじ市のPRも兼ねて出店予定です。

また大阪でお会いできるのを楽しみに向かいます!

黄色いフンをする

みつばちのフンは黄色い、なんてあまり人は知らないのではないかと思う。
朝、車に乗って出かけようとすると
フロントガラスにレモンイエローの絵の具でピッと跳ねたような跡がついている。
そんなに大きいわけではなく、ほんの3ミリ程度のごく控えめなみつばちの跡。

爽やかなイエロー(2mmほど)

なんて思っていたら、大きいものもあったり。

濃くて、大きい。鳥のフンみたい。

右のほうにペチャ

蛙のフンもそうだけど、体に比して大きく、驚く。
内臓がみんな出ちゃうんじゃないかしら。
いや、でも昨年春に見かけたのはこんなに大きくなかったような…。
鳥のフンみたいに大きいけど、あんな小さな体からどうやってこんなに大量のフンが出てくるんだろう…。謎だ。

彼女らの動きが活発な春や夏にはフロントガラスにぽつぽつ、
サイドミラーにぽつ、ドアにもドーン、という具合に付着していることが確認できる。

フンがあるということは、彼女らはここに来たわけで、
一度に何カ所も付いていると「やられたな」と思うけれど、
こんなところにあの小さなからだが飛来していたのかと
なんだかちょっと嬉しくなってしまう。

フンはどうして黄色いの?

さて、なぜみつばちのフンはレモンイエローなのか。
記述しているものは多くないけれど、どうやら花粉らしい。
そんな気はもちろんしていた。
みつばちの食べるものは花粉と蜂蜜だから、
その花粉の成分がそのまま排泄されているのではないかと想像してみていた。
そうこう調べてみると面白いレポートが出てきた。
タイトルは「ミツバチの排泄物による苦情事例」、
1978年に沖縄県公害対策課の大見謝氏によって「黄色降下物」の正体及び「黄色降下物」による被害状況について6ページほどではあるが報告されている。
今回はこの人のレポートを中心に参照していこう。

みつばちのフンの話なのだけど、臨場感があって、読んでいると引き込まれてしまう。
例えばこんな感じ…

「ミツバチの飛翔速度は10m/秒であるといわれる。実際、被害の大きい地域で上空を凝視すると家屋よりも高い空間をミツバチらしき昆虫がかなりのスピードで飛びまわっているのが見える。このため、被害者も黄色降下物はミツバチによるものであるとは気づきにくい思われる。」(大見謝、1978)

そのレポートやその他記述されているものによると、みつばちのフンの成分は、やはり花粉が主になっているようだ。
油分も含み、車に付着すると塗装面を破壊し、着色・膨張するとのこと。
そんな力があったとは。明日にでも洗車せねば。
匂いは無臭だと思っていたけれど、乾くまでは匂いはするらしい。気になる。

みつばちは綺麗好き

彼らは巣の中では基本的にフンをしない。
きれい好きな彼らは、巣の掃除も自分たちでせっせとするし、
フンをするときは巣の外に飛んで行って排泄、そして帰って来る。
巣箱から近く、彼らの通り道は彼らのフン害に合いやすい。

そんな彼ら、冬の間も巣内では排泄をしない。
もちろん、寒い巣箱外に出ることはしない。
したがって、冬の間は腸内にフンを溜めたままになっている。

そのため、冬場でも暖かい日や春になると、飛翔しながら腸内に大量に溜めていたフンを排泄するため、他の時期よりもひときわ大きな「黄色降下物」が多数目撃されることになるらしい。

なるほど、黄色くて小さくて可愛らしい彼らのフンについてサラリと書こうと思っていたのに、今日車についたフンを撮影しようと思ったらやけに大きかったのはそのためか。

レモンイエロー、と思って撮影を始めてみると橙色のような濃厚なものもちょこちょこ見受けられた。

春の訪れを告げる、みつばちのフン

なぜだか白色が好きなみつばちたち、
ぴかぴか光る白い車や洗ってあるシャツがターゲットになりやすいみたい。
今年もいっぱいやられるんだろうな。

何気なく「みつばちって、フンまで可愛い。黄色だなんて。」と思って書き始めたけれど、みつばちたちの世界を、また一つ垣間見た感じがしてワクワクしながら書いていった。
他にも、巷を騒がしているボツリヌス菌について書きたい気持ちもあったけど、今回は春になって今年もフンをされたら真っ先に書きたかったこの話をお届けしました。

ということで、今週はここまで!

おすすめ参考文献

大見謝、「ミツバチの排泄物による苦情事例」、沖縄県公害衛生研究所報12、1978
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/s12_36-41.pdf

はちみつの殺菌消毒性ってどういうこと?

はちみつには有機酸が多数含まれており、その殺菌作用によって腐らないのだ、
という話しが前回のコラムでありました。

しかし、なんだかピンとこない「グルコン酸」と「グルコースオキシターゼ」の話。
もやもや。

というわけで、今回は殺菌消毒性について少し掘り下げてみようと思います。

はちみつが腐らない理由

まずは前回のおさらい、

①はちみつは糖度が非常に高いため、細菌がはちみつに入り込むと、浸透圧の作用で細菌の体内から水分が奪われてしまい生きていけない。
②有機酸(その70%はグルコン酸)というものがはちみつに含まれており、はちみつは弱酸性の世界。細菌にとって、弱酸性では生息し辛いらしい。
③はちみつには「グルコースオキシターゼ」という酵素が含まれている。この酵素が空気中の酸素と結合し、強い殺菌性を持つ過酸化水素を作り出す。

なるほど。腐敗菌が寄り付きにくい要素がいろいろあって、これらが複合的に作用し高い保存性が保たれている。なんとなく分かる気がします。

うーむ、でも、グルコン酸とか、グルコースオキシターゼとか、どうも関係性が分かりづらいぞ。

登場人物を整理してみる

グルコース(ブドウ糖):はちみつに含まれている。
グルコースオキシターゼ:酵素。みつばちの唾液中に含まれている。熱や光に弱い。
グルコン酸:はちみつに含まれている有機酸のうち、70%はグルコン酸。
過酸化水素:高い殺菌消毒性を持つ。

どうやら、殺菌消毒性を理解する上で主なものは、これら。
いろいろ読んでいると、微妙に説明が絡まっているものもあるものの、こういう感じ。

脇役としては、
インベルターゼ:転化酵素。花蜜=ショ糖をブドウ糖(グルコース)と果糖に分解する。花の蜜を蜂蜜らしくしている影の立役者。

高い殺菌消毒性を持つものは何?

はちみつのどこに殺菌消毒性があるのか。
端的に言えば、高い糖度と、グルコン酸、そして過酸化水素にある。
高い糖度は浸透圧の働きで細菌の生息を難しくする。
グルコン酸は、はちみつを弱酸性にすることで細菌の発生を抑制する。
過酸化水素、聞きなれない言葉だが、消毒液のオキシドールなら聞き覚えのある人も多いのでは。

では、それらはいつ、どうやってはちみつに登場するのでしょう?
(糖度は言うまでもないとして、グルコン酸と過酸化水素は一体…)

酵素はどこに?

蜂蜜に含まれている酵素。
そもそもはみつばちの唾液中に含まれています。
蜂蜜は、みつばちが花の蜜を吸い、蜜胃に溜めて巣まで持ち帰り、貯蔵係のみつばちに口移しで渡していく、バケツリレーのような方法で巣に貯蔵されます。
その際、みつばちの唾液と混ざり合い、酵素が蜂蜜中に含まれていくわけです。

グルコン酸ってどんな酸?

はちみつに含まれているブドウ糖(グルコース)に、みつばちの酵素(グルコースオキシターゼ)が反応し生成される有機化合物、これがグルコン酸だそう。
グルコン酸は、はちみつに多く含まれている。
そのため、はちみつ酸とも呼ばれることもあるのだとか。
(みつばちの酵素と反応せずに生成される場合は、どこでどんな時に生成されるものなんだろう?)

しかも、なんとビフィズス菌を増やす作用がある唯一の有機酸なんだとか。
ビフィズス菌が増えると、整腸作用や花粉症予防・改善など、様々な効果が期待できるようです。

高い殺菌消毒性を持つ過酸化水素

そして、グルコン酸が作られる際に発生するのが過酸化水素。
活性酸素の一種で、強い酸化力によって細菌を死滅させるそうな。
消毒液のオキシドールは、過酸化水素です。
しかし、ここでちょっと不安になるのは、そんなものを体内に入れていいのか、ということ。
調べてみると、体内では赤血球や組織中に存在する酵素(カタラーゼ)の働きで反応をとめるため、心配はいらないようです。

「殺菌消毒性」というけれどボツリヌス菌は?

はちみつといえば、決まって書かれているのが、1歳未満の子どもには食べさせないようにという表示。これは、はちみつにボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあるため。
1歳未満の赤ちゃんは消化器官が未熟で、腸内環境も整っていないため、芽胞の状態でも腸内で発育し増殖、中毒症状を起こす可能性があるのです。

しかし、殺菌性の高いはちみつに、なぜボツリヌス菌は生息できるのか。
それは芽胞の状態だから。芽胞の状態では耐久性が高く、種のように眠っている状態。
ここに、条件が整えば、活動を始め、毒素を作り出すようになります。例えば、はちみつを食べて、体内に取り込まれると、唾液やその他の食品などではちみつが薄められ、ボツリヌス菌は活動しやすくなるわけですね。

まとめ

人間も、お米を噛んでるいると、唾液中に含まれる酵素の力で、でんぷんが分解されて糖になっていくもの。
それと同じようなことが、はちみつができる過程でいろいろ起こっているわけですね。
転化酵素(インベルターゼ)が、花の蜜(ショ糖=多糖類)をブドウ糖と果糖に分解する。ここで、花の蜜ははちみつへと一段階、変わっていくわけですね。
そして、グルコースオキシターゼがブドウ糖を分解してグルコン酸を作り出す。その際に過酸化水素が発生する。有機酸ができることで、はちみつの風味と、保存性が高まる。
ということは、これらの分解が進む前に採蜜してしまうと、糖度は高くても糖の種類が違ったり、保存性が異なったりしてくるのだろうか。

今回のコラムでは、
幾分かはちみつの殺菌消毒性のことが分かってきたような気がします。
いかがだったでしょうか。
ちょっと分かってくると、新たな謎が出てきて、あれやこれやと気になってきてしまう。
またいつか、このあたりのことを整理してみたいなと思います。

酵素たちの働き

【木曜マルシェに出店します】

グランフロント大阪の地下街で、毎週木曜日に開催されている“木曜マルシェ”。

いつも日本各地の美味しいものと共に生産者さんが軒を連ねています。
こちらに私たちも蜂蜜や、この時期が旬の甘くて瑞々しい新玉ねぎ、
無農薬の乾燥大根など、南あわじの美味しい食べ物を持ってお邪魔します。

まずは46日(木)出店します。
今後の出店は未定。でも、定期的に行こうと考えています。
大阪近辺のみなさん、おまちしてまーす!

Umekiki Marche

木曜マルシェではここの地下で出店しておりまーす

はちみつの賞味期限は?

イベント出店していると、お客さんから
「賞味期限っていつまでですか?」
ということをよく聞かれます。
普段、はちみつはたくさん使うものでもないので、保存がきく方がいい。
でも、いつまでに食べた方がいいんだろう?腐ったら困るな~。
ということかもしれません。

ということで、今回は、はちみつの成分のことや賞味期限のお話。

はちみつの主な成分は糖類と水分

以前、『蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜)』というコラムで書いたように、
蜂蜜ができるまでには、花から集めてきた蜜が、蜂たちの口移しバケツリレー方式で、様々な酵素が混ざり合いながら、巣の中に蓄えられるということでした。

花の蜜の糖度はみつばちが採集した段階では40%未満と言われており、巣の中に蓄えられてから、みつばちが羽ばたき、風を送ることによって水分が飛ばされた結果、蜂蜜の糖度は80%前後になるのです。

風を送る日本みつばち

巣の中に風を送る日本みつばち

そして、みつばちたちの頑張りによって、水分が飛んで、糖度が高くなると熟成された蜂蜜が完成です。完成した蜂蜜は、蜂たちがミツロウで作った蓋(蜜蓋)で封をします。

巣と蝋蓋

この蝋蓋がされているということは、はちみつの糖度が上がり、しっかりと熟成されたという証です。そして、それは、みつはちのチカラだけで熟成した蜂蜜であるということですね。

みつばちが蝋蓋をする前の水分量が多い状態のはちみつを採蜜して、人工的に加熱し、水分を飛ばして、糖度が80%前後になったら瓶詰めして、販売するという蜂蜜もあるそうです。

これを何度か濾して、商品となる蜂蜜が出来上がります。
採蜜後のはちみつの主な成分は、糖類(ぶどう糖や果糖など)が約80%、水分が約20%です。
(※はちみつの細かな成分や効能については、またの機会に。)

糖度が高いということは

糖度が約80%。糖の濃度が高く、水分が少ないというのは、細菌などの菌が繁殖しにくい環境なのです。また、はちみつの中に細菌が入っても、糖分が細菌内の水分を吸い取ってしまうので、細菌は繁殖できずに、死滅してしまします。難しい言葉で「浸透圧」と言います。

ジャムを作るときに、果物に砂糖を振っておくと、果物から水分が抜けるのと同じ現象ですね。

(ナメクジに塩をかけたときに小さくなるのもこの現象。私は子どものころにやりました)

さらに、はちみつには殺菌効果が

はちみつにはグルコン酸などの有機酸が含まれているため、常に弱酸性の状態になっているため、その中で菌が繁殖しにくいと言われています。
それに加えて、はちみつ内にあるグルコースオキシターゼという酵素が、空気中の酸素と結びつき、過酸化水素を作り出します。この過酸化水素が強い殺菌作用を持っているのです。

 

これらの様々な殺菌作用などが複合的に絡み合い、高い保存性が生まれているのです。

ということで、はちみつは腐りません!!

 

売っている蜂蜜には賞味期限が書いてあるけど

食品を販売するにあたって、法律上、賞味期限を記載する必要があるのです。
そして、蜂蜜の場合は1~3年くらいのものが多いです。

その理由としては、時間の経過とともに風味や味わいが変化するということもあり、賞味期限の参考として、一般社団法人日本養蜂協会のWebサイトに以下のように書いているからだと思います。

賞味期限は、充てん後1~3年を目途に販売者が決定するものとし、元号若しくは西暦の「年 月」でもって表示するものとする。(一般社団法人日本養蜂協会HP参照

腐るものではないのですが、一応決めておかないとっていうことで、このように書かれております。賞味期限は、販売者が決定するものなのです。

草地家では、採蜜月から2年間とさせていただいております。
が、過ぎても腐るものでもありませんので、美味しくいただけます。

賞味期限の表記については、製造日から3ヵ月を超えるものは、「年月」表記で認められているので、例えば、2016年10月に採蜜したものであれば、賞味期限は2018年9月になります。

では、はちみつって絶対に腐らないの?腐る可能性はないの?

はちみつそのものは、先ほどまで書いていたように腐るものではありません。
ただ、はちみつの中に、水や異物が入ってしまうと腐ったり、カビが生えたりする可能性があります。

例えば、水でぬれたスプーンを使い、蜂蜜の中に水気が入ってしまったり。直接、指を蜂蜜ビンの中に入れたり、ペロリしたり。口をつけたスプーンを再び蜂蜜ビンの中に入れてしまったり。

そういうことにならないように、ご注意ください。

淡路島のたまねぎ① 3月の新玉と玉ねぎの種類

玉ねぎシーズン到来

少しずつ暖くになってきました。3月ももうすぐ終わり。
そして、いよいよ淡路島が本領発揮する玉ねぎシーズンの始まりです。

すでに、地元の道の駅では、たくさんの「新玉」が並んでいます。春休みということもあり、たくさんの人が訪れており、みなさん新玉ねぎに夢中でした。

産直の玉ねぎ売り場

新玉がビッシリ

淡路島の玉ねぎは、たくさんの種類があり、様々な品種の玉ねぎが栽培されています。

そのため、収穫間近の玉ねぎ畑があったり、まだまだ小さくてかわいい玉ねぎが植わっている玉ねぎ畑があったり。

玉ねぎ畑
玉ねぎ畑

収穫目前の玉ねぎ

こっちの農場はまだまだ小さい玉ねぎ。6月に収穫します。

玉ねぎ畑

まだまだこんなに小さい

お店で見れば、すべて同じ玉ねぎなのに、

玉ねぎには、品種や収穫する時期によって、大きく分けて、「極早生(ごくわせ)」「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」というように分類されます。
下の写真のように、たまねぎの色も全然違うのです。早生の玉ねぎが白っぽくて、中生や晩生の玉ねぎは茶色っぽい色をしています。

そして、品種も「レクスター」「まぼろし」「春いちばん」「ソニック」「アドバンス」「ターザン」「もみじ3号」「もみじの輝き」などなど。ちょっとかっこいい名前もありますね。

そのなかでも「極早生」「早生」「中生」の品種の玉ねぎが「新玉」と呼ばれます。

玉ねぎの種類

今、販売されているのは、極早生

3月末の今の時期、販売されている玉ねぎは「極早生」という玉ねぎです。

新玉ねぎ

濱の宝という品種の玉ねぎ

土を落として、きれいに皮をむいてあげると、透き通るような白さで美しい。

包丁で真っ二つに。

新玉真っ二つ

このみずみずしさ

切っていても目が痛くならない。

玉ねぎスライス

スライスにしていきます

スライスしたら、水にさらすのではなく、空気にさらしてあげる。
そうすることで、ほんの少しの辛みもなくなります。
今回は2種類の切り方で試してみました。

玉ねぎスライス

繊維に沿ってスライス

玉ねぎスライス

繊維を断ち切る方向

 

あとは、鰹節を振って、ポン酢をかけて食べる。
繊維に沿って切ったほうが、食感がしっかりしていて玉ねぎっぽさがしっかりと残っています。そして、繊維を断ち切ってスライスした方は、少しとろみがあって、甘味が強くなります。

どちらも美味しい。ひとつの玉ねぎで二度楽しめる。

玉ねぎスライス

それぞれの時期に応じて

これから淡路島は玉ねぎシーズンへ。
「早生」「中生」「晩生」についてや、淡路島の玉ねぎのことなどはそれぞれの時期に応じて、少しずつ書いていこうと思います。

【草地家、はじめてのトークイベント】

 

来月、4/6(木)の夜に大阪駅から徒歩数分「はちみつとフリーペーパーのお店 はっち」にてトークイベントでお話をさせていただきます。

声をかけてくださったのは、大阪・梅田で「はちみつとフリーペーパーのお店 はっち」で「はちみつ担当」を務める比嘉さん。「はっち」では、毎月第一木曜日を「はちみつday」として、はちみつ・ミツバチに関するトークやイベントを開催しているのです。

トークイベントでは、日本みつばちを通じた私たちの取り組みを中心に、在来種である日本みつばちのことやはちみつのことなど。また、淡路島での暮らしや遊び方、食のことなど、淡路島の魅力的なところもお話する予定です。
どんな展開になるかはまだ決まっていませんが、みんなでお話ができたらと考えています。

まだまだ、養蜂家見習いなのですが、このような取り組みを通じて、みつばちのことや淡路島に関心を持ってもらえたらいいなーと思います。

大阪付近のみなさまのお越し、お待ちしておりまーす!
木曜の夜、お仕事帰りにふらりと寄ってくださいねー。

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■日時:平成29年4月6日(木)20時~22時
■場所:はちみつとフリーペーパーのお店 はっち
■住所:大阪市北区中津5丁目4-21(大阪駅から徒歩10分)
■参加費:会場にてワンドリンクオーダー+投げ銭
■参加申し込み:Facebookにてイベントページにて(こちら

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「純粋はちみつ」「PureHoney」が多い理由は

スーパーなどで蜂蜜コーナーを目にしたことはあるでしょうか?

ちょっと立ち止まって、様々なはちみつを手に取ってみてください。

純粋はちみつ

一番よく見るのがこれ

純粋はちみつ

こんなものもあります

見ての通り、ほとんどのものに「純粋はちみつ」や「PureHoney」という名前です。 

今回は、なんで「純粋はちみつ」「PureHoney」なのかということを少し詳しく書いてみます。

 

その理由は、そういう決まりだから。

はい、これまで何度か出てきた「はちみつ類の表示に関する公正協議規約」にはこのように書いています。

純粋とPure

この規約によりますと、「純粋」、「天然」、「生」、「完熟」、「ピュア」、「ナチュラル」、「Pure」、「Natural」などの言葉は、「純粋」もしくは「Pure」に統一しなさい。他の言葉は使っちゃいけません。ということなのです。

ある本には、消費者がまぎらわしくないように、業界団体で「純粋」「Pure」に統一したということも記載されていました。(←ちょっと怪しいぞ…)

 

購入するときによくわからない

だたこれ、購入する人にとって優しくない。
スーパーで様々な蜂蜜を手に取ってみてもパッケージがほとんど同じで、表示ラベルを見ても同じ。(ラベル表示についてのルールはこちらのコラムを参照)
純粋はちみつ

「違いがわからない、何を選んだらいいのかわからない。」

「なんとなく、パッケージでこっちを選ぼう。」

「こっちの国よりこっちの国の方がなんとなく安心」

っていうことも。

消費者にやさしいということで決めたルールが実はわかりにくいっていうことも。
というか、消費者目線ではないような気もしますね…。

そして、問題なのは

混ぜ物の入っていないはちみつであれば、すべて、「純粋」や「Pure」と名乗ることができるのです。生産地も、製造方法も。その過程も決まりはありません。

例えば、

海外で詰められたものも「純粋はちみつ」

「中国産」のはちみつと「アルゼンチン産」のはちみつが混ざっていても「純粋はちみつ」

水分量が多いままのはちみつを採蜜して、加熱処理をして、水分を飛ばしてできたはちみつも「純粋はちみつ」

日本国内で採れたはちみつも「純粋はちみつ」
(ただし、日本だけの場合は、「国産純粋はちみつ」)

「純粋」って何なんだと思いますね。

純粋はちみつ

左が中国産のはちみつ 100gで100円 これも「純粋はちみつ」
右がカナダ産の「純粋クローバーはちみつ」 これも「純粋」って書いてます。

 

ということで、やっぱり業界ルールなのです

大きな会社さんの販売している蜂蜜は、ほぼすべてが「純粋はちみつ」や「PureHoney」という名前なのです。

ただ、このルール、前回もお伝えしたように、従う必要はないです。
そのため、「生はちみつ」や「完熟はちみつ」などという名前で販売しても問題はないのです。

 

どうして固まるの?蜂蜜の不思議

冬を越えて固まった蜂蜜が、お家にある人も多いのでは?
今回は、蜂蜜と固まることについて書いていきます。

少し結晶化してきている秋採り蜜

1.なぜ蜂蜜は固まるのか

購入するときにはトロリとしていても、
いつの間にか白く固まってしまう蜂蜜。
蜂蜜はなぜ固まってしまうのでしょう?
まず、蜂蜜が白く固まることを「結晶」といいます。
よく蜂蜜を使うよ、という方はご存知かもしれませんが、
すべての蜂蜜でこの「結晶」化が起こるわけではありません。
蜂蜜に含まれる成分のうち、ブドウ糖が結晶化しやすい性質を持っているため、
ブドウ糖の多い花の蜜由来の蜂蜜は結晶化しやすいと言えます。

2.寒いと固まる?温度と結晶化

寒い季節になるといつの間にか白く固まっている、
そんな印象がある蜂蜜。

いつの間にか、カッチカチ

実際、私たちもこの冬、小瓶に入れていた蜂蜜がザラザラとしたものがいくつかあります。
しかし、寒い=結晶化するということではないそう。
蜂蜜が結晶化しやすい温度は、なんと14~16度。
つまり、低温=固まるというわけではなく、冬よりはむしろ秋や春のほうが固まりやすい。
さらに、気温差や振動といった条件が加わることでより結晶化しやすくなるのだそう。

また蜂蜜には一応、賞味期限の明記が義務付けられていますが、
そもそも糖度が高く、殺菌作用があるため腐るようなものではありません。
そのため蜂蜜の入っている瓶の底にプツプツと白いものが見えたら、
それはおそらく結晶化の始まりです。

底の小さな粒が結晶

3.本物の蜂蜜は結晶化する?

「水アメが混ざったりしていない本物の蜂蜜は結晶化して固まるんですよね」と
時々言われたりすることがあります。
確かに、水アメが混ざっていると固まらないそうです。
また、結晶化の際、花粉が核になるため花粉を除去した蜂蜜でも同様だそう(そんなものもあるのですね)。
ただ、最初に述べたようにブドウ糖の含有量で結晶化しやすさが異なってくるため、
混ざり物のない蜂蜜でも、蜜源となる花の種類によっては結晶化しにくいものもあります。

このお花はどうだろう

4.固まった蜂蜜はどうしたらいいのか

いろいろ固まる理由がわかってきたところで、
そんな結晶化した蜜をどうすればいいのか、というところですね。
ザラザラとしていたり、固まってしまって使いづらい、
そんな時は40度ほどのお湯に、容器ごと浸けてみてください。
しばらくすると、トロリとした形状に戻っていきます。
また、柑橘にかけると、程よく溶けて美味しい。

でも、せっかく結晶化しているのだから、
そのまま使う、というのもアリかなとも思います。
トロリとしていた時と比べて、ざらりとした食感や味わいがこれまた濃厚。
パンやクラッカーなどと合わせると、
結晶化する前とは少し違った食べ応えを楽しむことができますよ。

さて、今回はここまで。
季節の変わり目のこの時期、蜂蜜をパクッと食べて元気に過ごしましょー。

 

3月8日は「みつばちの日」

今日は水曜日ということで、「みつばちコラム」の日。
ただ、本日3月8日は、年に一度しかない「みつばちの日」なのです。

全日本ミツバチ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定したそうな。
いつできたのか、なぜできたのかについては調べても記述が見つかりません。

理由はきっと「みつ(3)ばち(8)」だから。
それ以上でもそれ以下でもありません。

 

草地家のみつばち

みつばちのことを考える。

草地家のみつばち

みつばちに想いを馳せる。

草地家のみつばち

みつばちを眺める。

みつばちたちに感謝をこめて、はちみつを食べるのもいいかも。

1匹のみつばちが集めてくる蜜はティースプーン1杯分(約3g)
パクリと食べれば、みつばちや森の姿が思い浮かんでくるはず。
思い浮かばなければ、想像しましょう。

日本みつばち

そんなみつばちの日です。
私たちもみつばちたちに想いを馳せながら、はちみつをパクリとしました。

 

温かくなったら、早く会いたいね。

 

 

ちなみに、3月8日は日本では、
さばの日 (さ(3)ば(8))
鯖ずしの日 (さ(3)ば(8)ずし)
サワークリームの日 (サ(3)ワ(8)ークリーム)
ビールサーバーの日 (ビールサー(3)バー(8))
さやえんどうの日 (さ(3)や(8)えんどう)
みやげの日 (み(3)や(8)げ)
エスカレーターの日

世界では、国際女性デーです。

 

なお、次の記念日は8月3日の「はちみつの日」

梅薫る、立ち込める春

先日の暖かい日、
彼女たちもそろそろ飛び回っている頃かしらと
久しぶりに山を訪れました。

もうすっかり春の色

ちいさな青い花をたくさんつけている

春の香りに淡い梅の色、実る柑橘。
気持ちのいい風に弾む足取り。

甘い香りがふわり

近くには柑橘もあります

 

 

でも、なんだか違和感。
巣箱の前まで来てみても、まるで賑わいがない。
あれれ・・・?
しばらく巣箱を覗き込んでいるとやっと出てきた。

ちょこちょこと出てきた

確かに出てきた。
でも、やっぱり様子がおかしい。

地上を這うミツバチがたくさん

まだ少し寒かったのか、それともダニにやられて動けなくなってしまったのか。
最初に行ったこの山はすごく静かで
わずかに出てきている群れの子たちも地面を這うばかり。
先日、聞いたアカリンダニの寄生症状にピタリとハマる。
みんな、苦しいのだろうか。
なんだか怖くて、ちいさな体で地面を力なく歩く子たちを見ていると悲しくて
鼻の奥がツンとしてしまった。
ダニはみつばちの器官に寄生して、繁殖していく。
そして窒息させる。
羽をふるわせる力が弱まれば、群れの温度も維持できず凍死もある。
ダニに悪気はないけれど、当のみつばちは苦しいだろう。
想像すると可哀想で、何もしてやれないけど、ごめんよと思う。

指に乗せても大人しくしている

 

一旦、いちじくの枝を切る作業に勤しんでから、
夕方また別の山へ様子を恐る恐る見に行く。

彼女たちはどうしてるだろう、
これだけ暖かくて日当たりの良い日だからちょっとは喜ばしくしているのではないか、
「早く会いたい」と心が弾む一方、
春を迎えられずにみんな地面に落ちてしまっているのでは…と、
不安な気持ちもどんどん膨らんでいく。

山に入ると、枯葉と新緑を踏む軽快な音。

枯葉と新緑が一歩ごとにザクザク音を立てる

草木のいい香り。

そーっと巣箱の前にいって様子を見てみる。

1匹、2匹と、中から出てきては飛び立って、
蜜を集めてきては巣の中へと入っていく。
大勢ではない、でも静かに活動を始めている。
よかった。

「いたいたー」

でも、いくつか見て回っていると、もう活動をやめてしまったらしき群れもある。
あんなに元気だったのに、冬は大変な季節なんだと実感が湧く。

さらに奥に分け入って、
昨年お父さんが竹藪だったところを拓いて巣箱を置いた場所へ行ってみる。

まず飛び込んできたのは甘い香り、
赤や白の淡くも鮮やかな梅の花々。
そしてみつばちたちの可憐な羽音。

梅とみつばち

一面に香る鮮やかな梅の花

ここの群れたちは変わらず元気でいてくれた。
女王蜂が若い群れだからだろうか。
理由はいろいろあるのだろうけれど、
とにかくみんな元気で嬉しい。

日本みつばち

久しぶりだね

そして、昨年春には分からなかったこと。
梅の花がこの場所は大層きれいだってこと。
足元がふかふかで、耳をすますと生き物の声や動いている音があちこちからする。

耳をすますと生き物の音が聞こえてくる

ちょっと奥まっていて、
まるで秘密の花園、なんてワクワク。
いや、小さな頃にあちこちに作った秘密基地の方が気持ちとしては近いかな。

甘い香りとやわらかな花々が嬉しい

アカリンダニの急な広まりによって脅かされている日本みつばちとの暮らし。
もちろんアカリンダニだけが理由じゃないにしても、
みつばちたちが弱っているのを肌で感じて、率直に言うと結構驚いた。
秋に「また春に会えるね」としばし別れただけのはずが、
こんなにたくさんの群れのみつばちたちに会えなくなるなんて。
このちいさな生き物は今後どうなってしまうのだろう、そんな不安も感じるようになった。

そんなことを感じる、淡路島で初めて迎える春。
島は、少しづつみつばちたちが飛び交い始めています。

(ようこ)

蜂蜜って何?~日本の蜂蜜には規格がある②~

前回の続きで、日本のはちみつの規格について

“巣はちみつ”と”巣はちみつ入りはちみつ”

前回も登場した「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」によると、

蜂蜜規格(©)

巣はちみつ
「新しく作られて幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつで、巣全体又は一部を封入したまま販売されるもの」ということで。
「コムハニー」「巣蜜」という品名で売られているものがこれ。はちの巣の中にはちみつがきれいに入った状態のものを、丁寧に箱詰めしたものですね。

巣蜜

 

巣はちみつ入りはちみつ(←何度も言うと噛みそうになります)
「はちみつに巣はちみつを加えたもの」ということです。
「巣入りはちみつ」という品名で販売されていることが多く、その名の通り、はちみつビンの中にこの巣はちみつをカットしたものが入っています。
(写真はありません)

 

わたしたち草地家も、この「巣はちみつ」や「巣入りはちみつ」も一部販売できたらいいなと思っているので、保健所にどういう扱いになるのかを確認してみます。はちみつそのままなので、販売できると思っているんですが、どうなったかということはブログなどでご報告します。

あれ、名前が違うんですが。

「巣蜜」「コムハニー」「巣入りはちみつ」など、販売されているものは規約で定められている品名(「巣はちみつ」「巣はちみつ入りはちみつ」)と違っていることもあります。

その理由は、前回もお伝えしたように、この規約は「全国はちみつ公正取引協議会」という業界団体が自主的に設定した業界のルール(公正競争規約)であり、必ずしもその協議会に所属する必要はなく、従ったりする必要はないからです。

ちなみに岡山に本社がある有名な山田養蜂場はこの協議会にには属しておりません。理由はこんな感じです。
“あくまで「はちみつ」の品質を追求する私たちの厳格な品質基準と、広く一般的な意味ではちみつを定義する協議会の基準の間に相違があるためです。”(引用:山田養蜂場HP

なので、いろんな名称で販売されています。

では、ラベル表示にはどんなことが??

法律的な決まりはありませんが、公正競争規約に細かな表示方法が示されています。ただ、内容がちょっと細かいので、それをわかりやすくしたものが消費者庁のホームページにありますので、今回はそちらを参照。内容はほぼ同じ。

蜂蜜ラベル表示について

(引用:消費者庁HP

内容で気になるところに線を引いてみました。業界に属していない場合はどうしたらいいのかということ。

以前、うちの父親が保健所から指導を受けたときは、有無を言わさず、「この表示の通りにしなさい」「他の表記をしてはいけません」ということだったそうで、この通りにしないといけないんだと思います。(疑問視が残るところもありますが、そういうものなのだということで。)

ちなみに、また別の業界団体ですが、「一般社団法人日本養蜂協会」という組織があり、そこにも蜂蜜の規格があり、表示方法も決まっています。表示内容は上記のモノとほぼ同様の表示です。(もし、関心がありましたら、WEBサイトはこちら

(ただ、この「一般社団法人日本養蜂協会」の規約とこれまで出てきた公正競争規約(はちみつ類の表示に関する公正競争規約)では蜂蜜の規格の中で水分量が少し違います。なぜ違うのかはわかりませんが、どう違うのかはまた今度)

というか、なぜ同じような業界団体があって、なぜ規格が違うのか、全然わかりません!!!

ラベル表示からはわかることはこれだけ

蜂蜜ラベル表示について2

(ちなみに草地家のはちみつは図の左上のように書いてます。)

間違い探しみたいですが、わかることは名称が「はちみつ」なのか「加糖はちみつ」なのかということ。原材料が「はちみつ」だけなのかそれ以外のモノ入っているのかということ。
これ以上ことはわからないということです。なので、一応、原材料に「はちみつ」としか書いていない場合は、はちみつ以外のものは入っていないということです。

スーパーで売っているお安い蜂蜜も百貨店やはちみつ専門店で売っているちょっと高価な蜂蜜も、表示方法が違うにしても、内容はほぼすべてがこの通りです。
お店ではちみつのラベルを見てみてください。ほぼすべて同じです

そのため、何がよいとか、どう違うとか。ラベルを見ても全然わからないのです。
パッケージの情報を信じて、判断するくらいしか方法がありません。

ちなみに、「はちみつ」は「「はちみつ」には、精製はちみつ又はローヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを加えたものを含むものとする。」という記載もありました。
これについては、品名に「○○添加」と表記することだそうです。なので、何か含まれている場合は、しっかりと記載されているそうです

ということで、どうやって選べばいいの?

はちみつのラベル表示からは、
何を信じたらいいのかがわからないということがわかったと思います。
(ほかの食品と同様に表示のルールということです。)

正直、たくさんの種類がある中で、パッと見てどれがいいとかわかりません。
中国、カナダ、ハンガリー、アルゼンチン、ニュージーランドなど、いろんな国のはちみつがあります。どこの国ものを選ぶか、どの花のはちみつを選ぶかってほんと、好みかなって思います。

どれを選べばいいのかっていうので、一番いいのは、試食できるお店などで試食をして、自分に合うはちみつを購入すること。好みは、ひとそれぞれ好みが違いますからね。お店の人に教えてもらうっていうのも有効な手段。
あとは、やっぱり、信頼できる生産者や会社が販売しているものを直接購入すること。ほかの食べ物と同じですね。

スーパーや普通のお店では試食したり、話を聞いたりすることはできません。
なので、買ってみるしかなく、「当たり」や「はずれ」の可能性もあります。いろいろ試して購入していき、自分に合うものを探していくっていうのもいいかもしれません。なんとなく海外の蜂蜜は不安って思う人は、国産のはちみつを買ってみるのもよいとは思います。ただ、先ほどから書いているように、表示はすべて同じなので、パッケージからしか選ぶことができません。

ただ、やっぱり安すぎるはちみつはあまりおススメできません。
ツンとした匂いがしたり、味が美味しくなかったり。そんなこともあります。一口食べてみて、「このはちみつ、美味しい!!」って感じるのではなく、「はちみつってだいたいはこういう味だよね~」という感想で終わってしまうことも。はちみつを単なる甘味料として考えるのであれば、それでもいいかもしれませんが、それではもったいない。

あと、輸入物の安い蜂蜜は、蜂蜜100%でも、みつばちたちが集めてきた蜜が「はちみつ」になるまでの過程で、人工的なこと行われている可能性があるなど、いろいろと問題になっているようです。(それについてもまたいつかコラムで)

 

ということで、次回

この話をもう少し引っ張ります。

スーパーなどではちみつを見ていると「純粋」「Pure」っていう表記があると思いますが、それはなぜだろうか。あと、はちみつシロップのこととか。書いていこうかなと考え中。

ということで、今回は盛りだくさんでお届けしました。

ゆきお

環境社会学について学ぶ

淡路島の五色沖で洋上風力発電の導入可能性調査が進んでおり、今年になって「風力発電を学ぶ」という勉強会兼説明会が開催された。

洋上風力の調査のことは以前から知っていたけども、このような機会があり、単純に「イエス」か「ノー」とか、「嫌だから」「代替案はないの」という考えだけではないものところをより深く学ぶ必要があると感じた。

風車やエネルギー(電力)、環境のことなど、それぞれの要素を知ることも大切だけど、それだけではなく、取り巻く地域や暮らしのこと、時代の流れというところも大切。要は社会学っぽいところ。

「環境社会学」という大学の教科書っぽい本を購入。元滋賀県知事の嘉田さんが書いた本である。

 

「水」、「土地」、「暮らし(家)」、「食」、「ゴミ・エネルギー問題」などのトピックで戦後社会の変化の中で、人の暮らしや行動などの「人との係わり」がどのようになっていったのかということが示されている。

第1章だけお伝えすると「蛇口の水はどこから?」というお話。
蛇口から水が出る前は、バケツでくんでくる上水も排水も「近い」水であったということ。物質的に近いというだけでなく、それを維持するための時間や場所のルールなどの「地域のおきて」があり、社会的距離も近いということもである。お風呂の排水は掃除に使ったり、排泄物は肥料に使ったりと。川に流すことが戒めであるということも。

そんななかで、1950年代から上水道ができていき、これまで1人あたりの水使用量は1日約20リットルであったのが、1日約300リットルに増えたということ。上水が増え、川の水を使うという習慣がなくなっていく中で、川を汚さないという「おきて」も弱まっていったと。暮らしの中で、トイレも水洗を使うことが文明のバロメータのようになった結果、これまでのし尿との付き合い方もなくなっていったということなど。そして、河川の汚染など様々な問題も。
それは、物理的にも社会的にも「遠い水」になっていったということ。

それが暮らしの一つのなったこと。毎日水をくみに行っていた暮らしから「カラン(蛇口)ひとつひねると水が出る」という暮らしは「天国にきたようだった」というお話もある。

戦後の急激な成長社会と暮らしの変化。
このような歴史を踏まえたうえで、技術の進歩とともに、今の時代にどのようなカタチで
暮らしていくことができるのかなということをよく考える。

数年前に開沼博さんの「フクシマ論」を読んだときに感じたことと似ているような。そんな気がした。

蜂蜜って何?~日本の蜂蜜には規格がある①~

 

前回のコラムでは、みつばちたちが持ち帰った花の蜜がはちみつになるまでということで、はちが作る「はちみつ」について書きました。そして、今回は私たち「人」が「はちみつ」と呼んでいるものは何なのかということを書いていこうと思います。

イベントではちみつを販売しているときに
「海外の安い蜂蜜は、水あめとかのはちみつ以外のものが入っているんじゃないの?」
という話もよく耳にしました。

はちみつを買いたいと思ったときに、そういう疑問を持ったり、不安に思った時があるのでは。とお思いまして少し長くなりますが、読んでみてください。

日本の「はちみつ」の規格は?

アカシア蜂蜜やレンゲ蜂蜜、そば蜂蜜、菩提樹の蜂蜜、百花蜜など。花の蜜で様々な種類の蜂蜜があるのはご存知だとは思いますが、蜂蜜そのものに規格があることはご存知でしょうか?

難しいのですが、日本では、「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」というルールがあります。そして、このルールは、「全国はちみつ公正取引協議会」という業界団体が公正取引委員会による認定の下、自主的に設定した業界のルール(公正競争規約)だそうな。

(ちょっと余談ですが、この「全国はちみつ公正取引協議会」という団体、過去に2007年に不正が発覚したとか、いろんな業界の甘い体質があったようです。)

 

この規約では、はちみつには、「はちみつ」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」「巣はちみつ」「巣はちみつ入りはちみつの5種類のはちみつがあり、それらをひっくるめ「はちみつ類」と呼ぶそうです。(関心のある方はこちらにPDFがあります。 )

おおっなんだか業界言葉っぽいですね。
そして、「はちみつ類」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」・・・なんだか怪しいぞ。

書いてある内容をまとめてみるとこんな感じ。(僕は元々理系なので、すぐ図にしたくなります)

蜂蜜規格(©)

 

なんだか気になるところがいくつかありますね・・・。

まず、はちみつ

「みつばちが 植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の 甘味物質。」
というのはなんとなくわかりますね。みつばちたちが頑張って集めてきたはちみつ。
水分量などの組成基準(成分)には、目安となる数値があるそうです。
(水分量についてはまた別のコラムで)

日本みつばち

ただ(6)には、「精製はちみつ又はロー ヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを 加えたものを含むもの

「加えたものを含むもの」??よくわからないのですが、いろいろ混ざってても「はちみつ」と呼べるのかもしれない…。
(その謎はまた次回)

 

次に、「精製はちみつ」と「加糖はちみつ」について

「精製はちみつ」とは、
はちみつを人工的に脱色・脱香し、おまけに、加工工程ではちみつが本来持っているビタミンやミネラル、タンパク質などを破壊されてしまい、甘味だけが残ったものです。昔は、「脱臭・脱色はちみつ」と言われていたそうです。

はちみつをそのまま清涼飲料水などに入れると、特有の匂いや濁りが出るので扱いにくく、昔からこの精製はちみつが清涼飲料水や食品加工に使われているそうな。

成分表示欄に「精製はちみつ」と表記されている商品は、商品名に「はちみつ入り」「○○はちみつ」っていうカタチで販売できるということで、よくドリンクで蜂蜜入りっていうのはこのはちみつのことですね。

「加糖はちみつ」とは、
はちみつに異性化糖液を加えたもので、はちみつの含有量が重量の60%以上のもの。
異性化糖液とは、食品加工用にトウモロコシやジャガイモ、サツマイモのデンプンから作られた糖液で、はちみつとは全く異なるものです。

要するにはちみつに人工的な糖液を混ぜ込んだものが「加糖はちみつ」だそうな。

この2つの「はちみつ」と言われているもの。
はちみつと言えるのかは何とも言い難いですね。

ちなみに、「精製はちみつ」や「加糖はちみつ」のように、加工されたモノを「はちみつ」と言っているのは、日本だけだそうです。

ということで、

うーん、蜂蜜への疑問がさらに湧いてきたかもしれませんね。

この大きな業界、奥が深いですね。
淡路島の小さな日本みつばち屋さんの私にはこの大きな業界のことはよくわかりません。

歯切れが悪いですが、今日はここまで!!
次回は、この続きをお届けします。

巣はちみつのこと、はちみつのこと。
じゃ、スーパーで目にする「はちみつシロップ」って何なんだ??

私たちはこれらのはちみつをどうやって見分けるのか?
ラベル表示についてももう少し深堀してみようと思います。また、よく「Pure」や「純粋」など、はちみつには同じような表現が多いと思うのですが、その理由について迫ります。
(果たして、次週で話が完結するのか…)

草地家のはちみつ

ゆきお

蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜

「蜂蜜って何?」その2

前回は日本みつばちの蜂蜜と出会ったときのことをお届けしました。
投稿してから気がついたのですが、あれはコラムではなくブログ…

そんな反省を踏まえつつ、今回は蜂蜜がいかにして集められ、蓄えられ、蜂蜜になっていくのか、そんな話を書いていこうと思います。

蜂蜜はどうやって作られるんだろう

芳醇だけどしつこさのない、花の香りが口いっぱいに広がる蜂蜜。
そんな蜂蜜は一体どうやって作られているのでしょう。

素材はもちろん花の蜜、それをみつばちが集めて貯蔵したものが蜂蜜なのですが、
花の蜜を集めたもの=蜂蜜ということではありません。
花の蜜といえば、小学生の時に通学路に咲いているツツジの花やサルビアをチュッと吸って帰った人もいるのではないでしょうか。
蕾の根元に溜まっている蜜のほのかな甘みが嬉しい、季節の楽しみ。

こんな小さな花もミツバチにとっては蜜源

日本みつばちは巣から半径2km圏内を飛び回り、様々な花の蜜を集めてくるので、その地域の自然がぎゅっと詰まったものが彼らの蜂蜜だとも言えるでしょう。
ただ、花の蜜はもちろん甘いけれど、そんなに糖度が高いわけではありません。
ではなぜ糖度が高くなっていくのか?

その理由は蜂蜜の貯蔵過程にあります。
蜂たちは、まず花の蜜を吸い集め、蜜を貯める胃(蜜胃)に一旦溜めておきます。
十分に蜜胃がいっぱいになったところで巣に戻り、
今度は口移しで中の蜂に蜜を受け渡します。
そして今度は受け取った蜂が別の蜂へと口移しでバケツリレーのように渡していき、
貯蔵係の蜂まで辿り着いたところで巣に注ぎ込まれ、蓄えられます。
この貯蔵されるまでの過程で、蜜胃で分泌された酵素が花の蜜と混ざり反応。
さらに、貯蔵されてからみつばちが羽ばたき、風を送ることによって水分が飛ばされていきます。
この酵素と羽ばたきの力によって、花の蜜は熟成していき芳醇な蜂蜜となるのです。

 

さて次回は?

蜂蜜って何?〜その3〜という感じで、もう少し続きます。
ヒトはどういったものを「蜂蜜」と呼ぶのか。
そんなことについて書かれる予定。
詳しく見ていくと、「蜂蜜」について定義や分類がいろいろあるようです。

さて、今週のコラムはここまで。

蜂蜜って何?〜蜂蜜との出会い〜

蜂蜜との出会い

花の香りに、濃厚な舌触り、芳醇だけどしつこさのない蜂蜜に
今ではすっかり信頼を置いているものの、ちいさな頃は蜂蜜が苦手な子どもでした。
だから、家で焼くおやつのパンケーキには
バターとメープルシロップをたっぷりかけるのがお気に入り。
もちろん今でもバターとメープルシロップは大好きだけど、
季節によって、場所によって異なる蜂蜜をそーっとかけてパクリと頬張る幸せは
これまた格別、と思うようになりました。
私がはじめて蜂蜜を「美味しい」と感じたのは(そして苦手意識がクルッと変わったのは)、ユキオさんからもらった日本みつばちの蜂蜜を食べた時。

「好きな人にもらったからかな」とも思ったけれど、
きっとそれだけでじゃなくて、ユキオさんのお父さんがすっかり虜になって、
たいせつに関係を紡いでいるみつばちが作る自然な味わいが、本当に美味しかったのだと思います。

それからしばらくして、淡路島に初めて遊びに行きました。
友人も一緒に行ったので、後で「それでどっちの子が彼女なんだ?」と言われたそうだけど、ともかく日本みつばちに興味津々の私たちと友人で、お父さんが夢中になっているみつばちたちを見せてもらうことに。

森に入ると、みつばちたちは蜜を集めては戻ってきて、また飛びたってと元気いっぱい。
とても賑やか、ご機嫌さん。

巣箱をささっと掃除して、たくさん入っている巣箱から1段だけ分けてもらう。
ぶんぶんぶんと羽音を立てて、大勢がわーっと舞っている。

初めて見る採蜜作業、そしてユキオ父との初めての出会い

初めて見る巣箱、そして採蜜作業におっかなびっくりの私たち。
お父さんは淡々と、でもちょっと嬉しそうに作業していく。

森での作業が終わったら、今度は作業場で巣と蜂蜜を分ける。
箱から巣板を外して、ロウの蓋を取り、後は自然と蜜が垂れるのを待つ。

ロウの蓋を取る

お父さんが巣箱から巣蜜を取り出して蜜を濾す時に、
ひょいと一欠片食べさせてもらった時の衝撃も忘れがたい思い出。

とろーり

採ったばかりの巣蜜

暖かい季節、常温でほろ温い蜂蜜のふわぁ~っと香り立つ花の香りと
通り抜けるような芳醇で透き通った甘みが、ジュワーっと口の中に広がる。
「蜂蜜って、こんなにも真っ直ぐな味わいなのか」と思ったかどうか定かではありませんが、ただただ「おいしい…!」と驚いたことを覚えています。

ということで次回

さて、この蜂蜜はどうやって作られるものなのか、
次回は蜂蜜ができるまでをお伝えします。

のびのび日和で焚き火で焼き芋

先日、無事に消防署への届け出が完了し、いよいよ本番。
(届出の詳細はこちら

ということで、のびのび日和さんをお借りしまして。

まずは、ある程度の炭や灰を作るために焼きます。

たくさん焼きます。

あっとその前に、消防署へ

「届出第180号、今から始めます」とお電話を。

のびのび日和で焚き火 

そして、どんどん燃やしていきます。

 

ある程度燃え始めたら芋の準備。

焚き火で焼き芋

新聞紙を水で濡らして、芋に巻きます。

その上から、アルミホイルで巻きます。

 

そして、投入

 

あっ芋が灰の中に埋まらない…。

炭や灰が足りない…。

 

ということで、みんなで落ち葉や廃材を集めを。

落ち葉集め

 落ち葉集め

どんどん入れて、増やしていきます。

ある程度埋まったので、OKかなと。

 

そして待つこと約30分

焼き芋

無事に完成。

 

そして、すぐさま2回目投入。

先ほどと同じように芋を準備して、火の中へ。
灰が足りないと思って、木材もたくさん。

芋焼けました 焚き火

なかなかの火です。この火力ちょっと危険な気が…。

 

はい、燃えすぎました。炭になりまして…。

焦げた芋

本当は、燃えた後の灰の中に芋を入れて、じっくりと加熱するみたいです。

 

そして、3回目は何とか成功。

 

反省は、灰が足りなかったとこですね。
たくさん燃やさないといけないみたいです。

 

最後に、消火して消防署にお電話で

「第180号、焚き火終わりました」と。

 

美味しいお芋と楽しい時間でした。

焚き火で焼き芋を(南あわじ市編)

焼き芋

焚き火で焼き芋をやりたい。そんな季節ですね。

そんなみなさん、勝手に焼き芋をするのもいいのですが、正しく焚き火で焼き芋をするためには、消防署への届け出が必要になります。

南あわじ市の場合は「淡路広域消防事務組合消防本部南淡分署」です。

持って行く書類はこれ。(淡路広域消防事務組合のHPからダウンロードできます。)
「火災とまぎらわしい煙又は火炎を発生するおそれのある行為の届出書」

 

焚き火届出

 

発生日時、発生予定時間、発生場所、燃焼物品名および数量、目的など必要事項があります。

そして、今回の目的は「移住者交流会で焼き芋」と記載しました。

燃焼物品名は「芋」と書くべきだったのですが、ちょっと恥ずかしかったので書かず・・・。

 

この建物に書類をもって入ります。

南あわじの消防署

消防署に入ることなんてないので、少し緊張しました。

 

2階に上がると親切な消防署のお兄さんが対応してくれました。
その方からの説明によると、
「うちが焚き火の許可をしたわけではないんです。この届出をしてもらうことで、近隣の方などから火災ではないかという連絡があった場合に、火災ではないということや何をやっているかをお伝えすることができます。」

ということでした。

あくまで「届出」であって、「許可」ではないということですね。

そして、最後にお兄さんから
開始するときは「届出第180号、今から開始します!!」
終わったら、「無事に終わりました」
とお電話くださいということでした。

あとは、火災や安全に気を付けて実行するだけです

米の花と書いて糀(こうじ)

\ようこは、米糀を手に入れた/

今年も仕込みたいなーと思っていたお味噌。
どこかで糀を売っていないだろうかと、キョロキョロしていたら、
いま一緒に働いている人のお家がお味噌屋さんだということで
とってもミーハーな気持ちになったのが夏のこと。
冬になったらぜひ糀を売って欲しいと思い、聞いてみたら
「糀はいつもあるわけじゃないから、タイミングが合えば買えるけど、いつあるかは分からんなー」と。

これまでお味噌作りに寄せてもらったことはあるけれど、
そういう時にはいつも豆や糀は用意してもらって、私は参加するだけだったから、
ぜひともお味噌屋さんで糀を買ってみたかった。
そして先日(11日)、何気なく淡路島の美味しいものの話をしていたら「そういえば今日なら糀あるよー。」ということで、ついに米糀を入手したのでした。

お店に入ると、奥から小柄でニコニコなおばあちゃんが。
うぅ、好き。
可愛いおばあちゃんが米糀持ってきてくれるの、非常に良い。
どれくらい欲しいかなど何も考えずに来たので、
どうしようかな…と言っていたら「とりあえず5合にする?」という話になり、とりあえず5合。
思いがけずたくさんの米糀、ときめき。

何を作るの?と聞かれてとっさに「塩麹が作りたくて」と言ったらレシピもいただきました。
そのうち大豆も仕入れてお味噌も作りたい。

出来立ての米糀はほのかに温かくて、袋に入れていると湿気が。

出来立ての塩麹。ほかほか。

 

「すぐ使わない場合はボールに入れておいてね」というお婆ちゃんのアドバイスに従って残りはボールにいれて冷蔵庫に。

さっそくボールに移す

塩麹を作るにあたり、まとまっている米糀を割ってみると綺麗に糀の花が咲いている。
白くてふわふわ。香りはワイルド、でも食べてみるとほんのり甘い。

米の花

糀菌は日本の「国菌」に認定されたカビの一種。
国鳥や国花のように菌にも「国菌」というのがあるそう。
学名はAspergillus oryzae、
漢字表記が2種類あるわけは、
「麹」は中国から来た漢字、
「糀」は日本で作られた漢字で、蒸し米にコウジカビを生やした姿が米に花が咲くようであったことから作られたから、だそうな(出典はいろいろ)。
デンプンやたんぱく質を醸して糖化する。旨味の成分であるアミノ酸も作る。
日本の食卓には欠かせないお味噌や醤油、みりん、日本酒なんかも彼らがあってこそのもの。

塩麹を作ってみる、食べてみる

そんな米麹に塩を混ぜ込んで作るのが塩麹。
何せすぐにできそうなのでやってみる。

《塩麹のつくり方》
材料:米麹(生)200g、塩70g、水250cc

塩も米麹も淡路島産


1 まずはテンペのように菌糸でくっついている米麹を手のひらで挟んで揉みほぐす。ほぐしているうちに米麹の香りがふわりと立ってくる。

糀の香りがふわり

2 塩を加えて混ぜ合わせる。手でギュッと握るようにしっかりと、全体がなじんでしっとりしてくるまで混ぜていく。握った指の跡が残るくらいが目安。

徐々にしっとりしてくる

3 水を注いで、手のひらで挟むようにしてすり混ぜる。徐々に水と馴染み、全体がミルク状になっていく。

ミルク状になってきた

4 保存容器に入れて、1日1回かき混ぜながら1週間ほど常温で置いておく。その後は冷蔵庫で保管する。だいたい半年程度は食べられるそう。

※乾燥麹で作る場合は、同じように作って、翌日以降水分が足りてなさそうなら、ヒタヒタの状態になるように水分を足しておけばいいとのこと。

 

塩麹ってお米のトロトロしてる見た目がこれまで何となく抵抗感があって
食べたことがなかったので、人生初の塩麹。
さて、どうやって食べようかと考えてみた。
淡路島ではこの時期、葉物野菜がモリモリと旬を迎えていて、毎日が白菜まつり。
それでは新鮮な白菜を使った何かを、ということで浅漬けに。
ざくざく食べやすい大きさに切った白菜に、塩麹、ゆずの皮、鷹の爪を入れて1時間で完成。
食べるときに少しだけポン酢をかけるとまた美味しかった。
さて、まだ米麹はたくさん残っている。
甘酒にするか、味噌作りを試みるか、まだしばらく楽しめそうである。

(ようこ)

「野生」のみつばちが居つく

前回のコラムで日本みつばちは「野生で生息しているみつばち」であるとお話しましたが、今回は「野生」なのに「飼育」しているというところをもう少し。

 

まず、「野生」とは?

動植物が山野に自然に成長・生育していること。

という意味だそうで。その反対は「飼育」「家畜」。

「野生」であれば自然界の中でも生きていけますが、「飼育」「家畜」であれば、人の手が届かないと生きていけないのです。

 

野生のみつばち

日本中のいたるところで生息しています。その場所は、木の洞(うろ)、石碑の隙間、コンクリートの隙間、家の屋根裏など。ある程度中が広い密閉空間で、かつ小さな入口があれば巣を作り、そこで営んでいるのです。

私も昨年夏、山奥の道路沿い、このコンクリートの隙間に出入りしているみつばちを見かけました。

 野生のみつばちの巣

 

他にも、近くの神社にある石碑

蜜蜂のいた石碑

この石碑の割れ目からもよくみつばちが出入りしています。
(※写真は冬に取ったので、みつばちはおりませんが。)

蜜蜂のいた石碑 蜜蜂のいた石碑  

 

自然界、人工物の隙間、どこでも生息して、生きていきますという感じです。
ここから、居を移して、山の中に引っ越しても、その自然の中で生きていけるみつばちなのです。

(一方のセイヨウミツバチは人間によって完全に「飼育」されないと、自然界では生きていけないみつばちなのです。)

 

野生のはちを飼うというよりは

日本みつばちを飼っているというよりは、彼らがその環境(巣箱)を気に入って、居ついてくれてるだけ。私たちはそのような感覚です。

日本みつばち

気に入らなければ突然どこかに引っ越しするし、時には、自然の力によって淘汰されて消滅することもあります。

ただ、彼らに来てもらうために、居ついてもらうために、なりゆきに任せるのではなく、彼らが気に入るような巣箱を作って、彼らが気に入りそうな場所に巣箱を設置する。そんな努力が必要です。
もちろん、居ついたあとは巣箱の掃除なども行い、日々、気にかけてあげることも大切。

(日本みつばちに来てもらうための方法はまたの機会に。)

春の分蜂(巣別れ)の時期に、みつばちたちにこの巣箱を選んでもらって、ここに住んでもらう。その場所が気に入れば、そこに住み着いてくれるのです。

そして、蜂蜜を分けてもらうことにもつながっていくのです。

 

ちなみに、うちの父親は

「あいつらはわしの子分や。わしが農作業しとるときに、働いとるんや。だから、掃除とか面倒見てやらなあかんのや。」

と言っておりました。

父親なりの愛情表現だと思います。

【お渡し忘れ】

東京飯田橋での物産展で、本日(1/28)14時過ぎに蜂蜜を購入してくださったお客様、
お渡しの際に秋採りの蜂蜜を入れ忘れておりました。
大変申し訳ございません。

もし、この投稿をご覧になったら御連絡いただけませんでしょうか?
すぐにお送りさせていただければと思っています。
ご連絡おまちしております。

東京での物産イベント

美味しい食べ方〜紅茶編〜

蜂蜜を販売しているとよく訊かれるのが
「紅茶に入れるならどの蜂蜜が合いますか?」  
ということ。

蜂蜜は採蜜する季節ごとに味わいが異なるもの。
春・夏・秋で随分変わるので同じ群れでもいろいろ楽しめちゃいます。

左から春採り・夏採り・秋採り

左から春採り・夏採り・秋採り

だから、季節の蜂蜜と紅茶の組み合わせって
いろんなバリエーションがありそうです。
ざっくり言えば、ミルクティーには秋採りの濃厚な蜂蜜、
春採りの蜂蜜は花の香りが明瞭なのでハーブティーにぴったり。

そんな風にお伝えすることが多いのですが、
もうひとつおすすめしたいのが紅茶の選び方。
「せっかく蜂蜜を入れて楽しむなら、紅茶は香りの穏やかなものがぴったり、らしい。」
そんなことを友人から聞いて試してみたところ、本当に美味しい。

「穏やかな味わいが蜂蜜に合うらしい」と友人がくれた。ミルクティー向きのセイロン・ルフナ(左)とチャイによく使われるシロニバリ(右)

紅茶の風味に、ミルクのまろやかさ、
蜂蜜の味わいがしっかりと合わさって素敵。
香りがしっかりとしている紅茶には、
傍に蜂蜜を置いて、スプーンで時々すくって食べるのも良い。

なーんて言いながら、香り立つチャイも美味しい。
チャイにぴったりの葉っぱに、もりもりスパイスを入れてグツグツ煮出す。

茶葉とスパイスの良い香り

スパイスと紅茶のいい香りが部屋中に広がる幸せなひと時。
あとは、牛乳を入れて温めて、仕上げに秋採りの蜂蜜をとろり。

秋採りの濃厚さ

やっぱりミルクティーには濃厚で芳醇な秋採りの蜂蜜を入れたい。
本当はこんな熱いものに蜂蜜を入れるのは…だけど、
豊かな味わいのチャイに、秋の蜜で一層膨らみが増すような気がする。
こんな寒い時期には、芯から温めてくれるスパイスの力が心強い。

さて、今回は紅茶との楽しみ方でした。
美味しい食べ方〜◯◯編〜、今後も時々やっていきます。
ところで、みんなはどんな風に使ってるんだろう?
「こんな使い方も美味しいよ」など、教えて頂ければ嬉しいです。
ではまた。

“日本みつばち”ってどんなはち??

ミツバチに種類があるなんてって思う方もいるかもしれませんが、ほかの動物や昆虫のように様々な種類のみつばちがいます。

日本に生息しているみつばち

日本に生息しているみつばちは、

日本みつばち(ニホンミツバチ)セイヨウミツバチの2種類だけ。

 

言葉の響きだけでいえば、

“ニホンタンポポ” と “セイヨウタンポポ”

“ニホンザリガニ” と “アメリカザリガニ”

こんなかんじですね。

(ただし、セイヨウタンポポやアメリカザリガニは「日本の戦略的外来種ワースト100」に定められており、日本中広がって、生態系などに影響を及ぼしている生物です。)

 

「ニホン」という名前がつけば、いかにも日本に昔からいる生き物
「セイヨウ」「アメリカ」という名前がつけば、海外からきた生き物
そんな、イメージが湧くと思います。

 

日本みつばちもその名の通り、昔から日本にいる在来種のみつばちであり、山の中や森の中、野生で生息しているみつばちです。
日本での養蜂の歴史は、「日本書紀」に養蜂に関する記述が残っており、ずっと昔から、日本人の営みと養蜂はつながっています。

 

一方、セイヨウミツバチは、日本には、明治時代に輸入され、全国的に養蜂家さんのなかで広がっていったみつばちです。養蜂家さんがしっかりと管理していることやスズメバチという天敵がいることなどから、野生で増えるということはありません。

 

そして、実は日本で流通しているはちみつのほとんどがセイヨウミツバチの蜂蜜なのです。

※セイヨウミツバチと日本みつばちの違い、歴史、日本の蜂蜜事情などは別のコラムに書こうと思います。

 

では、本題の日本みつばちについて

 

学術的には”ニホンミツバチ”

学術的には、日本みつばちは学術的にはトウヨウミツバチ(Apis cerana)の亜種であり、学名はニホンミツバチ(Apis cerana japonica)といいます。

ただ、私個人的には『ニホンミツバチ』と書くよりも、「日本みつばち」と書く方が暖かいかんじがするので、こっちで書くことが多いです。

また、地域によっては、「和蜂(わばち)」「山蜂(やまばち)」「大和みつばち(やまとみつばち)」などと呼ばれているそうです。

日本みつばち 系統

大まかな分類はこんなかんじ(なんとも難しい…)

野生のはち?でも、飼うことができるはち

日本みつばちは野生で山林の中にいることが多く、民家の屋根や石の割れ目などにも巣を作っていることもあります。また、先ほど書いたように、ずっと昔から日本では飼われていたそうです。

最近では、趣味で日本みつばちの養蜂をしてる方が増えてきており、個人養蜂家さんが全国にたくさんおります。DIYで巣箱を作って、気軽に楽しむことができます。
(ただし、都道府県に届け出が必要です)

ただ、そんな日本みつばちは、飼っているといいながらも突然逃亡して蜂の群れがいなくなったり、様々な害虫に攻められて巣箱を全滅させられたりと、野生に近いような世界です。

日本みつばち

たくさんのみつばち

 

小さくてモフモフ(見た目)

小さくて、胴の部分の縞々がはっきりしていて、どちらかといえば黒っぽいです。これは群れや季節によって違います。少しサイズが大きかったり、黄色が強かったり、黒っぽかったり様々です。
また、頭の部分はモフモフして、かわいいです。

ですが、かわいいからと言って、近づきすぎると刺されることもあります。私は何度か刺されております。

日本みつばち

見ての通り、モフモフと目がかわいい。

日本みつばち

通常時は刺しません。

 

彼らが作るはちみつ

1匹の働き蜂が一生の間に集める量は、ティースプーン1杯分と言われています。毎日毎日、たくさんの花から蜜や花粉を集めて、巣に持ち帰ります。

季節ごとの様々な花や樹木から蜜を集めてくるため、日本みつばちの蜜は百花蜜と呼ばれています。集めてきた蜜は巣の中でじっくりと熟成され、風味豊かで濃厚な蜂蜜になります。

1 つの群れが蜂蜜を取れるようになるまで、2 年以上はかかり、1 つの群れからは年間1 ~ 2 度しか取れません。採蜜する季節によって、色や味わい、風味が違ってくるのも特徴です。

日本みつばち蜂蜜

で、お店で見かけないのは?

ただ、日本みつばちの蜂蜜は、市場に出回ることはほとんどありません。
そのため、お店で見かけることはほとんどありません。

先ほどお話ししたような野生に近い世界なので、群れがいれば必ず蜂蜜が採れるというわけではないということ。そして、日本みつばちはセイヨウミツバチと比べて、約1/10程度しか蜂蜜を作ることができないことにあります。これらの理由で、採れる蜜の量がとても少ないのです。
そのため、「幻のはちみつ」と言われることもあります。

 

最後に

ということで、今回は”日本みつばち”についての概要をお伝えしました。

今後はそれぞれのことを少しマニアックに、かつ分かりやすくお伝えできたらと考えています。

錆びた羽釜を磨く

実家を解体する際に出てきた羽釜。
錆びてぼろぼろだったけど、捨てずにとっておいたもの。

羽釜

 

準備したものは

・耐水ペーパー100番

・耐水ペーパー240番

・さび落としのスポンジ

・スコッチブライト

・分厚い手袋

 

 

ということで、2人で夢中になって、ひたすら磨く。

羽釜磨き

磨いても磨いてもドロドロっと茶色い錆が。

ひたすら磨く。

 

 

磨き続けて約3時間。

見違えるようになりました。

羽釜

細かいペーパーでやればまだまだいけそうな。

というかどこまでやれば終わりなのだろうかと思いつつ。

 

そして、今度は内側

最初はこんなかんじ。

羽釜内側

 

そこから磨く。

磨く。

最後の力を振り絞って。

身体が悲鳴を上げてきて、そろそろ限界に。

羽釜内側

 

今日はここまでで終了。

よく頑張った。

「グレ」いただきました。

夕方、母親から

「○○さんから昨日釣った魚もらったから、1匹持って帰り。」
「たぶんグレ、黒い鯛みたいな魚や。」と

グレ

しかも、その場で3枚におろしてくれる。
グレとは正式にはメジナというそうで。wikipediaはこちら

 

さっそく、刺身とあらの塩焼き、お吸い物に。

ぷりぷりした弾力があり、とても美味しい。
焼くとたんぱくな味わい。

グレの刺身

 

 

最後には、グレ茶漬け。

一気に口の中に。

グレ茶漬け

 

 

新鮮なお魚をすぐに頂く。

「島っぽさ」を感じております。

鯵やイワシ、先日は太刀魚も。

 

実家が近いおかげで、島の旬の食を楽しむことができています。

【謹賀新年】2017年のはじまり

新年が明けて早くも1週間。
ちょっとご挨拶が遅くなってしまいましたが、
みなさま、明けましておめでとうございます。
走り始めて2年目、2017年もますます楽しんで、
そして頑張っていきたいと思います。

昨年は淡路島に拠点を移し、師匠(ユキオ父)について山に入り、
巣箱の掃除の仕方や、竹林の整備、草刈り、採蜜、ミツロウの作り方、いろんなことを教わりました。
マルシェなどで販売したり、いろいろなご縁からお店で置いていただいたりも。
みなさまのおかげで、様々なチャレンジを始めることができた1年でした。

あんなことをやりたい、
こんなことができたらいいな、
2016年の初めに書いた抱負を読み返してみたら
できていること、
できなかったこと、
思ったよりもみんなに助けられて進んだこと、
思いがけない形で展開したこと、
もっと頑張れたこと、
次の1年で近づけそうなこと、
いろんなことがありました。

2017年、新しい1年、
もっと力をつけていきたい。
関わる人たちと、喜びの多い1年にしていきたい。
そんな風に考えています。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。